女神の夢(第三夜)
こんな夢を見た。
もう一人のアタシが産んだ子供達は健やかに成長し、やがて大きくなるとそれぞれの役目を持ち始めた。
娘のアラディアは、ルシファーのエーテルで変異した人間達を魔族と呼び、その国を作り上げた。
場所はルシファーの降り立った北の地で、国の名前をアルブ王国と名付けた。
息子のヘロディスは鍛治職人となり、この星で争いを起こさない為に、世界の均衡を守る聖剣を作り始めた。
初めに作ったのは、自身の為の聖剣である。
続いて双子の姉であるアラディアには支配者の名を冠する漆黒の聖剣を与えた後、この星に存在する四つの元素から自身の眷属である四精霊を生み出すと、四元素を司る聖剣を与えて世界の均衡を守る使命を与えたのだった。
後にアラディアは、覇黒の女神とも呼ばれるようになる。
力を持つ魔族はアラディアが統治する国で、その力を人々の暮らしに役立てている。
世界は四霊の剣士達に守られ、争いの殆ど無い平和な世が続いていた。
軈てアラディアは一人の魔族と恋に落ち、結ばれた二人の間には女神の血を引いた魔族の子が誕生した。
子供の名はゲオルグといい、後にゲオルグ・フォン・バロルと名乗るようになる。
ゲオルグもまた健やかに育ち、遂にはアラディアの後を継いで魔族達の王となった。
それから数十年が経った頃、ゲオルグが長く家を空けている間に、アラディアの訃報を知らされた。
彼が慌ててアルブに戻ると、国を出る前までは元気だった母親の肌は青白く変色していたが、その表情は安らかであった。
母親の横で泣き崩れる父親を慰め、ゲオルグは二人の為にも自分が支配者の剣に相応しい王になろうと決意するのであった。




