幕間 幽閉の女神
こんな事になるなんて……
シャーロットが死んじゃった……
アタシ、全部謝りたかったのに……どうしよう、ベリィが……ベリィは大丈夫かな……?
大丈夫なわけないよ……だってシャーロットが……
全部アタシのせいだ。
あの時、アタシが直ぐにシャーロットの手を取っていれば……
そもそも、アタシが初めからベリィやあなたのことを信じていれば……
アタシのせいだ。
これはアタシが招いてしまった結果だ。
もう嫌だ、死にたいよ……
そうだ、アタシが死ねばよかったんだ。
それが一番よかったのに……どうして……
どうしてアタシは、生かされてるの……?
「ご気分が優れないようですねぇ、サーナ様」
ああ、また奴が来た。
「……死なせて。アタシを殺して」
アタシはメフィルを睨み、ハッキリとそう言った。
こんな世界、もう嫌だ。
シャーロットを死なせて、ベリィを不幸にしてしまったアタシに生きる資格なんて無い。
「まだ死んでもらっては困ります。儀式の日まで生きておいて頂かないと」
儀式……もうそんな頃か。
あと何日かすれば、空に赤い月が昇る。
その日、この星は魔力に満ち溢れ、儀式が成功し易いらしい。
アタシはその儀式を行う為の、ただの道具に過ぎないんだ。
「まあ、儀式が終われば用はありませんから、その時まで我慢してください」
あの日以降、メフィルは少し機嫌が良い。
シャーロットが死んだからだと思う。
最低だ……
違う、最低なのはアタシのほうだ。
こんな奴に屈して、ベリィ達のことを信じられなかったアタシの方なんだ。
ああ、ベリィはどうしているのかな。
アタシのことも恨んでるかな。
イヤ、ベリィのことだから、きっと自分のことを責めて辛い思いをしているのかもしれない。
ごめんね、ベリィ。
アタシのせいでこんなに苦しい思いをさせてしまって、本当にごめんなさい。
今更後悔しても遅いよね。
ベリィと、もっと沢山一緒に居たかったな。
ブライトのこと、アタシが説得出来たら良かったのに。
ああ、黒星剣ホロクロウズのこと、リタさんに謝って返したかった……
そうだ、ザガンのことも巻き込んでしまったから、せめてメフィルからは解放されたらいいな。
グレイは、今どうしているんだろう……
何だかもう疲れちゃった。
瞼が重い……