表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の娘は勇者になりたい。  作者: 井守まひろ
四霊/百花繚乱花嵐 編
124/220

幕間 幽閉の女神

 こんな事になるなんて……


 シャーロットが死んじゃった……


 アタシ、全部謝りたかったのに……どうしよう、ベリィが……ベリィは大丈夫かな……?

 大丈夫なわけないよ……だってシャーロットが……


 全部アタシのせいだ。

 あの時、アタシが直ぐにシャーロットの手を取っていれば……

 そもそも、アタシが初めからベリィやあなたのことを信じていれば……


 アタシのせいだ。

 これはアタシが招いてしまった結果だ。


 もう嫌だ、死にたいよ……

 そうだ、アタシが死ねばよかったんだ。


 それが一番よかったのに……どうして……

 どうしてアタシは、生かされてるの……?


「ご気分が優れないようですねぇ、サーナ様」


 ああ、また奴が来た。


「……死なせて。アタシを殺して」


 アタシはメフィルを睨み、ハッキリとそう言った。

 こんな世界、もう嫌だ。

 シャーロットを死なせて、ベリィを不幸にしてしまったアタシに生きる資格なんて無い。


「まだ死んでもらっては困ります。儀式の日まで生きておいて頂かないと」


 儀式……もうそんな頃か。

 あと何日かすれば、空に赤い月が昇る。


 その日、この星は魔力に満ち溢れ、儀式が成功し易いらしい。

 アタシはその儀式を行う為の、ただの道具に過ぎないんだ。


「まあ、儀式が終われば用はありませんから、その時まで我慢してください」


 あの日以降、メフィルは少し機嫌が良い。

 シャーロットが死んだからだと思う。


 最低だ……

 違う、最低なのはアタシのほうだ。


 こんな奴に屈して、ベリィ達のことを信じられなかったアタシの方なんだ。


 ああ、ベリィはどうしているのかな。

 アタシのことも恨んでるかな。


 イヤ、ベリィのことだから、きっと自分のことを責めて辛い思いをしているのかもしれない。


 ごめんね、ベリィ。

 アタシのせいでこんなに苦しい思いをさせてしまって、本当にごめんなさい。


 今更後悔しても遅いよね。


 ベリィと、もっと沢山一緒に居たかったな。

 ブライトのこと、アタシが説得出来たら良かったのに。

 ああ、黒星剣ホロクロウズのこと、リタさんに謝って返したかった……


 そうだ、ザガンのことも巻き込んでしまったから、せめてメフィルからは解放されたらいいな。

 グレイは、今どうしているんだろう……


 何だかもう疲れちゃった。

 瞼が重い……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ