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魔王の娘は勇者になりたい。  作者: 井守まひろ
四霊/百花繚乱花嵐 編
120/123

日、翳る

 刺された……?


 お腹が熱い……同じところに、何回も何回も激痛が走る……


 涙で目の前がよく見えない……


 メフィルは、アタシのことを何度も刺しているんだ……

 きっとそうだ。


「ぐはっ……」


 お腹からも口からも、どんどん血が溢れてくる。


 意識が……もう……


 ああ、ベリィちゃんごめんね。


 アタシがもう少し上手く戦えていたら、こんな事にはならなかったのに。


 アタシ、本当に駄目だね。


 小さい頃に、おばあちゃんから言われたんだ。


 シャロは強いから、沢山の人を助けてあげてって。


 でも、アタシはそんなに強くないんだよ。


 みんなのように魔法も使えないし、アイネクレストがいないと戦えない。


 アタシが死んだら、ベリィちゃんどうなっちゃうのかな……

 大丈夫だよね、きっと……サーナちゃんもいるし……

 シルビアちゃんも、ルカくんも、セシル様も、エドガーさんもウールさんも、みんな……みんないるから……


 でも、何でだろう。


 アタシ、ベリィちゃんが心配で仕方ないや。


 死にたくない、死ねない、こんなところで絶対に……!


「覚えて……ろ……メフィル……」


 上手く声が出せない。

 でも出さなきゃ……せめて少しでも足掻いてやる……!


「お前は、絶対に……逃がさない……! 逃げられない……アタシが……必ず……ぜったい、みつけだす……! おぼえてろぉ、メフィル・ロロ!」


 一瞬、薄れゆく意識の中で、メフィルの表情が酷く怯えたように見えた。


 アタシ達は負けてない。

 どこにも逃すもんか……許すもんか……!


 いつか必ず、お前を倒す。

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