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その日の夜。
みずあめはひまわりのことを思い出した。小学生のころの二人のことを。初めてひまわりと出会った日のことを思い出していた。
「初めまして。わたしは浮雲ひまわりと言います。わたしと友達になってください」
顔を真っ赤にしてひまわりは言った。そんなひまわりを見てにっこりと笑うと「もちろん。いいよ。ひまわり。わたしは笹枝みずあめ。よろしくね」とみずあめは言った。二人は一年一組の教室の隣同士の席だった。
二人は自分の好きなことや家族のことを話したりしてすぐに仲良くなった。きっとわたしたちは一生友達なんだと思った。
小学校の集団下校の帰り道。夕焼けがすごく綺麗だった。
きらきらと輝いていて、燃えるようで、本当に美しかった。
世界は美しい。
本当に世界は美しいのだ。
そんなことを笹枝みずあめに久しぶりに思い出させてくれたのは、いつのもように、やっぱり、友達の浮雲ひまわりだった。
(そんなことを思って思わずみずあめは笑顔になった)
あなたのいない日は、わたしはどこにいるんだろう? 終わり