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ひまわりはとても美しい女の子だった。子供のころからずっと美しいまま。(まるでお姫様のようだった)
みずあめはひまわりの艶やかな長い黒髪に憧れた。みずあめはひまわりの真似をして髪を伸ばし始めた。今ではみずあめのほうが少しだけひまわりよりも髪が長かった。背も子供のころはひまわりのほうが高かったけど、今はみずあめのほうが少しだけ高くなった。
ひまわりの顔は猫に似ていた。つり目で、大きな黒い瞳をしている。
ひまわりが詩を書くようになったのは小学生のころだった。ひまわりの詩は雑誌の選考で入賞して、そらからいくつかの詩を雑誌の上で発表してから高校生になって詩集を出版することになった。それがひまわりの初めての詩集でみずあめの読んでいたひまわりの花だった。
みずあめはひまわりの詩を読んで、初めてずっと一緒にいた(世界で一番近い場所にいる)友達がどんなことを思い、考え、生きているのか、わかったような気がした。