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異世界人在留問題を解決!

 聖女神社の神主さんは、和樹殿の親戚ですの。

 今日は、異世界人の在留期間の相談に参りましたの。


「まあ、エリーザベトさんは、まだ、聖女神社の由来を聞いていませんね。お話ししましょう。何かヒントがあるかもしれません」


 ここは、聖女市大字聖女です。昔は、聖女村と言いました。

 聖女村は、昔は、田子作村という何ともありきたりな名前でした。


 しかし、

 明治時代、この村に聖女様が天から現われました。


 柴狩りに言ったお爺さんが、山で途方に暮れている外国人女性を見つけました。


「ここは、どこですの~?殿下は?婚約破棄をされて追放されましたの~、ヒィ、異民族???」


「あんた。天女様かのう。まあ、オムスビでも食べなされ」


「グスン、グスン、有難うございます」


 ・・・そして、彼女は、村に馴染み


「ヒールですわ!」


 ポワ~~~~


「外人のお姉ちゃん。有難う。足の骨折が治った!」


「いいえ。どういたしましてですわ」


 お爺さんは、東京に問い合わせ。


 各キリスト教協会の聖職者が来ましたが、


「私は聖女ですわ!」


「聖女、なんと、不遜な女だ」

「シラナイデース」

「聖王国、シラナイ国リッヒ!」


 と反応され、


 日本の聖職者も


「魔の通力だ!」

「ナンマンダーナンマンダー」


 いろいろ面倒くさくなった聖女様は、


「もう、神道でいいですわ!」


 と村人の協力の元に社を建て、そこの巫女として、村一番の働き者の佐々木米太郎と結婚し、佐々木シルビアとして、生涯を過ごしました。


 とても、綺麗な方で、天の羽衣が残っています。


 そして、この神社の裏山が、シルビア様が降臨された山で、現在はちゃんと山道が出来て、石碑もあります。


「以上が、当神社の由来です。エリーザベトさんと似ていますね」


「本家のおじさん。エリーザベトさん。本当に記憶無いみたいなんだ」


「ふむ・・・安心しろ。私が守ってやるから、バイトしなさい。大丈夫だ」


「はい、分りましたわ」


 こうして、イオラのフードコーナーで働けるようになりましたの。


「焼き鳥は如何ですか~~~」


 ☆


 ・・・あら、家に帰ったら、衛兵隊がいますわ。


「あ、この人がエリザーベトさん?」


「エリ姉ちゃん!どうして帰って来たの?」


 ・・・あら、スマホを見たら、メッセージがびっしりですわ。

 警察官が来ているから、時間を潰して、

 まあ、賃仕事中だから、メッセージにしたのね。


「貴方が通報のあったエリザーベトさんですね。観光で来られたのですか?パスポートとビザの提示をお願いします」


 ジロリ


「何ですの?それは?」


「署まで来てもらいます。任意ですが・・・令状はすぐに発行できますよ」


 ・・・まあ、困ったわ。この際、空を飛んで逃げましょうか。

 と思っていると、聖女神社の神主さんが来て下さいましたの。


「ちょっと、連行は待ってくれませんか?私はこういう者です」


 とお名刺を渡したら、衛兵隊の人たちは顔色を変えましたの。


「でも、不法滞在の疑いが濃厚です」


「あ?なら、大手を振って、コンビニの深夜で働いている技能実習生あがりは?難民といいつつ会社まで持って働いている〇〇〇人がこの市にいるぞ。

 それをずっと放置してきたのに、何故、女性一人だと捕まえるのだ。

 エリーザベトさんの発音はネイティブの日本人だ。恐らく記憶喪失と医者の診断書もある。

 何かの理由で無戸籍の疑いが濃厚だ!」


「はい、善処します」


 ・・・・・


「ふう。助かりましたわ」

「いや、強制送還しようにも、帰れないだろう」


 ・・・まあ、やっぱり、異世界人であるとバレているわね。


「ああ、聖女神社神主一族は、東京の官公庁、警察、自衛隊関係者が沢山いる。ところで、エリーザベトさんは、16歳だったね。 東京に勉強に行かないか?お金の心配はしなくていい」

「でも、和樹殿とお母様とお別れするのは・・」


「・・・母子家庭だよ。君一人が月数万入れたぐらいでは豊かにならない。

 キツい言い方だがね」


 ・・・そうだわ。私は平民の家計を少しも考えていなかったわ。


「私はこの世界で、善行をすると決意しましたの」


「ああ、勿論、そのための勉強だ。国家改造計画だ。聖女シルビア一族の悲願だ。共に来るか」


「エリ姉ちゃん!」


 ・・・私は和樹殿とお母様と別れて、この佐々木源治郎氏の世話の元、東京に行くことになったわ。


「エリ姉ちゃん!」

「和樹、エリーザベトさんは、ここにはいてはいけない人なのよ・・住む世界が違うのよ」


「グスン、グスン」


「お母様、和樹殿、今までお世話になりましたわ」


 ・・・私は深々と頭を下げて、この男の世話になることを決めましたの。



 ☆東京


「あら、大変だわ。イオラのバイト辞めると言ってなかったわ!」


「何だって、それは不躾だ。電話だ。そして、挨拶に行くぞ!新幹線の方が早いな」


 ・・・・


「お土産ですわ。東京バナーナですわ!」


「エリ姉ちゃん!」

「エリーザベトさん・・まあ、お元気そうで」


「いや、お前ら、ここは日本だぞ。普通に会えるぞ・・」


「何だ。心配して、損をした」


 ・・・しかし、この日、以降、僕と母さんとエリ姉ちゃんの仲は疎遠になった。こんな田舎と東京では、用が無い限り行き来はしないのだ。

 親戚だってそうだ。






最後までお読み頂き有難うございました。

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