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がんばったよね!わたし

お友達が喜ぶプレゼントを贈れるだけで、子供たちよ、あなたたちは素敵です☆

リコちゃんへの おたんじょうびプレゼント。


まえからほしいといっていた


300円のほしのかたちのヘアピンをかうつもり。


よろこんでくれるかな?




赤いやねのみどりのお家がファンシーショップ。


「いらっしゃいませ。カズミちゃん」


ファンシーショップのおねえさん きょうも きれいだな。




「きょうは、キャンディ5コで50円なのよ」


おねえさんは、レジのまえをゆびさした。


「いつもは その2倍の100円するの」


マスカットくらいの大きさの いろいろないろのキャンディがとうめいなびんのなかにあった。


ママの宝石箱みたいにきれいだな。




キャンディのよこを見て、わたしはこえをあげた。


「ちょ、ちょっと  あれは もしかして 


わたしがずっとほしかった ブルーのリボンのヘアゴム!」




「あっ、ヘアゴムね。300円から250円にねさげしたのよ。


カズミちゃん、いくらもっているの?」


「300円」


「じゃあ、かえるね。きにいったのなら ぜひ どうぞ」




「かわいい……すてき」


わたしは、ブルーのリボンのヘアゴムをじっとみた。






もしブルーのリボンのヘアゴムをかったら、


リコちゃんの おたんじょうびプレゼントが かえなくなる……。






わたしは あたまを フルかいてんさせた。




リコちゃんには、キャンディ5こでいいかな。


おねえさんなら、かわいいふくろに いれてくれるだろうし。


それに きれいな いろでおいしいし。


いつもは 100円するし。






ヘアゴムがめちゃくちゃほしい!


だけど……


おかあさんがくれた300円。


「リコちゃん、よろこぶね」って、わらってくれた300円。






う~、それでも あきらめられない!




リコちゃん、キャンディ、すきだよね。


キャンディ、きらいな女の子なんて いないよ。


そうそう いない いない。


リコちゃんも ぜったいぜったい すきだよ!






もし わたしが あのヘアゴムをしたら…… 


ぜったいに にあうだろうな。


そして、おしゃれなワンピースをきて 町をあるくの。


きっと すてきよ。




わたしはうっとりとそうぞうした。




ワンピースのすそがひらひら。


そして、ブルーのリボンのヘアゴムがかぜにゆれる。


あちこちのお店によると、「かわいいヘアゴムだね」っていわれて、いい気分。


あっ、むこうのとおりから リコちゃんが きた!


「リコちゃ~ん!」


「カズミちゃん!」




リコちゃんのかみには ほしのかたちのヘアピンでなく、


いつもの「おねえちゃんのおさがりでいやだ」といっていった


耳がすこしかけている ねこのヘアピンをしていた。




「そんな……」


わたしのこころは きゅうに しぼんだ。






リコちゃんは わたしの だいすきなともだち。




きゅうしょくででる きらいなブロッコリーを


そっと うつわからどけてくれた。


そして、からかってばかりいるたいちくんから かばってくれた。




それなのに、かたみみがかけた ねこのヘアピンなんて 


ぜったいにだめ!




「おねえさん、きょうは 


リコちゃんのおたんじょうびプレゼントをかいにきたの。


ほしのかたちのヘアピンをください」


わたしは、力をこめてそういった。


おねえさんは、にっこりわらって


「えらいね」っていってくれた。




ファンシーショップのかえりみち、


かわいく ほうそうされた ふくろを そらにむけてみた。


「な~んかきもいいい~。」


そして、おもった。


「がんばったよね!わたし」




せのびをしたら、なつがおわるにおいがした。





最後までお読みくださり、ありがとうございました!

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織花かおりの作品
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作成:コロン様
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[良い点] はじめてのお使いを見守るように読みました。 小さい子供が大切な人の為に一生懸命がんばるのは、ホント尊い!
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