絶望と希望と
今日はもう一個6時に投稿します
あぁ、クソが、負けた、負けた。これはもう無理だな。くそが。守れなかった。あの感じじゃ雄偉たちも多分死ぬだろ。守れなかったか。俺は、あいつらを、守らなきゃならねえ、のに...
〜〜〜
「ハハハ、アハハハ、アハハハハハ!お前らの頼みの綱であるはずのあのイレギュラーは負けたぜ!さあどうする?このまま俺に殺されるか、足掻いて足掻いて足掻けるだけ足掻いて殺されるか、俺たちの仲間になるか!選べ!ガキども!!!」
「そ、そんなもの、決まってるだろ。皆、やるぞ!」
雄偉陽、あなたは、そんなところまで彼と対象的なのね。合わないわけよ。でも今は、あなたしか、
「浜本、サン、矢内、サン。もう、大丈夫、デス。ですので、下っていて、ください。」
残りの、持てる力を振り絞って立ち上がる。現状は実際相当やばいですからね。ゆうりがやられて、勝ち目は殆ど無い。あるとすれば、神成か、雄偉陽の覚醒か、他に潜入してるものが戦うこと。でもそれは私と同じで他の誰からも見られないこと前提。だから、雄偉陽、あなたに賭けるしかない!
「雄偉、サン、私も、戦います。」
「ありがとう、ソフィアさん。」
「俺も、やるぜ」
「私も、」
「ウチだって!」
雄偉陽の言に、クラスの中心人物たちからどんどん立ち上がっていく。これが、雄偉陽の力で、彼が嫌っているもの。確かにちょっと不気味さがあるわね。
「みんな。ああ、やろう!」
「終わったか。お前らも大概だな。ここまで圧倒的な差を見せつけられてそれでも戦おうとするとか、控えめに言って馬鹿みたいだぞ。お前の気質なのか、能力なのか。まぁイラッとはくるな。」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねえよ!」
「効かん!」
四天王が何かを呟いてると、クラスメイトの一人、魔法系の加護をもらった男子が叫び、それに呼応するように他の遠距離技を放てる人たちが一気に放つ。が、それを意にも介さず、四天王は刀を一振りしただけで全てを斬り落とす。
「まだだ!遠距離班はそのまま放ち続けろ!味方に当てないでくれよ!近距離の者も連携を組んで隙を与えるな」
これは、大元帥の加護。確か、魔力と共に発した言葉に多少の催眠効果を載せるもの。それとバフ・デバフ。幹島ね。相変わらず神様は馬鹿げた能力を持ってるわ。
「ハッハー!てめぇら雑魚がどれだけ群れようが、どれだけ強化されようが無意味なんだよ!圧倒的な地力の差の前には、加護なんてもんは無駄にしかなんねえのを理解しやがれ!」
【―閃―】
大元帥の加護で強化されたはずの皆を、ただ、刀を一振りしただけで殆どを戦闘不能に...。これが、四天王...。
「やっぱ何人かは毛色が違うな。3、4人くらいいるな。元々なんかやってた、いや、それでもって感じか。となるとやっぱり」
四天王がこっちを一瞥する
「はっ、お前らの世界も大概だな。子供がこれってどうなってんだよ全く。それだけで俺らんとこの幹部共よりつええじゃねえか。そのくせして、あぁ、一般人相手には隠さなきゃいけないのか。大変だな。まぁ俺らがそれを気にする理由はねえけどな。」
「何を、言ってんのか、わかんねえよ。はぁ、はぁ」
「雄偉!」「陽!」「陽くん!」
ほとんどの人が戦闘不能の重症を負った。このペースだと、多分回復も間に合わないわね。となると、あとは全滅か彼に託すか。
「皆。頼ってくれ」
「ああ、勿論だ!!やれ!!!」
雄偉陽の言葉に、水森直登が即答し、それに続くようにクラスメイトから雄偉に対し声援が行っている。
「皆、ありがとう。」
「それは、その力は、まさか...!?」
『うおおおおおおおおおお!!!!!』
【龍人形態】【天閃】
雄偉陽が叫ぶと同時に輝き出し、肉体が変わっていく。あれが、龍神の加護。厄介なものを...!?変異が終わってもまだ輝く!?なんで!?
「ッ!?」
今の気配、天使...?違う、これは、この力は...!?
『オラァッ!』
「カハッ!?」
「嘘、なんで、なんでその力を...」
これは、神の力。
「おいおい、まじかよお前。その力は、神の力だぞ」
『力が、どんどん溢れてくる。これなら!』
雄偉陽...。あなたのその力は神の力。最下級とは言え、ね。でも、このまま使い続けてると、いずれ拒否反応を起こして身体が崩壊するでしょう。これは、仕方ないわよね。ゆうり
「ハハハッ!おい、嬢ちゃん!お前が何しようとしてるか知らねえが、こいつは俺の獲物なんでな!手を出すんじゃねえぞ!!」
嘘、でしょ。最下級とはいえ相手は神、なのにあの四天王は、それに渡り合ってる...!?
『クソックソ、なんでっ、なんでだよ!なんで当たらねえんだ!』
「当たり前だろ小僧。この世界は、いや、どの世界でも地力っつうのが大事なんだ。神の加護なんていうくだらねー力に頼ってる時点でお前は俺に勝てねえ!加護なんかじゃ、世界は取れねえ!!!」
【居合・流影】
『カハッ』
「いまのでも解けねえか。腐っても神の加護か。まぁ時間の問題だろうけどな。いいことを教えてやろう。小僧、お前のその力は加護によるものだ。英雄神の加護といってな」
『知る、かよ』
「まぁ聞けよ」
凄い。でも、こんなのに本当に勝てるの?最下級とは言え神の力を手にした雄偉陽相手に子供扱いするような怪物。しかもこの上にまだ、魔王がいる...。これは、私も覚悟を決めなきゃ。
「ふっ、お前らが血気盛んなのはわかったが、まぁ聞いとけ」
ぐっ、これは、ゆうりが前にやってた、いえ、それ以上に強力な...。
「かつて、この世界を支配しようとし、実際その一歩手前辺りまでは支配した神がいた。その神はどうやらある程度の格のある神でな。神々はそいつを討伐するたためにその時代に生きる数ある英雄たちに加護を授けた。お前らが今持ってる加護だけじゃない、もっと多くの神の加護がな。だが、それら全てをその神は跳ね除けた。神の力ってのはそれほどに圧倒的だった。当時最強とうたわれた剣聖ですら、神が腕を少し払ったときに生じた突風で身体を切り刻まれ絶命した。神々はこれに怒りと、恐れを抱いた。そりゃあそうだろうな。加護とは言えその力は神の力の一部、それも数百数千、下手すりゃそれ以上の力を一蹴するレベル。もしかしたらこの存在は神々を滅ぼしうる存在かも、とな」
「だから神は創った。最強の生物を。幾百幾千、それ以上の量の神の加護に耐えうる肉体と精神を持つ生命を。何度も失敗した。それこそ犠牲になった生物がどれほどいたのかわからないほどにな。そして神が気づいたのは、最初から作るんじゃなくて成長させていけばいい。それに気づいてから早かった。数百、数千以上の加護を卵にし、ある少年に宿らせた。そしてその少年に何度も試練を与え、乗り越えさせ、その結果、加護が孵化し、更に試練を与え、加護を成長させ、その神に立ち向かった。」
「ただそれでも神は強かった。数千以上の神の加護を成長させたのにも関わらず押され気味だった。このままでは負ける。そんなときに邪神が更にその少年を挑発した。それがトリガーだったんだろう。その時、加護の一つが覚醒した。名は英雄の加護。自分を信じ、信頼し、好意を持ってくれる存在からの気持ちやら声やらを力に変えるっていうふざけた加護だ。その加護が覚醒し、英雄神の加護に至った。」
「これが、今お前が使ってる加護だ。雄偉陽」
『はぁ、はぁ、ぐっ、』
「その力は神の力の行使。まぁ人知を超えた圧倒的な力を使うことができたと思えばいい。その力でその神と対等に渡り合い、最後はその神を殺して終了。その後その加護を持った存在は英雄となり、崇められ、死後、神と成った。」
「まぁお前は無理だろうけどな。お前の場合は身体が神の力に適応できてない。そのままじゃ崩壊するな。俺としてはそれでいいから放置、と行きたい所だけど。そうだな、暇潰しだ」
そう言うと四天王は雄偉陽だけを動けるように、そこだけ圧をなくした。
「かかってこい小僧。人類の最後の希望を、俺が捻じ伏せてやる」
『はぁ、はぁ、俺は、そんなんじゃねえよ、ただ、俺は、お前らが、なんの罪もない人たちを悲しませてる。その現状が、許せないだけだ!』
「ガキが。現実を再認識して、貴様の正義という名の身勝手の元、死にやがれ」
雄偉陽の言葉に、四天王の雰囲気が突如として変わる。あ、ああ、これは、この力は
【百花繚乱】
〜〜〜
あぁ、もうよくね?俺頑張ったじゃん。もうよくね?疲れたもう嫌だ辛いよ死にたいよ。俺は元々こんな柄じゃねえのに。あぁ、ごめんな。ほんとに、ごめんな。決めたのに、やっぱだめだったよ。ごめんな。俺は、僕は、君等を守るって誓ったのに。やっぱだめだったよ。もう無理だよ。僕にはやっぱ無理だったよ。ごめんな、本当にごめんな。
あぁ、やっぱやだな。無駄に頭回るのってやだな。もう無理だとわかってるのに、理解してるのに、数秒経てばまた別の思考ができるようになる。あぁ、吐きそうだ。
「っ」
水の中だったんだ。大きい魚の口が見える。食われるんだ。あーあ、もういーや。疲れた。ほんとに疲れたし、もうやめよ
【■■・■】
〜〜〜
「これでも生きてるのかよ。加護=呪いとはよく言ったもんだ。」
『ッ〜〜!』
「肉体が細切れになってるのに精神が持つとか、バケモンがよ。まぁ、これで終わりだ。ッ!?」
【居合・桜蓮華】
【星岩】
四天王の男が雄偉陽に止めを刺そうと刀を構えた瞬間、なにかに気づいたように上空を向き、刀を振るう。その斬撃が、上空から落ちてくる、城よりは大きい岩を両断する。
「おいおい、まじかよ。俺は確かに殺した上に魔力が全くない湖に落としたはずだろ。なのに、なんで生きてんだよ。」
【龍星群】
今度は、莫大な、魔力の塊が、多数の龍の形に成って、四天王目掛けて落ちてくる。
【碧落一閃】
が、それら全てを刀を一振りし、切り捨てる。
「おいおいお前、この国どころか、この大陸を壊す気かよ!」
そして、それよりも更に上空に、一人の少女と、もっと高密度で、もっと莫大な質量を持った魔力の塊が佇んでいた
「あ?」