6話 熱い何かが身体の中に!?
「行ってらっしゃいませ」
そう美女AIに言われて俺はAWの世界に行く。
視界が真っ白に覆われ何も見えない状態でふわっと...ジェットコースターの急降下みたいな感覚が来た瞬間に視界がひらけ、色々な情報が目から耳から入ってくる。
見える先は中世ヨーロッパにあったような石や木で作られた街並み、道は四角くカットされた石を敷き詰めて道になっている。
俺がスポーンした場所は賑わっている噴水の前だ。
噴水はまるで現実世界にあるように水が自然に飛び出して、その水は道の横にある側溝に流れていっている。
そして、ほかのプレイヤーもここにスポーンするのか今も至る所でスポーンする時の光が立ち上っている。
その光と噴水、街並みが交わってより壮観で幻想的な景色になっている。
ほかのプレイヤーは目の前に広がっているこの景色を見て
「すげぇ...」
と言って放心したり、
地面を手で触ったりジャンプしたりして感触を楽しんでいる人もいたが俺は違った。
(なんだ...?身体の中に熱い何かが...)
もしかしてあれか?魔力的なやつか?
エルフになって魔法との融和性が高いから身体中の魔力を感じちゃった的な?
それなら全然あり得るだろう。
俺は自分の耳の先をいじいじしてみる。
しっかりと自分で触っている感触がある。
人間にはない尖った耳の先の感触まであるし、魔力とかも再現しているのだろう。
異世界だとありがちなやつだからな。
「か、身体の中に熱い何かが!...これが魔力か...!」みたいな展開を再現する為に運営が頑張ったんだろう。
そう思い取り敢えずこの事は終わりにする。
「さて、何をしようか...」
美留香も来ている筈だが、確か中学校からの友達とやるって言ってたし...
冒険者ギルドに行けばいいかな?
「ここ人多すぎるし、離れるか。」
人が多すぎて身動きがあまり取れないので、ひとまずここから移動して人がまばらになってきている場所まで来る。
さっきは視界全員プレイヤーだったけど今見えるのはプレイヤーじゃなくてNPCだな。いや、現地人とか住人と言った方がいいか。
ベータ版テストの時に素行不良のやつがNPCと馬鹿にして最終的に騎士によって捕まったらしい。
「すごいな。本物の人間みたいに動いてる...」
俺は現地人の1人を見続けているが、店で店員さんと元気に話して買い物をしたり、知り合いなのか話し込んだりしている。
頭の上にアイコンがなければプレイヤーと見間違える可能性が高い。というか間違えるだろう。
「そういえばあの美女AIさんも人間みたいに話してたよなって...名前聞いとけばよかったなぁ。」
自分の中ではあの女の人は[美女]っていうふうに固まってるけど実際に呼ぶ時に困る。
「取り敢えず冒険者ギルド探すか。」
まず冒険者ギルドに登録する為に冒険者ギルドを探すことにする。
とりあえず人の波にのって色々探索していたら………
「どこだここ...?」
迷子になった。
い、いや、べべべ別に方向音痴ってわけじゃないし!?
適当に探索しながら探してたら気づいたら迷ってた訳じゃないし!
すいません。ふつーに迷子になりました。
いや、おかしいでしょ。俺ふつーに歩いてただけだよ?なんで何もない路地裏にいるの?
とにかく誰かを見つけないと。
そう思ってキョロキョロと周りを見ながら歩いていると、1人のフード付きローブを被った人が曲がるところが見えた。
「す、すいません!」
俺は急いで追いかける。
曲がり角を曲がると、さっきのフードの人は店の扉を手前に引いて店に入るところだった。
俺はその店は茶色いレンガと木を使った2階建ての店で入り口の横には見たこともない花が飾ってある。
そして扉の横にある柱にある看板のようなものに文字が書いてあり
「エルフの都?」
看板には謎の言語とその上にルビでそう書かれていた。
私はよく迷子になりますね。気づいたら変なところにいるとかあります。
最近はスマホがあるので便利ですね。
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