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VRMMOがきっかけで気が使えるようになりました  作者: 金色うさぎ
2章 精霊の花園
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13話 少年の正体

「着いたぜ!」


「ここが第2の街アルカイダか......」


 ちなみに第2の街と俺たちは呼んでいるが第2の街自体は4つほどある。東西南北に1つずつ。今いるこのアルカイダは南の街だ。

 そしてガルドと共にワイバーンを倒して着いた街は北の街。


 ベータ版ではそこから更に奥の街。第3の街までしか行けなかったらしいが、どこもとても広いらしい。



「綺麗な街ね」


 アンジュが街を見て呟く。

 木々が至る所に生えて、それに合わせる様に家が建っている。決して景観を損ねない様に。


「今はまだ夜っすから。明るい時だったらまだ変わるっすよ」


 なるほど......


「エルミナどうした?」


 俺の背中でずっと黙っているエルミナさん。


「いえ。少し考え事を」




 *



 エルミナside


(あの言葉遣い。それに仕草......)


 15年前に見たあの景色が蘇る。かぐや君に話したあの話。今は何処にあるのかもわからない花畑で遊んだあの少年......


『エルちゃん!出来たっす!』


 周りの精霊に教えてもらいぎこちないながらも私のために頑張って花の冠を作ってくれたあの少年......


『エルちゃん!僕大きくなったらエルちゃんと一緒に暮らすっす!」


 そんな告白の様なものを頬を赤く染めながらも必死に伝え私に抱きついてくる少年.......


『エ〝ルぢゃん......僕もうごごにごれないっす』


 そして最後に...泣きながらなんの理由も話さないまま居なくなってしまった少年......

 そんな少年が......


 私の目の前でいつの間にかこんなに大きくなって......あんなに立派になって魔物と戦っていた。


 瞳から涙がどんどんと零れ落ちていく。


「え〝!?エルミナどうした!?」


 私を背負ってくれているかぐや君が私を見て動揺する。涙を滝の様に流す私の顔を見て。


「いえ、なんでもないです」


 私は腕で涙を拭う。


(漸く会えました。アールヴ君!)




 かぐやside


「エルミナどうした!?」


 いきなり背中ですすり泣く声が聞こえてきた。


「いえ、なんでもないんです」


 エルミナは腕で涙を拭う。街の街灯に照らされたその顔はとても可愛い顔つきになっていた。




「今日はこの宿に泊まっていきましょう。明日、精霊の花園に向かいましょう?」


「おっけーっす」


「わかりました」


「かぐやは戻る?」


 戻るとは現実世界の事だろう。


「あぁ。朝にはこっちに戻ってくるから」


「了解。ならかぐやが来たら出発しましょ」


 はい。と宿の部屋の鍵をアンジュから渡される。これで泊まってくれって事だろう。


「じゃあまた明日」


「また明日っすー」


「おやすみなさい。かぐや君」



 部屋に入って必要ない装備をインベントリから操作して脱ぎ、インベントリのログアウトボタンを押してこの世界から抜け出す。




「お疲れ様です。かぐや様」


「ただいま。シエ......ル。なにしてるんだ?」


 部屋に新しく物が置かれている。それはス○ッチ。テレビに繋げてテレビで操作している様だ。


「何って...見ればわかるじゃないですか」


 テレビに映っている画面は、今大人気のあつもり(あつまれ!どうぶつ○もり)だ。なんだかんだVRが開発された今でも画面越しのゲームという物は全然ある。


「チッ!!このクソたぬきが!!またローン組ませてきやがった!!」


 めっちゃ怒ってるやん。もう落ちよ。

 怒っているシエルを横目に俺は再度インベントリを開きログアウトした。

どう森...やりたいけどSwitch持ってないよぉ!!!!!でも流石に転売ヤーから買うのはやだから待ってる状態なんだよね......



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