11話 クイーンウルフ(2)
さんばか24じ!!!のライブずっと見てる......寝てないよぉ...
面白いからいいけど...
〜アールヴside〜
「まじっすか...」
結構力入れて切ったつもりだったのに全然斬れてない。
引っ掻いた程度の傷跡だ。
「結構きついっすね」
あの2人から注意を引きながら1人で戦う。
まぁ、隙を見せた瞬間2人には魔法を放ってもらう予定っすけど...
俺のその攻撃を受けたクイーンウルフはその傷に見向きもせずに、もう一撃叩きつけてくるが俺はそれをバックステップで避ける。
そんな事はお構いなしにどんどん前脚の連撃を繰り広げていくクイーンウルフ。
「は...早い」
語尾の口癖も忘れてしまうほどに追い詰められていく。
絶え間なく続く連撃。
それを避けることしか出来ない。もし受けようとしたらその攻撃力でぐちゃぐちゃに潰されるか飛ばされる。
「アイスランス!!」
そうアンジュさんの声が聞こえてきた瞬間にクイーンウルフの背後から巨大な氷の槍が飛んできて、クイーンウルフに直撃する。
当たった衝撃でクイーンウルフの連撃が止み、俺からアンジュさんに注意が行ってしまったが...
「ナイスっす!」
俺はその隙を見逃さない。
「瞬閃ッ!」
この技はスキル王国剣術で使える瞬閃だ。
ただの剣術スキルの一閃とは似ているようで全然違う。
瞬閃は一閃の上位互換の技だ。
まずスピードが違う。一閃はただ剣身が光って攻撃力とスピードが上がった真横に斬るだけの技だが、瞬閃は攻撃力とスピードは上がり、更に真横にしか斬れないのがなくなりどんな方向でも斬れる。
それで後ろを振り向こうとしたクイーンウルフの首目掛けて瞬閃を放とうとするが一瞬クイーンウルフの毛並みが逆立ったと思ったら俺の胸に一筋の深い切り傷が出来ていた。
「あ〝ぁっ!」
叫んでしまう。それほどの痛みが身体中を駆け巡る。
これほどの痛みを受けたのは初めてだ。
「ぐぅっ!忘れてた...1番厄介な風魔法」
剣の瞬閃の光ももう無くなってしまっているため1度クイーンウルフから距離を置いて、持っていたポーションを傷口にぶっかける。
本当なら飲んだ方がいいのだが、傷口を塞ぐだけならこっちの方がいい。
シューと言いながら傷口が閉じていき、痛みもほとんどなくなる。
それと同時にエルミナの方から赤い光と緑の光が飛んでくる。
それが俺に当たるとぽわぁんとその光が俺を包み込む。
「ナイスっす!エルミナさん!」
俺は顔を上げ、エルミナさんの方を見ようとすると視界の端にクイーンウルフが緑色の見える風を纏い、物凄い速さで突撃してくるのが見えた。
そして、
「ウォォォーーン!!」
ともう一度吠えると遠くから、共鳴するように「「「ウォォォーーン!!」」」と何匹ものウルフの声が聞こえてくる。
「ちっ!仲間呼びやがった!」
そのままクイーンウルフはその速さを利用して爪で斬り掛かってくるがさっきのエルミナさんから貰った強化魔法のお陰で俺は剣でその攻撃を受け止める。
そのまま力技で強引に切り押す。
「うぉぉぉ!!」
バキンッ!!
俺は剣を振り抜く。
今の音の先は対峙しているクイーンウルフの左前脚の爪。
爪全てがボロボロに折れている。
「つぎぃ!」
振り抜いた形から回転しながら更にクイーンウルフの顔面に剣を振り抜こうとした瞬間...
「いっ!?」
手が一瞬のうちに切り傷まみれになり、剣もボロボロになる。
「アンジュさん!」
俺がそう呼ぶと
「ライトニングブラスト!」
とアンジュさんの声が聞こえ、雷の咆哮がズバァと俺を巻き込むように放たれる。
「ちょ!アンジュさん!」
俺がそういった瞬間に、俺の体がブレるように動く。
俺の背中の服の部分を掴むように持っているかぐやさん。
「ふぅ。危なかったなぁ」
かぐやさんは雷の咆哮が通ったあとを見てそう呟いていた。
俺もそこを見るとバチバチ雷の残りが見えるのとクイーンウルフが煙を上げながら横たえているのが見えた。