1話 エルミナ
「エルミナ...いい名前だな」
それにしてもこんな薄着でこんな所を傷だらけで何かから逃げるように走っていた。
そして、俺に言った「助けてください」と言った事。
「取り敢えずここから離れるぞ。エルミナは何かから逃げてるみたいだし」
「はい。お願いします」
回復薬で切り傷や裂傷が綺麗さっぱりなくなる。
多分この子住人なんだよな...
それも俺と同じエルフ...
アンジュさんところに連れてくか...
俺はエルミナを連れて南門から街に入る。
南門にも門番さんがいるが、基本寝ていたり同僚と話していたりしている。
「ほらこっち」
エルミナはこの街並みが珍しいのか辺りを見渡して「わぁ!」とはしゃいでいる。
その様子はまるで子供の様だ。
「アンジュさんー!いるー?」
店の扉を開きながら俺は店の奥にいると思われるアンジュさんを呼ぶ。
「なんだー?かぐや。朝会ったばかりだろう?何かようか?」
「あぁ、実は.........」
俺は後ろにいたエルミナを前に出し、事情を説明する。
アンジュさんは話を聞いて
「で、どうして欲しいんだい?」
「しばらくここに住まわせて欲しいんだ。」
「まぁ、それくらいならいいよ。同族っぽいしねぇ?」
そうアンジュさんはエルミナを見て言う。
「い、いいんですか?!」
「あぁ、大丈夫だよ。後で部屋を見せてあげるから移動しな。家具とかも置いてあるから。但し!住み込みとしてだ。この店の手伝いはしてもらうよ!」
そう言ってアンジュさんはエルミナを連れて家の方に入っていった。
「アンジュさんに任せとけば大丈夫だな!」
と言う事で俺はクエストの続きをやりに行く。
俺が以前ゴブリンの出た森にいた理由だけど、ゴブリンが本当に食糧難に陥った為だけであんなに大群で街を襲ったのか疑問に思われたからだ。どうにも真偽が曖昧な為、あの戦いで活躍した俺にクエストが入ったわけだ。
「でも、ゴブリンがあれだけ大移動する理由なんて他に思い付くのは...運営が操作したか強力な魔物がゴブリンの住処を脅かしたくら......い」
そうだ。あの時のゴブリンは一応は統率が取れていた様に見える。
軍隊のように隊列して攻めてきていた。
だが、それはゴブリンの習性...どんな時でもそれは変わらない。いや、変えられない。
もし、何かから逃げて、逃げてる途中で隊列を組んでいたとしたら......
「中々ヤバいな。」
ゴブリン1万体より凶悪な魔物があの森、いやあの森の奥にいるかもしれない。
「これは憶測だが...その可能性は充分ある。」
俺は森の方に身体を向け、気を流して走り出した。
皆さんは異世界の種族で何が好きなのでしょうか?
今はいろんな種族がいますが自分はダークエルフなんですよね。
マジでアンケート的なやーつがほしー。
実装してくれんかな......