22話 神父
「おぉ、死んでしまうとは情けない。貴方にもう一度機会を与えよう!
戦いで傷ついたときは街に戻り、教会にいる儂に傷を回復させてもらうのだぞ。
再びこのようなことが起こって教会にお布施を落とす事を祈っている。」
なんだ、この神父......さらっとあのセリフを言ったが微妙に違ったぞ......なんかゲスかった。
「では。」
と言って神父は女神像の後ろにある扉に入っていった。
「......まぁ、いいか。なにドロップしちゃったかな?」
世界樹の枝の木刀ユグド・フォンセは持っている。インベントリの中身を確認すると特に落としたものは......あー、熊の肉球がないな。
まぁ、見た目グロそうだったしいいか。
「さて、どうするか......っと、そういえば今何時だ?」
メニューから時計を見てみると7時に針が刺そうとしていた。
「一旦落ちるか...7、8、9、10、10時にログインすればステータスは元に戻ってるな。」
てかこれ、俺は家事とかやることあるけどなんもない人はめっちゃ暇になるだろうなぁ。
俺はその場でログアウトボタンを押してログアウトする。
シエルの所に行くがメイド服でソファーでゴロゴロしながらスマホを見ていた。
「なぁ、なに見てるんだ?」
俺がそう言うとシエルは身体をビクッとさせスマホから顔をずらしてこちらを見る。
「......かぐや様ですか。ネット小説ですよ。最近の異世界モノは面白いですね。他のAIの子たちも給料で電子書籍を購入して読んでるそうです。」
「へぇー、って給料なんてあるんだ。」
初めて知った。
俺はシエルの顔を見ていると、「あ、しまった。」みたいな顔をして、「今何か言いましたか?」と笑顔で脅してきた。
俺はその場からメニューを出しログアウトした。
消える直前、
「ちょ!待てや!こらぁ!!!」
と聞こえた気がした。
sideピエロのジョン
「自ら死ぬって人は初めて会いましたねぇ。」
私は獲物を求めて森を彷徨っている時に索敵にプレイヤーの反応があって行ってみればいかにも初心者そうな少年がいた。
「それに超高額で取引されている珍味《熊の肉球》もドロップしてくれましたしぃ。しばらくはこれだけで生活できますねぇ!」
やりましたよぉ〜。
これで、新しい毒の開発ができますねぇ!
さっさと売りに行きましょう!!
「それにしても......このゲームあんな風になるんですねぇ。私も気をつけなければ。」
私は少年の両腕...特に右腕を思い出し身体が震えた。
なんか...シエルのキャラが......
天使入れたいなぁ。
あと竜娘。