18話 気の操作
2回目〜
「なぁ、じーさん。」
「なんじゃ。」
「多分、気の認識できたわ。」
「は?」
俺が気の認識が出来た事を言うと、アホヅラを晒したじーさんがこっちをみる。
俺はその場で座って、気の全体を見るように意識を没入させる。
「おぉう。ほんとに出来とるわい。」
じーさん大丈夫か?変な声出てるけど...
「それにしても1日かぁ...1ヶ月は掛かると思っとったんじゃが......」
「次は何をするんだ?」
多分気を動かすんだろう。
「気の操作じゃな。これが出来んと気を認識出来ても意味がない。」
ほら、やっぱり。でもこれでじいさんみたいに出来るようになるのか......
「じゃあ早速教えてくれ。」
「わかっとる。じゃあまず、ゆうの身体に気を流す。しっかり流れる感覚を掴むんじゃ。」
じーさんは俺の背中......肩甲骨の間より少し下に手を当て、ふんっ!と言った瞬間身体の中に何かが廻る感覚がある。
「少しずつゆうもやってみるのじゃ!」
気.......これを今じーさんが流してるところに沿うように流す。
ちょっとずつだが、動いているような気がする。
「ほうほう!やっぱり筋がいいのう!もう動いておる!」
じいさんが興奮したように声を上げる。
もっと意識を集中させる。
それから15分チョロチョロっと少しずつ気が流れるようになってきた。
「あとちょっとじゃな。気の塊をグッと気の流れに押し出すのじゃ。今はわしが広げているだけじゃから実際に自分の気で広げるのじゃ。」
そうか...なるほど。
一気に流せばいいのか。俺は最初から少しずつ流す事を目的にやっていたけど、最初一気に流して、その後調節した方が楽に決まっている。
風船に空気を入れるのと同じだ。
最初、風船に空気を入れる時は一気に吸って、それを風船に吐き出す。その後は比較的最初よりはスルッと空気が入っていく。
それと同じだ。
全く気が流れていないところに気が流れるわけがない。
俺は気の塊をまるごと流れに乗せ、身体を一周させ、そこから気をだんだんと流していき、最終的には、身体に均一に気を運べるようになった。
「もう出来たか......すごい才能じゃ。」
俺は目を瞑っていたのをやめ、目を開ける。
「身体が軽い......?」
「気の効果じゃな。身体が気で強化されてるのじゃ。.......足に気を少し集めてみるのじゃ。」
俺は言われた通りに足に少し止まらせるようにして気を流す。
「その状態でジャンプしてみるのじゃ。」
言われた通りにジャンプしてみると
「うわ!!!」
軽く跳んだだけでじーさんの身長は軽く超えている。
「やはり、ゆうには気の才能があるようじゃな。」
俺が跳んだ高さを見てそう言った。