15話 うさ耳の女の子
それから俺は闇魔法を使ってストンを討伐していっている。
みんな謎に思っていることがあるんじゃないか?「なんで樹魔法を使わないのか...」と!
実際に俺も試してみたのだ。だけど、樹魔法の1番最初に使える魔法は『促成』だ。
現実でも温度や光線などを調節することで野菜・花卉の発育を促し、普通栽培よりも早く収穫するが、この魔法を使うとすぐに育つ。
いい例だと、調合をする為の薬草に促成の魔法をかけておけば普通の2〜3倍の速度で成長するって感じだ。
それから1時間ほど魔法を撃っていて一つ、気づいたことがある。
何かよくわからない何かが身体の中を通っているという感覚だ。今までこんな事なった事がないので上手く説明できないが、身体...というか血管に近いところに何かを感じるのだ。
「もしかして、これが魔力か!」
と思い掲示板でそれっぽい記事を探してみたけど見つからなかった。俺だけの現象なのだろうか。
まぁ、悩んでも仕方ないか。話変えよ。
「ストンはもう簡単に倒せるし、次の場所行こうかな。」
俺がそう独り言をつぶやいていると、後ろから声が掛けられる。
「あ、あの!すいません!」
俺は後ろを振り返ってみると、そこには獣人族の兎がいた。
そう、兎だ。頭からぴょこんと2本のうさ耳が生えている。尻尾も見えないがあるんだろう。
「どうしたんだい?」
「このゲームさっき始めたばかりなんですけど、やり方がよくわからなくて...やり方教えてもらっていいですか...?」
さっき始めたばっかりって......俺も始めたばっかりだよ!
でも女性には紳士に対応せねば。特に小さい子供にはな。
「あぁ、いいよ。何がわからないんだい?」
「え、えーと、魔法の撃ち方何ですけど......」
魔法の撃ち方か...まぁこれは掲示板見ればわかる事だけど......この子見てなさそうだもんな。
「どの属性の魔法を取ったんだい?」
「風と雷です!」
え?雷なんてあったか?明らかになかった気がするのだが......
「カスミさんに選んでもらいました!」
「カスミさん?」
「最初に会った女の人です!」
あ、あぁー。そういえば前に名前聞きそびれたこと忘れてたな。今日終わるとき呼び方考えよう。
「そっか。じゃあ魔法の事話すね。魔法は最初、どの属性でもアロー系なんだ。風魔法だったらウィンドアローで、雷魔法でも多分サンダーアローかな?」
ちょうど少し先にストンがスポーンしたのが見える。
「あそこに岩があるだろう?あの岩を杖で狙って、サンダーアローって言えば魔法が飛んでくよ。」
「わかりました!サンダーアロー!!えいっ!」
うさ耳の嬢ちゃんが持っていた杖から雷の矢が飛んでいき、ストンに突き刺さり砕けた。
「やったぁ!!やりましたよ私!どうですか!」
「すごいな!よくやったぞ!」
俺とうさ耳の嬢ちゃんはハイタッチをしてそこからさらに進んでいき2人で魔法の実験をしていく。
うさ耳...ロマンですよね〜
バニーガールとかほんとにいるのかな?高校生の私には分からん。
もしかしたら私達には見えてないだけで、そこら辺に歩いてるのかも。バニーガール。