プロローグ
「おじーさん、待った?」
「いーや?待っとらんよ。ワシも今来たところじゃ。」
「じゃあやろー!」
「やろうか。」
僕とおじーさんは1年前から僕は何かわからないけど体操?よくわからない事をしている。
大体1時間くらい、おじーさんと話しながら1時間やっていくのだ。
〜1年前〜
「お母さんなんて大っ嫌い!」
僕はそう言って家を飛び出す。その時の僕は5歳...保育園の年中組だ。
今はなんで家出したかを覚えてないけど、家出してもお金なんて持ってなかったし行くあても無かったから近くの緑地公園に行った。
適当に遊具で遊びながらも飽きたら公園内を色々探索した記憶がある。
その緑地公園の中の片隅...周りからはほとんど見えないところに1人のおじいさんがいた。
何歳かわからなかったけど白い髪の毛に白い髭が目立っていたのを覚えている。
僕は最初覗き込むだけだった。
草むらの中に入っておじいさんを見る。
「何してるんだろ」
僕がそう呟いた瞬間に声が聞こえたのかこっちを向き
「体操みたいなもんじゃよ。君もやってみるかい?」
お母さんが知らない人について行っちゃダメって言ってたけど付いてくわけじゃないからいいよね......
「やる!」
「よしわかった。それじゃあまずこのポーズからじゃ。」
そう言われて僕はおじーさんが取ったポーズを拙いながらも真似をする。
............
それから1日、日が暮れるまで1通りのポーズを覚えておじいさんの隣で同じことを繰り返せるようになった。
「まだ帰らなくていいのかい?」
「え?...うん......」
「何か訳ありみたいじゃな。もしや家出かの?」
僕は肩をビクッ!とさせる。どうしてわかったのか!と口には出さなかったが顔には出ていたようで
「まぁ、勘じゃな。お主みたいな子供が1人で歩いてる訳ないと思っとったからの。」
今日半日一緒に居たけど悪い人じゃないし言ってもいいよね...
「お母さんと喧嘩して家出したの。」
「......とりあえず帰ってお母さんに謝るのじゃ。そしたら家出も許してくれるじゃろ。
ほら、帰ってお母さんと話してくるのじゃ。」
「わかったー!!あっ!おじいさんっていつもここにいるー?」
「いつもはいないが、基本ここにはおるぞー」
「じゃあまた明日くるねー!」
「あいわかった。待っておるよ。」
「じゃーねー!」
「また明日の。」
それから1年間毎日通い続けている。
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