・興味
◇◇◇
男の容姿は白銀色の髪に深紅と深青のオッドアイ、細身で長身、顔は整っている
そこらの女ならほいほいついていきそうな容姿
絶世の美男子とも言える
「これなら簡単には引っかかりそうにない、押してみるか……」
◇◇◇
「こんにちは」
出来るだけ優しい声を出し笑いかけると、彼は少し驚いた顔をしてこんにちはと返す
「この前は良くしていただいて有り難う御座います、これ、お守り返しますね」
ただお礼を言いに来る、というの前に冷たくした分おかしいので、渡しされた玉を持ってきた
「ああ、わざわざすみません、捻挫、直ったみたいでよかったです」
そういって彼は早々と玉を受け取り、話を終わらせようとする
変な男だ、優しくしといて
少し黙って彼を観察する
今はまだ朝早い頃で、つい先ほど出てきた太陽が眩しく光っている
彼はその日の出を見に来た様で、話をしている最中も殆どこちらをみなかった
男という生物にしては変な人、目の前に美しい女性がいるのに毎日見れる太陽をみるなんて
「ところであなた、家は何処ですか?こんなに深い森の中に女性が一人で来るなんて危ないですよ」
相変わらず陽を見ながらの忠告だ
「家がこの近くなんです、最近北から流れてきたので近くを探検してるんです」
色気を含んで言ってみたが、やはり隣の男は目もくれない
「そうですか、大変ですね、ですがこの森結構野獣多いですから探検もそこそこにしといたほうがよろしいですよ」
また無視だ、こいつは本当に男なのか?
「はい、気を付けます、ありがとうございます」
そう笑顔で言ってみたものの、やはり男は興味を示さなかった