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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

作者: アダムの子セト

ちょっと変わったホラーだと思います。

僕は道を歩いている。舗装もしてない細い道、左側には一面の田んぼ、右側には広い竹林がある。

人は数人の男性が歩いているが皆 月代(さかやき)を剃り髷を結って着物を着ている。おやおや!江戸時代かよ、その瞬間これは夢だと分かった。

頬をつねれば夢が覚める事は判っているが、珍しい時代劇の夢を見逃す手はない、じっくり見てやろうと思った。


大分前の方から町人風の男が子供と二人こっちに歩いてくる、その時後ろの方からパカッパカッと馬らしき足音が聞こえてきた。足音はすぐに大きくなり笠を被った侍を乗せた馬が僕の横を通り過ぎた。早馬だろうか?侍は盛んに馬の尻に鞭をいれている。


それからすぐの事だった、こっちに歩いてくる子供が何かに(つまず)いたのだろうか、道の真ん中の方へよろけた。危ない!馬から子供を守ろうとした町人風の男は子供に駆け寄り子供を道の端へと引っ張り戻した。だが自身は間に合わず馬の後ろ足でまともに腹部を蹴られてしまった。町人風の男はうつ伏せに倒れたままぴくりとも動かない。死んでしまったのか?

早馬の侍は何事もなかったかの様に走り去って行った。

「酷い奴だなぁ」夢だと分かっていてもそう感じた。

倒れた町人の所へ駆け寄ろうとしたが、そこで僕は夢から覚めてしまった。


僕はベッドから起き上がり歯を磨き顔を洗った後で気付いた。

「そうか、今日は会社は創立記念日で休みだった。」

いつも子供の事は妻に任せっきり、だから今日は僕が子供を保育園に送って行くことにした。いつもは車で送り迎えするが今日は天気もいいし歩いて連れて行くことにした。歩いても15分程の距離だ。


家を出て子供の手を引いて歩き始めた。子供も天気が良くて気持ちいいのかキャッキャッといって喜んでいる。

大通りに突き当たると右へ曲がって歩道を歩いて行く。

暫く歩くと強い風が吹いた。子供の帽子が風にさらわれ車道に転がっていった。子供は僕の手を離し帽子を取りに車道へ飛び出した、子供のすぐ向こうには大型トラックが迫っている。

僕はダッシュして駆け寄り子供を歩道側へ突き飛ばした、次の瞬間、僕の目の前は真っ暗になった.......


歩道の後ろを走っていた女性は全てを目撃していた。男性は子供をかばったが自分は逃げられずトラックに跳ねられ轢かれた。

男性は腹部をまともに轢かれ 腹が裂け内蔵が飛び出し、折れた肋骨が皮膚を突き破って露出している。夥しい量の血が路面を染めていく。

女性は車道の隅に倒れている子供を抱き起こすと強く抱きしめ声をあげて泣いた。女性は子供の母親だった。子供が忘れた弁当を渡そうと追ってきたところだった。


あたりには直ぐに人だかりができていった。


                      終


                    

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― 新着の感想 ―
[良い点] 非常に読みやすかったです。他人事のような夢の出来事が、実は自分にオーバーラップする展開は斬新で面白かったです。
[良い点] 大変読みやすい文章で面白かったです。 夢で見た話が、実際に現実となるという作品はありましたがこれはそこに少し捻りを加えてあるのが良いですね。 そのまんまの夢ではなくて暗示させる夢というので…
2015/07/17 05:29 退会済み
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