ほわいとでい。
「あー!アメリア、ちょうど良かった!」
「何だおじっそ、今日も仕事が終わらないから手伝ってくれという泣き言か?」
「今日はちゃんと終わってるもん~」
「昼休みシギ先輩に手伝って貰ってたもんな」
「見られてた?!」
「ああ、シギ先輩に手伝ってもらっていながら自分は疲れたーと机につっぷしている情けない職務怠慢姿はばっちり見られていたのだ」
「うう、どこに人の目があるか分からないなんて怖い世の中だあ…」
「見られたのが私でよかったな。ヴィオーラ先輩に見られていたらしばかれていたと思うぞ」
「うう、今度から周りには気を付けなくちゃ」
「真面目に仕事すれば良い話だと思うけどな。で、何の用だ?」
「そうそう、今日の放課後暇?」
「予定はないぞ、何だ。デートのお誘いか?」
「それに近いかも~」
「まじか」
「ほら、今日はホワイトデーじゃん?だから、バレンタインのお返しにアメリアが行ってみたいって言ってた猫カフェに連れてってあげようかなって思ってさー」
「嬉しい申し出だが、教員が一生徒を誘ってそんな所行ってもいいのか?」
「バレなきゃいいんじゃない?」
「典型的駄目大人だな」
「で、どう?別に今日が駄目なら都合合わせるよ~」
「例え予定が入っていたとしてもおじっその頼みならばキャンセルして御一緒しよう」
「じゃあ決まりー!校門で待ち合わせって事で!えっと、時間はー」
「待ておじっそ、ヴィオーラ先輩との予定はないのか?」
「はへ?何でそこでヴィオが出て来るの?」
「バレンタインのお返しと言うのなら、ヴィオーラ先輩からも貰っただろう」
「ヴィオからは貰ってないけど」
「なに?そんな事はないだろう、チョコ持ってたぞ」
「ああ、あの猫型チョコでしょー!俺も見たよ、めちゃくちゃかわいかった!結局何処で売ってるのか教えてくれなかったんだよね~、残念」
「は?あれは手作りだろう?」
「へ?市販品って言ってたよ」
「成る程把握した。で、それを受け取りはしなかったのか?」
「なんか突然怒り出して真っ二つに折ったと思ったらそれを無理矢理口につっこまれはした」
「どうせまたおじっそがデリカシーのない事言ったんだろう」
「ええ?!そんなの記憶にないよ!」
「かわいそうに、鳥頭だからすぐ忘れちゃうんだな」
「ほんとだってー!」
「ふむ。ではヴィオーラ先輩も猫カフェに誘おう」
「ヴィオも?」
「そうだ。勿論代金はおじっそ持ちだ」
「そりゃいーけど。でも何でヴィオも?」
「それが分からないからどつかれるんだ。つべこべ言わず誘ってこい!」
「わ、わかった!」
「はあ。まったく。一つ貸しだからな、ヴィオーラ先輩」