『プロローグ――テムズ川の畔で…』
はい!
遂に始まりましたこの『妖怪エトセトラ(仮)』に参加しての魔化不思議な物語。
この面白企画にて登場します他作者様の個性豊かなキャラが次々と登場し。自分制作のキャラ視点とこの先色々な騒動を巻き起こす予定ですっ?
そんな訳でっ?
始まり始まりっ!
「何なんだこの姉ちゃんはよぅっ!この国のしきたりって、他人が質問した事を仇で返すんかよぉっ!」
「案外良い声出すのね。ほらほらぁ!もっと逃げて逃げまくってアタイを楽しませてちょうだいいっ」
一件平和そうな町並みに悲痛な叫びがこだます。
煌びやかなネオンに照らされながら、軽やかなステップを踏みこみ街路時下方に散りばめられた石畳をに賑やかな足音を刻む青年の姿が横切る。
道行く人々を押し退けながら逃げる青年をこれまた獲物を狩る獣の様な眼差しを向け一瞬で距離を詰める少女の姿がネオンに照らされる。
ここは日本国の某都心に近い街の繁華街。時刻的にもこのような喧嘩や騒動は何時もの事なのであるのか。
警察沙汰になる所か、まるでこの騒ぎを逆に楽しんでいる様子さえ映る。
「うそだろ?こんな目にあっていながら皆してガン無視かよっ。まさかなぁ…本物の…しかもあんな事になるなんて、でもこれで俺も改めて気分的にスッキリしたなっ!」
「ほらほらぁ!追い付いたわよぅ?もう終わりってんじゃないでしょうねぇ。アタイをこれ以上ガッカリさせんなよぁあああっ!」
「うっひょう?黒髪が金髪に変化かよぅ。あの可愛いねーちん。…あんな空切り声で坑道で魔術を?まぁ怖いっ。て、やべぇっ!」
息を切らしながら後から追いかけて来る小柄な少女のこれまたおっかない形相に片眉を自然とひくつかせる事数秒。踵を返すように肩先付近を通過する魔弾かナニカをひらりと躱す事僅か0.2秒。
街行く複数のカップルが突然四散する放置自転車にビクつく姿を横目に申し訳ないような眼差を向けポツリと「お熱い所ごめんな」と独り言を口ずさむ。
必死に息を凝らして逃げる自分に拍車をかけながら狩りをたのしむ。この異常なまでの騒動を引き起こしながら、まるでゲームか何かを楽しんでるような素振りにギョッと冷汗を拭う。
「やっべ、じ、冗談を考えてる場合じゃねぇぞ?こんな場所で犬死は真っ平ゴメンだがよ。ってか何でこの国に来ていきなりこんな目にぃっ?」
そうだ?たしか俺はある探し物の為に母方が住むこの町に来たんだよなぁ。たしか『桜丘に聳える一本の巨木。』そこに行けと――
息を切らし、既に”妖怪”と言われるもののけに変幻した少女に追われながら、ある事を思い出す青年。
しかし、この逃亡劇の終焉を迎えるかのように視界には、この季節じゃ珍しく小雪が舞っているのに気付き。
そして、突如視界に現れた流し袖の小柄な少女の姿を捉え。青年の意識は……。
◆◇
あの出来事以来普通のハイスクールに通う飛叉麻耶と呼ばれる16歳の少年の 。
その何時もと変わらない日常はあらぬ信じられないおとぎ話に迷い込むような非日常に一変しする。
そう。16歳の誕生日を迎えたあ日から。
◆◇
「ったくさぁ。あんたの胡散臭い”宗教”勧誘に何で俺まで付き合わせなきゃなんねぇんだよぅ」
「わざわざ付き合わせてすまんな。今日のパトリック集会にはどうしても222人の修道士が必要だ。それに」
「な、なんだよぅ」
ロンドン郊外を流れるテムズ川に掛かるキャノンストリート鉄橋。その入り口付近に入り組むようにあるクラシックな雰囲気を醸し出す信号元付近に待つ人混の中をこれまた一際目立つ青年の声が響く。
国道と国道の間を挟む川。
その先を結ぶ吊り橋がゆっくりと降りる様を眺める。
何事もないような素振りで右脇に抱える分厚い書物を開いては、名簿らしき表に目を滑らす年輩の神父。
身長的には180を越す一般的な白人と、その脇から顔を出す小さな東洋人と言った所か。
「まったく、そんなアナログよか電子手帳の一つもあれば」とそんな古臭い神父にでも突っ込みたい衝動を見せる青年。
容姿的には、耳元まで掛かる黒髪。そして髪色と同色にもなる黒い瞳を此方に向け。「おい!クソ親父っ、あんたに聞いてるんだよ」と。
尚も意地を張りながら講義しようとする姿からして父親である神父とその息子はここ英国とは別の異国になる日本人のようだ。
「ふふ。その様子だと今日は彼女かなにかとの待ち合わせだったか?それとも」
「ちげえーよ!今日は、それに俺は。てか、暇を見ては何かにつけて”神”かみとっ。んな胡散臭いもんに」
「はははっ!その現実主義な性格と言い。母親の奈緒子にそっくりだな」
怪訝そうな顔を浮かべながら「厨二宗教に付き合ってられっか」と神父に癒そうな顔を向け、腰元まで羽織る黒系の布切れを両手を使いヒラヒラさせる。
軽い手触りの感触をまるで気持悪い物を触るようにその場で脱ぎ捨てたい衝動を、押し殺すかのような勢いなのだが?
背丈もそうだが容姿的にこの民族的霊装に身を包む割には、今羽織るフードが思った外見にぶかついているのは明白であり。
その割りにはかなり頑丈に仕上げているのも手伝い、脱ぎ捨てたくてもまったくびくともともしない。
そんな事もプラスされ、余計にはらだたしいことを拍車を掛ける。
宗教絡み的にも特殊な素材なのは一目瞭然なのであるが、一番の問題は、どうしてこんな少年がまるで”コスプレ”じみた容姿で、しかもその容姿に似合わすような、古びた協会に父親に連れられ付き合わされているのだと言う現状なのかという問題だ。
「さて、と。そうだ。忘れていたが、今日はお前が16になる誕生日なのもかね。奈緒子が仕事してる日本にお前を留学させようかと相談していたんだが、しかもお前の為に今後役に立つ12世紀に我が家にお守りとしてまつられた勾玉と言われる魔晶を――」
「12世紀?んな魔法とかインチキなんは真っ平ゴメンだからな。つーかいらねーし、しかも探せとかは無しだぜw」
ゆっくりと降りて来た橋を待ちかねたかのように列をなす車が動き出す。そんな様子を横目に麻耶は自分の誕生日をわざわざ祝おうと小旅行に誘おうとする父親に少しほころぶが。
ましては、こんなカトリック関係の家系に嫌気が差す。
ゆっくりとした素振りで歩き出す人混みに混じり。母方になる故郷での旅行の際の事を徒然と話し込む父親にどうして普通の職じゃないのかとの意味を嫌悪する。
胡散臭い。正に今から数千年も昔。あの母方の故郷。日本国で生き続けている”もののけ”との出会い。
そんな長老をも腰を抜かすような数千年前からあの国に存在するであろう"もののけに頂いた”勾玉”とか言われるある種のお守りの事。
「なんだかなぁ。ったくしょうがねーから。ま、ここは一つ、そんなクソ夫婦に人芝居やってやるか」
そんな軽い孝行心が、まさかあんな不幸に自分が見舞われる事になろうとは。
つづく。
今回冒頭的に登場させて頂いた。
◆沙由梨さん作
堵能澤翠奈ちゃん
◆妖怪名 九尾狐。
容姿端麗な美少女の割には鈍感な性格。
そして、そのギャップ的な"殺人や絶望する様を楽しむ。
てか、かなりのキャラ崩壊すみません。
一部登場させて頂きました。
◆沙由梨さん作。
湖水留伊香ちゃん。
は、次回にて変え編ませていただきます。
お楽しみにっ?