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小学校教員、積川益和(暫定ロリコン)

作者: 五円玉

書いてて涙が出ました。そんなお話です。

「最近の日本の教育は甘すぎる! ゆとりって何だ! 土曜日休みって何だ! 体罰アウトとか意味分からん! 私はな、現代に生きる子供たちにもっとたくましく生きて欲しいんだ!」


「先生・・・」


「先生だってゆとりのある学生生活を送りたかった! 土曜休みが欲しい! そして何より叩かないで欲しい(主に保護者、モンスターペアレントから逃げたい)!」


「せんせぇ・・・」




これは、現代における教員、教師と言うの肩身の狭い立場にありながらも、決して世の中の風潮に左右される事もなく、リストラ覚悟で今の教育に鋭いメスを入れていく1人の小学校教員の物語である。


彼は非常にまっすぐで曲がった事の嫌いな男である。


間違った意見に対し素直に進言する度胸。


地位と権利にすがる教育委員会を敵に回し、過保護過ぎて常識を失った保護者相手でも一歩も引かない態度で応戦。


そして!


自分の受け持つクラスの児童にはその愚痴を言って慰めてもらう!


「私は・・・これからの日本、世界を作っていく子供たちを立派に育て上げたい!」


彼は・・・子供が大好きである。


普通の愛情もあれば、ちょっとマニアックな価値観での愛情もある。


正直に、ぶっちゃけちゃうと・・・




ロリコン先生、積川益和!


最終話「小学生の価値観」




「え、最終話・・・?」


「まぁこれ、短編だから」




煤の木学園


ここは私立の小中一貫の学校である。


ここで小学部6年の担当を受け持っている教員、積川益和、34歳、独身。


彼はぶっちゃけ、小学生がいろんな意味で好きである。


「はい! 今日の授業はここまで! 帰りの会までに帰り支度を整えておく事!」


『はーい』


積川はパッと見、真面目な教員である。


任された仕事はそつなくこなし、授業も分かりやすく、児童からの信頼も厚い。


・・・ただ1人の児童を除いて。




「はぁ・・・また今日もこの後出張なんだよね・・・嫌だなぁ」


「だから何?」


「だから・・・なんかさぁ・・・慰めて?」


「いやよ。死ねばいいのよこのロリコン」


「ヒドイ・・・」


放課後、誰もいなくなった教室。


ここに積川と1人の女子児童がいた。


「だいたい、34のオッサンが12の女の子に愚痴言うとかさ、なんか切なくならないの? 悲しくならないの?」


「むしろ気が晴れる」


「死んでこい」


児童その1(その1言ったって1人しかいないけど)辛口お嬢様、箱根ヶ崎凌子。


「いいじゃんちょっとくらい愚痴言ったって。先生だって誰かに慰めてもらいたいんだよ」


「少なくとも教え子には言わないでしょ」


「って事で箱根ヶ崎さん! 先生の全てを受け止めて慰めて下さい!」


「嫌ですとりあえずお巡りさん呼びます」


「なんで!? これはただの先生と教え子のスキンシップを計って・・・」


「スキンシップの割には教え子に愚痴とかヘビーでしょ!」


「オォウ!!」


キーンコーンカーンコーン・・・


午後4時のチャイムが校内に響いた。




「だいたい先生は何なの? いっつもいっつも女子児童を放課後教室に残して愚痴言うとかさ、教育委員会に言ったら謹慎処分とかのレベルじゃない?」


「なんで愚痴言うだけで謹慎!?」


「それも愚痴の内容は出張めんどくさいとか、校長うざいとか、誰々の保護者がうるさいとか、小学生感覚の愚痴ばっか。キモいのよ34のオッサン!」


「小学生感覚の愚痴だから小学生相手に愚痴を言っているのさ。あと小学生が好きだから」


「だれかーここに不審者がいるわーたすけてー!!」


「待って! ちょっと待って! ほら担任! 君の担任! 不審者違うよ叫ばないで!」


「担任が不審な事言ってるから不審者。ここに変態がいるわ助けてー!!」


「待って! 弁解の余地を! むしろ弁護士を!」


「法廷で争う覚悟がこの変態教師にはある!?」


「絶対勝訴します。で、俺が新たに小学校の教育制度を変えます。いえすタッチ(軽い体罰)」


「ごーとぅーへる」


「目が! 箱根ヶ崎さんの目がマジだ! なんかごめんなさい!」


「いいからさ、もういいからさ、出頭しよ先生? 警察署まではついて行ってあげるからさ、ね?」


「いーやーだー! 俺は小学生の全てを我が物とするまでお縄にはつきたくない!」


「つまり最終的には捕まるの想定済み!!?」


キーンコーンカーンコーン


『全校生徒は速やかに下校して下さい』←校内放送




「じゃあ・・・出張、行ってくるよ。元気でね箱根ヶ崎さん。アイシテルよ」


「そのままいなくなっても心配しませんから、安心して行方不明になって下さい先生」


「また明日・・・この6の2の教室で会おう!」


「会いたくないですもう一生会いたくないですさようなら」


「幼いその身体に、乾杯」


「死ね」


「じゃあ・・・ばいばい」


「早く行けよ」


「寂しい事言うなよ。先生、お前の事が・・・いや、小学生と言う生き物全てが大好きだぜ!」


「私はそんなロリコン先生が大嫌いです」


「おお! ツンデレ!!」


「デレは無いです。ツンしかないです。いいから早く行け(いっそ地獄にでも)」


キーンコーンカーンコーン


『積川先生、いたら至急職員室まで。出張先の方からまだ来ないのかとお怒りのお電話が』←校内放送







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