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Zwei Schwarz  作者: aswad
序章
2/14

初めまして、aswadといいます。

ど素人が書いたものなので、生温かい目で読み流してやってください。


一応ジャンルは恋愛ですが、作者本人も本当かどうか悩んでいます。

少しでも楽しんでいただければ幸いです。

「旦那様ぁぁぁぁぁ!!」

「いやぁぁぁ、あなたっ!!」


大きな騒ぎになっている屋敷の前に、一人の人物が立っていた。

黒い布で頭を覆い、全身黒ずくめの、体に対して大きめな服を着た小柄な人物。

昼下がり、まだ日も高いと言うにも関わらずだ。

闇よりも、夜よりも深い漆黒の瞳をしたその人は、屋敷を見上げ小さく笑う。


「Auf Widersehenさようなら、ティヴァー侯爵」


くるりと背を向け、黒い人物は歩き出す。

どこからともなく、ガラガラと馬車の音が響いてきた。


「そこの、黒ずくめのきみ!」


声が届いた。

黒い人物は足を止める。

車輪の音が止み、ドアが開いた音がする。

振り返れば、身なりの良い姿をした少年が息を切らせて走ってきた。

頭一つ分以上は背丈が違う少年を、漆黒の瞳が見上げる。


「何者だ」


無表情に、無感情に、中性的な少しだけ高めな声で問うと、息を切らせていた少年は言った。


「エアゾルド・シュライエル・・・・いや、エアゾルド・クレイト・シュライエルだ」


相手の名を知り、漆黒の瞳に驚きが浮かぶ。


「クレイト王国の王子が、何故ここに?」

「エアと呼んでくれないか?身分を知られては面倒だからな」

「・・・・・・・・・・」


黒い人物が呆れ顔になると、エアゾルドは急に真剣な顔つきになる。


「頼みがある」


空気が静まり、黒い人物はエアゾルドを真っ直ぐに見返す。


「長男、ヴァン・クレイト・シュライエルの暗殺を依頼する―――シュヴァルツ・ヴァルト」


まことしやかに流れる、一つの噂があった。

全身黒ずくめの服を着て、黒い布で頭を覆った、漆黒の瞳を持つ暗殺者。気づけば人の群れの中に在り、世間話をしている。

一目見ればすぐにそれと分かりそうな姿をしているのだが、誰も気づかない。

他人に指摘され、そこで初めて気づくのだ。

彼らは口をそろえて言う。


『あまりにも違和感がなさ過ぎる』


それは、暗殺者が人の群れの中にいることであり、黒ずくめの格好のことでもある。

そして、彼らは続けるのだ。


『あの人は本当に暗殺者なのか?』


会話を交わせば一般人となんら変わらない。

何より。

その人物は容姿はおろか、性別・年齢などの素性が全く知られていない。

名も知らぬ暗殺者を探す警察を、とある学者が皮肉って言った。


〝まるで黒い森に隠された黒い木の葉を探し出すようだな〟


いつしか、その暗殺者には異名がついた。

その学者の国の言葉を借りて。


―――Schwarz wald


シュヴァルツ・ヴァルト―――『黒い森』と。


誤字・脱字等がありましたら、遠慮なくご指摘ください。

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