東京
思い描いたことを、つらつらと綴ったものです。
東京
四角い空には、星は降らないと聞いた。
だから僕はここに引っ越すことにした。
ここは夜でもとても明るい。
そして人もいなくならない。
みんな少しだけ俯いて、小さな画面で遊んでいる。
クラクションの音が聞こえた。
何かが割れる音が聞こえた。
誰かが泣いてるような気がした。
でも誰も気にしていない。
僕は不思議に思った。
でもここに引っ越してきて半年が過ぎた頃、僕も気にしなくなっていた。
ある日、何かが路地から飛び出してきた。
子猫だった。
僕は足を止めて、子猫を見つめた。
子猫も僕の事を見ていた。
子猫は一度だけ鳴くと、路地へ戻っていった。
僕は部屋でお茶を飲みながら、本を読む。
昔自分で書いた本だ。
下手だなと思った。
僕の住むマンションには部屋が二つある。
リビングもあるから、一人だと広い。
ふと子猫の事を思い出した。
僕は泣きそうになった。
ここの冬は寒い。
でも僕は冬が好きだ。
静かで、優しい雪が好きだ。
どこからか子猫の鳴き声が聞こえた。
僕は窓を開けて、子猫を探した。
子猫は、他の子猫とじゃれあっていた。
僕は少しだけ微笑んで、窓を閉めた。
四角い空には、星は降らないと聞いた。
僕は俯いて歩いていた。
誰かが僕にぶつかった。
僕はその人に謝った。
相手も謝ってくれた。
でも、お互いに顔は見てなかった。
少しだけ歩いて、僕は立ち止った。
なんとなく空を見上げた。
星がおちた。
なんだ、降るじゃないか。
僕はそう思って泣いた。
星に願っても、もう叶わないから。
短い作品です、駄文失礼しました。




