大鼠・スクロール
掲載日:2026/09/28
黄色い瞳の鼠が空に潜む午後
白ばむ床から立ち昇りゆく気配を掴み
三度編んで冬の訪れを占う
芒たちが秋のざわめきを金の海原へと伝える前に
空の大鼠が吠えて鏖にした
泥の墓地
怒涛の顎に半身を喰い千切られた山が
内臓を晒して横たわる
あれは顧みられぬ鼠たちの復讐だったのか
☆
例えば野原いっぱいにダリアの花を咲かせたら
君は喜んでくれるだろうか
天の河を捕まえて部屋いっぱいに散りばめたら
君は喜んでくれるだろうか
初めて出会う君のために
僕はどれほどのプレゼントを贈れるだろう
精一杯の愛を込めて織る手織りの羅紗は
君のことをどれほど温められるだろう
麦藁の納屋を描いた絵画を
6.1インチのショーウィンドウに飾る
僕の愛はいつか誰かに届くのだろうか




