八話『大事な予定とかは忘れる癖にしょーもねえ事だけなんで覚えてんの???俺コ〇ンの一話のセリフ暗記して言えるよ。あッ、ちょッ、自信ねぇや今の忘れて忘れて』
「なんだ、後輩くんやられてご立腹か?負け坊主の引退ヒーロー。ほら、あれ見ろ。ウサギが次々人を踏んづけてるぞ。いいのか?」キセルから煙をフーッと吐きながらブラックに問いかけるダークリーフ。「ははッ、笑っちまうぜオオカミさんよォ、俺なんか眼中にねえってか」ブラックが言うと、ダークリーフは、「よくわかってんじゃねぇか。頭の回転が早いこった」と満足気に笑う。「気に食わねぇ!!!テメェらの脳天叩き割ってやる!!!」ブラックは剣を振りかざしダークリーフに迫る。ダークリーフも剣で対抗し二人の剣が重なる音色が辺りに響き渡る。「だいたい!!引退したら潔く散れこの連敗野郎が!!!」剣を掲げながらブラックのほうに飛びかかるダークリーフに、ブラックは剣を横に倒しながら応戦する。「テメェらが地球で大暴れするから俺は引退出来ねぇんだろーが!!!!」ブラックは軽快に跳ねてダークリーフを距離を置く。「待て、俺は誰と戦ってたんだ???誰と戦って最後に誰に負けたんだ…」立ち止まり呟くブラックに、ダークリーフは「隙を見せるな!!!」と叫びながら斬り掛かる。「!?!?」目を見開きながら動揺するブラック。「…」いつの間にか変身を済ませていたレッドが、ブラックを庇うようにして前に立つ。「レッドォ!!」ダークリーフはレッドの名を叫ぶ。「ありがとうございます、ブラック。時間を稼いでくれて。ブラックはバケモノを倒しに行ってください。僕はこのオオカミをなんとかします」レッドは言うが、ブラックは「おまえ…」と心配そうに呟く。「僕だってなんやかんやいまはヒーローです。ブラックの喫茶がこんな瓦礫まみれになる所なんて見たくありませんよ」レッドは優しい声をブラックにかけながら言う。
ダークリーフは、「何回だって同じ目に遭えばいいさ!!!!棘ノ舞!!!」と剣に草を纏い、必殺技を繰り出そうとする。「火車…斬撃!!!!!!!!!!」レッドは必殺技を叫ぶ。レッドを目掛けて走るように飛び出す草と、レッドが炎を纏った剣がぶつかり合い、草が焼き尽くされる。「ならもう一度だ…!!棘ノ…!!!」と言うダークリーフの背中を、怪物が爪で引っ掻く。血を吹き出すダークリーフ。「待て!!!!俺じゃない、あいつだ!あいつを倒せ!!!」と血を流しながら叫ぶダークリーフを前に、ブラックは、ニッと笑う。「ははッ…ウサギさんも呆れてらァ、テメェらの正義だか、なんだか知らねえけどよ!!!俺は俺の武士道で行かせてもらうぜ!!!」ブラックはそう言うと、「オラァ!オラァ!オラァ!」と怪物を何回も剣で叩くように斬る。怪物は、「グォォォォォォ…!」と暴れながら叫ぶ。「レッド…俺はテメェを殺さなきゃなんねぇんだ!!!」睨みつけるダークリーフに、レッドは、「僕はあなたたちから地球を守ります!!!」と答える。『だぁぁぁぁぁぁぁ!』剣を振りかざしながら走る二人。二人の剣の音色が再び重なり合う頃に、怪物が「グォォォォォォ!!!」と呻き声を上げながら消滅する。
途端、街も、喫茶も、踏み潰された人々も元通り。「ッチ」これ以上この場で戦う必要が無くなったダークリーフは、舌打ちして変身を解く。「今日のところはお預けだ。次街でバッタリ合わねぇように気をつけな」瞬間移動で、レッドやブラックたちの前から消えるダーク。レッドとブラックは、無言でハイタッチを交わし、なるべく人目につかないところで変身を解く。カメラをぶら下げていた少女は、「はわわわわ!!」と間近で見た戦闘に心を踊らせる。「本物…見ちゃった!」カメラをぶら下げた少女は、そう呟くと、咄嗟に茂みに隠れる。『お疲れ様。今日も防衛完了ね♡』とインカム越しに二人に声をかけるマナ。光太郎は、「俺ァいつになったら休めるんだ。」と問いかける。マナは、『奴らを完全に倒すまでよ』と答える。光太郎は、「俺たちは今までクロウサギを倒してきたはずじゃ…」と呟くが、目眩がしたのか頭を抱える。江藤は、「光太郎さん!」と光太郎の背中に手を触れるが、光太郎は「おかしい…おかしい…だって俺は今まで散々クロウサギと戦っているはずなのに…」と震えた声で呟く。「どうしたんですか光太郎さん!」と江藤は光太郎の様子に驚く。「俺が最後に戦ったのは誰なんだ、俺が引退する前に何が起こったんだ…!」呼吸を乱す光太郎を見て江藤は、「光太郎さん!!!」と光太郎の名前を叫ぶ。マナは、『とりあえず喫茶に光太郎連れて戻って!!!』と江藤に指示する。江藤は、「はい!!!!」と答えその場から去って行く。
その様子を上空を浮遊しながら眺める、謎の女。謎の女は、浮遊しながら、クロウサギのアジトへ帰って行った。「ダークマスター様…何の成果も得られませんでした」ミドハラは落ち込んだような表情を浮かべ、指令室の上階にいるダークマスターに話しかける。ダークマスターは、無言で仮面を被ったままミドハラを見下ろす。『お前たちはレッドと同等に戦える力はあるはずだ。私は知っている』ダークマスターはそう言うと、杖をドンッ。と強い音を鳴らしながら足場に打ち付けた。ミドハラは、「申し訳ございません、ダークマスター様」と跪いて謝る。ソードが静かに立ち上がり、「でも、おかしくないですかい??俺たちの記憶も、ブラックの記憶も、肝心なところは曖昧なんですよ。ミドハラさんも、サルジマさんもそうですよね」と問いかける。「ブラックが引退する前、最後にいつ戦ったか、僅かでも覚えてますか??」ミドハラとサルジマは、『はッ…』と二人して目を見開く。「それどころか、俺たちはなぜかアンタに従っている。従うように本能が動いている。ダークマスター様。俺はあなたとの出会いも、以前ブラックと戦った記憶も、なんにも残っていないんですが…気のせいですかねぇ、?」ニヤリと笑うソードに、ダークマスターは、『ええい!!!うるさい!!!黙れ!!!』と叫ぶ。サルジマとミドハラは土下座に、『申し訳ございませんダークマスター様!!!』と声を合わせる。
『ソード。貴様は頭が切れる。その上、剣術にも長けた男だ。だが私に逆らうなよ。私にかかればこんな腐った世界。お前たち諸共終わらせる事だって出来るんだからな!!!!はーッはッはッはッ!!!レッドの首を持って来い!!!レッドの首を中央に置いて祝杯をあげようじゃないか!!!はははははッ!!!あーはははははッ!!!!楽しみにしてるぞ、クロウサギ共。』そう言うとダークマスターは指令室の中に入っていった。「なんで…俺たちダークマスター様に仕えてるんだ???」と立ち上がりながら首を傾げるサルジマに、サルジマの数秒前に立ち上がったミドハラは、「さぁ、どーしてだろうな」と溜息をついた。場面は変わり、宇宙警察ステーションでは、マナが「宇宙脳説…」と資料を読みながら呟く。マナの上司は、「宇宙の大規模構造と人間の脳内のニューロンネットワークが、視覚的・数学的に似ているとする仮説の論文のコピーよ。宇宙は巨大な生命体の脳の中でしか無く、私たちは【微生物】。なんか不思議よね。一瞬でも、有り得そうって思ってしまうんだもの」と語る。「それよりも、宇宙の数値がおかしい理由をどうにかして突き止めないと、まずいですね。」マナがそう言うと、上司は、「光太郎は記憶の一部が抜け落ちている。それは私も。私も以前ここで働いてた記憶が無いのよ。それに、宇宙警察ステーション(ここ)にいる理由もわからない。」と頭を悩ませる。マナも、「実は…私もなんです…。」と俯きながら答える。マナは、「だから、地球に一人の女の子を出向かせました。」と上司に言った。上司は、「え?」とマナに問いかける。「我々が監視出来ない領域まで一枚ずつ記録するためです。記録をすれば、何かわかるかと」マナはそう言うと、今日のレッドとブラックの戦闘の写真を数枚画面に映した。上司は、「また勝手に…」とマナに呆れた。上司とマナは顔を見合せる。『また?』と。




