三話『プ〇キュアは増えすぎて正直もう全然覚えらんねぇんだけどお前ら全員言える????』
どこにあるかは決して語られない、クロウサギのアジトに、ダークモンキーことサルジマが爆発した髪型でトボトボと帰ってきた。サルジマは「くっそあのヒーロー引退したくせに!!また!」と苛立ちを覚えながら机を殴る。「相変わらず弱いですね、サルジマさんは。俺が行った方がよっぽどいいや」見た目だけは人間に近い宇宙人・ソードはそう言うと、「さっそく…」とロイヤルブラックを殺しに行こうとする。だが、『待て』と黒いマントに身を包んだ仮面の男が、ボイスチェンジャー越しの声でソードを止める。『私の目的はロイヤルブラック(そいつ)じゃない』黒いマントに身を包んだ仮面の男はそう言うと、空間にモニターを立ち上げバイトくんを拡大した。『江藤新一…スーパーレッドだ!!』黒いマントに身を包んだ仮面の男は、低い声で言った後、ドンッ、と片手に持った杖を強く打ち付ける。「スーパーレッド、!?そんなの聞いた事もありませんよ!?」サルジマは焦りながら、黒いマントに身を包んだ仮面の男に叫ぶ。『うるさい!サルめ!奴は必ず覚醒する!必ずな!』男は激昂しながら言ってどこかへ立ち去る。サルジマは、「お待ちくださいダークマスター様!!ロイヤルブラックでもスーパーレッドでも確実に仕留めます!この私にもう一度!もう一度チャンスを…!」と泣きながらダークマスターの背中に訴えるが、「無意味ですよ」とソードに言われてしまう。「まさか俺が憧れたサルジマさんがこんなにもすぐブラックに負けちまうんじゃたまったもんじゃねーや」ソードはそう言うと、「次は俺が行きます、大将は大将らしく、守られてください」とサルジマに優しい笑顔を向けドアノブに手をかけた。サルジマは、「ソードォォォォォォ!」と立ち去っていくソードに向け手を伸ばす。「ダークマスター様が何度も倒したロイヤルブラック。そんな簡単に倒せるやつに負けるかフツー」椅子に座りキセルを吹かしながらサルジマに冷たい目を向けるのはオオカミの耳とシッポが生えた宇宙人・ミドハラ。「だって身体訛ってるって言ってる割に強かったんだもんあいつ!」サルジマはそう言うと女の子座りになりながら「うわぁぁぁぁぁぁん」と大号泣する。ミドハラはキセルを落とし「うるせぇ!!!ダークマスター様が怒っちまうだろうが!」と叫びながら耳を塞いだ。
時を同じくして、喫茶・キュアミラージュの二階では、当たり前のようにバイトくんが漫画を読み、何冊も重ねていた。「ねえ」光太郎はバイトくんに話しかけるが、「やっぱいいですよね。こ〇亀は。読んでるだけで時間忘れちゃいます」とバイトくんは語る。「ねえ」光太郎はさらに言うが、バイトくんは「コミックスなんて二百巻以上出てるんですよ。漫画家がここまで書くって凄くないですか?」と語りを続ける。「ねえ」光太郎はさらに圧をかけるが、「だって両〇んいたら何でも解決出来ちゃいそうですもん。安心感ありますよね」と語りを辞めない。「だ~か~ら!なんで人ん家に勝手に入って勝手にこ〇亀読んでんだよ!!」怒鳴る光太郎に、バイトくんは、「へ?雇ってくれるんじゃないんですか?」と笑顔を向ける。「だから昨日ファミレス辞めてきました。客来ない方がクレーマーも来ないんでしょ?ならこれからよろしくお願いします。光太郎さん。あ?僕ですか?僕は江藤新一。十六歳、中卒です。」江藤は名乗ると、光太郎のテーブルに近づき、握手を求めた。光太郎は、「雇うなんて言ったっけ」と目を逸らし焦る。「お願いします♡ じゃないと僕無職になっちゃうんで!」あざとく笑う江藤に、光太郎は「だぁぁぁぁぁ!めんどくせぇぇぇぇ!喫茶の仕事、手ぇ抜いたら一発クビだからな!」と叫ぶ。江藤は、「ありがとうございます!」と微笑んだ。光太郎は「冗談で言ったんだけど~?そんなにうちで働きたいの。じゃあ志望動機は?」と問いかけるが、江藤は真顔で「金です」と答えた、光太郎は「え」と呟くが、江藤は真顔で「金です」と続ける。「僕、片親育ちで。その親も亡くなって。自分で生きていくためには働くしかなくて、高校も断念したんです。だから僕、お金稼いでいかないと生活が成り立たなくて」江藤の事情を聞いた光太郎は、「…」と真剣な表情を浮かべる。江藤は、「だから、ここで働かせてください!」と頭を下げる。光太郎は、「ガキに頭下げさせるほど立派な大人じゃねーんだよ俺。」と困ったような表情を浮かべた後、「住んで行けよ。衣食住ぐらいはこっちでなんとかしてやる」と江藤に言った。江藤は、「ありがとうございます!!」と感謝を述べる。同時に、カランカラン。と久しぶりに客が来た。「挨拶がまだだったな。俺は佐倉光太郎だ。」光太郎は名乗った後、「行くぞ、江藤」と真っ直ぐな瞳を江藤に向けた。江藤は、「はい!」と頷き光太郎の後をついていく。
店の前を通りがかったソードは、「喫茶キュアミラージュ…」と呟く。「俺ぁファミレスの方がいいや」と言ってソードがファミレスに向かおうとすると、下を向きながら、「出勤したくない…働きたくない…」と言いながらフラフラ歩いている会社員の男性とすれ違う。ソードは、「標的みーっけ」と言うと、舌なめずりをした。「ワン・デバイド!」ソードは叫びながら変身すると共に、指を鳴らす。男性は「うわぁッ!!!」と出現した黒い穴に落下する。同時に、「グォォォォォォ…!!」と黒いウサギの形で会社員の服を着た怪物が現れた。怪物の唸り声が聞こえると同時に、客が帰った後の皿を洗ってる途中の江藤が「やばいですよ!光太郎さん!」と言って走り出した。皿はパリィン!と高い音を鳴らし、割れる。「江藤!!!お前!!!」光太郎も焦って江藤を追いかける。光太郎が拭いていた皿も、パリィン!と高い音を鳴らし、床に散らばった。怪物は街を荒らし、次々と建物を破壊していく。江藤は、「やめてください!!!!」と叫ぶが、ダークフレイム(ソード)は、「辞めるぅ???」と江藤を煽る。「辞めろって言われて素直に辞める悪役なんていねぇぜ!」ダークフレイムはそう言うと、片手から赤色の剣を出現させる。「江藤!!!!!」光太郎は江藤の名を呼ぶが、江藤は「逃げられませんよ!!こんなところで!!」と生身のままダークフレイムの方へ走り出そうとする。
「そんなの無茶だ!!!」光太郎の言葉に耳を貸さない江藤は、ダークフレイムの剣で腹を切り裂かれる。「う゛わぁぁぁぁ!」江藤は血を吹き出しながら、後ろに飛ばされる。「江藤!!」光太郎は江藤に駆け寄りながらインカムをつける。その間にも、怪物は街を荒らし、次々と女性や子供を踏み潰していく。「ぁぁ…ぁあ…」震える江藤。江藤は、「見捨てる事なんて、出来ない…!!!!」と覚悟を決める。その途端、江藤の胸から赤い光が現れ、ユニバースカードリーダーとユニバースカードを具現化させる。光太郎は、「お前…まさか…!」と驚きを隠せない。マナが、『バーニングフェニックス!って叫んでって江藤に伝えて!』とインカム越しに光太郎に指示を出す。「おい、江藤!バーニングフェニックスって叫べ!!」光太郎が言うと、江藤は「よ、よく分からないけど、やってみる!」と答え、カードリーダーにカードを差し込む。「バーニングフェニックス!!!」江藤が叫ぶと、江藤の周りが一瞬で赤い光に包まれる。ダークフレイムは、「無駄だ!!!やれぇぇぇぇ!」と変身中に怪物に攻撃させようとするが、怪物はあまりの光の強さに江藤に近づけない。そして江藤の周りの光が分散して消える頃には、光太郎の目の前に赤いヒーローがいた。




