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『宇宙警察L戦士』  作者: ミタラリアット


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十七話『8番出●ってヒウン●ティぐらい人が出てきて妨害出来たらなんか二時間はそこに滞在できる気がするんだよね。後は食料と水分をどうにかして確保出来たら勝ちよ』

 後日。ダークマスターの姿は東京都にあった。"如月市"と書かれた看板を見上げ、ダークマスターは黒いパーカーフードを被ったまま『…』と無の表情を浮かべる。最愛の人によく似た人が、制服のまま何も知らないような素振りで幸せそうに男子高校生の手を引いて走っていく姿とすれ違う。ダークマスターは、『ッチ』と舌打ちをした後、『虚構か』と呟き、ボイスチェンジャーのボタンを切る。「……」ダークマスターはベンチに座り、下を向く。なぜかそばにいたハツネが、「兄ちゃん、なんで昼間から公園おるん」とダークマスターの隣に立ち話しかける。ダークマスターは、「お前こそなんで私服そこにいるんだ。学校は」と淡々とした口調で問いかけた。「別に」と答えるハツネ。「兄ちゃん無職か」と冷めた目を向けるハツネに、ダークマスターは「そんな風に見えるか」とため息をつく。ダークマスターの言葉を聞いたハツネは、「見えるで。夕方にこんな公園おるなんて無職かハトぐらいやわ」と答えた。「…そうだな」適当に返すダークマスターに、ハツネは、「兄ちゃん名前は?私はハツネ」と名乗る。ダークマスターは、少しの間があった後、「うさぎ」と答える。「月に代わってお仕置きしそうな名前やな」と興味を持つハツネに、ダークマスターは「…そうか…」と呟く。「兄ちゃん暗いなぁ、せっかく外の公園におるなら緑が綺麗やな、とかキリストはんの像が立派や、とか花がめちゃくちゃ綺麗やぁとか、色々考えることあるやろ」とハツネはダークマスターの前でくるくる回りながら語る。「私もな、縦動画の撮影に来たんやけど撮影終わって暇やったからお花はん眺めてたんや」と笑うハツネを見て、ダークマスターはベンチから立ち上がる。「ちょ、待たんかい!うさぎはんもう行ってまうん?」と問いかけるハツネに、ダークマスターは黙って背を向ける。そんなダークマスターの背中に向かってハツネは、「うさぎさーん!ちょっとやけど話せて楽しかったで!またどっかで会おうな!」と声をかけた。ダークマスターは、ふっと口元だけで微笑む。愛と人情に溢れている世界。だけど、唯一の"光"は、自分が生み出した偽りの幻影しか残っていない。ダークマスターはそんな事を考えながら、如月市の街をジーンズのポケットに両手を入れながら歩く。「……」空を見上げるダークマスター。ダークマスターは、下を向いてとぼとぼと歩きながら彷徨う。そんな事をしているうちに、私服姿のダーククイーンに、「観光か?ダークマスター様」と話しかけられる。「少し背が伸びたな」と笑うダーククイーンに、ダークマスターは「……」と黙り込む。「さっきお前が話してた女。スーパーピンクだろ」とダーククイーンが言うと、ダークマスターは「さぁ」とテキトーに答えた。「喫茶に寄っていかないか。近くに最近話題の喫茶があるらしい」ダーククイーンは提案する。察したのか、ダークマスターは、「…キュアミラージュ」と呟く。「そうだ」と口角を上げるダーククイーンに、ダークマスターは「行かない」と冷たく言い放った。「なんでだ?直接レッドの首を狩り取れるかもしれないぞ」と不思議そうに首を傾げるダーククイーンに、ダークマスターは、「俺の出番はまだ後だよ。」と答える。ダーククイーンは、「じゃあ何故ここに来たんだ」と問いかけた。ダークマスターは、「…この街が、好きだから」とだけ答えた。


「お前が創り上げた偽街だろうに」とダーククイーンはそう言うと、先を歩きながらダークマスターに「行くぞ」と笑顔を向ける。ダークマスターはダーククイーンの後に続く。そんな二人が歩く横の塀を、黒猫が歩く。黒猫は、ダーククイーンと視線を合わせた後、「にゃー…」と欠伸をしながら鳴き、目を瞑った。昼下がり、喫茶キュアミラージュに帰ってきたハツネは、江藤に「今日変わった人と会ったで」と話しかける。江藤は、客が帰った後の皿を洗いながら、「変わった人?」と問いかける。「うさぎって名前なのに大人の男の人やったわ」ハツネの言葉に、江藤は「やけに可愛い名前の男の人もいるんだね、芸名とかなんじゃない??」と微笑む。ハツネは「どないなんやろなぁ?よう分からへんわ。昼間っから一人で公園おるようなやつが、芸能人とかありえるん?」と漫画を取りながら疑問を抱く。江藤は、「さぁ。うさぎって言えばクロウサギだけど、みんなミドハラーとか、サルジマー、とか名前ついてるからなぁ」と考える。ハツネは、「なんだか重たい雰囲気は纏ってたけど、クロウサギに関わってるような悪い人っぽくは無かったで?宇宙人って匂いもせぇへんかったしな…。」とこ〇亀を読みながら考える。「うーん…」江藤は悩む。「なんだろうね。ていうかハツネちゃん、どこの公園まで行ってきたの?」と首を傾げる江藤に、ハツネは「如月のでっかいキリストはんの像がある公園やで」と答える。江藤は、「そんなところあったっけ」と違和感を覚える。ハツネは、「どないしてん」と呟いた。「僕…この街に住んでたのに…地名ぜんぜん知らなかったなって」と江藤が言うと、ハツネは、「そんな事あるはずないやん、如月ってここの最寄り駅やで…???それにここも如月市…今まで何してたん」と目を丸くする。江藤は洗った皿を拭きながら、「ハツネちゃん、ちょっと試したい事があるんだけど」と真剣な表情で言う。ハツネは、「なんや」と呟いた。「一緒に来て」と江藤がそう言うと、「じゃあ光太郎も連れて…」とハツネは漫画を置き光太郎を呼ぼうとする。「光太郎さんは寝かせておこうよ。疲れてると思うから」とエプロンを脱ぎながら言う江藤に、ハツネは「…分かった」と頷く。


 夕方。ハツネと江藤は喫茶キュアミラージュの前に立つ。ラフな格好の江藤は、「行こうか」とハツネに話しかける。ハツネも、「うん」と頷く。「僕の住んでる街の地名なんて知らなかった。これってやっぱりおかしいよ。何かが狂ってるんだ」と言う江藤。ハツネも、夕焼けの街を歩きながら、「…でもアタシは如月って…」と首を傾げる。江藤は、「今日初めて知った?」と問いかける。ハツネは「ハッ…」と目を丸くする。「うん…どういうことや…さっぱり分からへん、なんやこれ」と恐怖に怯えるような表情を浮かべるハツネに、江藤は、「試すしかない」と答えた。ハツネと江藤は、如月市を抜けようと歩く。"如月市"と書かれた市境の看板。そこを超えるハツネと江藤。だが、抜けた先の看板にも、記されているのは"如月市"の文字。進む道も、ここから逃げられない。と言わんばかりに今来た道に続いている。「え?」と立ち止まる江藤。おじいさんが何食わぬ顔で横切り、如月市外に出ようとするが、おじいさんはその場で粒子になり消えてしまう。その瞬間を見てしまった江藤は、「なんだ……なんだこれ……」と目を見開く。「バスは…?」と呟くハツネ。江藤は、「そうだね、試してみよう」と頷く。バス停に並び、一番最初に来た"聖蹟桜ヶ丘行き"のバスに乗り込む江藤とハツネ。江藤は、「こんなこと…」と不安気に呟く。バスは二人を乗せて進んでいく。だが、再度。如月のバス停に辿り着いてしまう。「……は???」江藤は思わず声をあげる。如月のバス停に辿り着き、仕方なくバスを降りるハツネと江藤。「この街から出られない…?」と不安気に言う江藤を見てハツネは「はよ光太郎に知らせないと…」と焦りながら呟く。「ねえ、もう一個試したい事がある」と江藤が言っては、ハツネは「なんやもう!怖いわ!」と大声をあげる。江藤は「もしも僕がさっきのおじいさんみたいに消えたら…その時はよろしく」と微笑む。ハツネは、「待たんかい!!」と手を伸ばす。だが江藤は如月市の看板の先に行っても消えることは無く、またハツネがいる場所へと戻ってくる。「……どうして」と呟く江藤に、ハツネは「もうわけわからん!!!!」と頭を掻き回す。


 ハツネは腕に装着しているユニバースカードリーダーに、"インカム"のユニバースカードを差し込み、インカムを具現化させ装着し、マナに連絡を取る。「誰か本部の人おらん!?如月市から出られへん!!」切羽詰まったハツネの声に、マナは、『こちら宇宙警察ステーション英雄防衛課ハルカ・マナ。どうしたの』と驚いた様子で答える。「如月市から出ようとしたら、また如月市に繋がってまうねん!!!」ハツネの叫びに、マナは、『ハツネさん。それは確かな情報なの?』と問いかける。江藤もインカムのカードをカードリーダーに差し込み具現化させ装着する。『あ、江藤くん!ひょっとしてあなたも一緒?』マナが言い終わる前に江藤は、「大変なんです!如月市から出られないんです!」と声を上げた。マナは、『私に言われてもどうにも対処出来ないわ…』と頭を悩ませる。『…なんで…こんな不思議なこと…」と震える江藤に、マナは、『クロウサギに接触しなさい。なにかヒントがあるはず』と指示を出す。マナからの指示を聞いた江藤は、「そんな!?僕から接触なんて無理ですよ!!どこにクロウサギがいるかも分からないし!」と答える。マナは、『クロウサギはあなたの首が欲しいのよ!!!あなたたちから接触したら無効も大歓迎じゃない!!しかも如月市から出られないなら、ほぼクロウサギは市内で監視してるはず!』と説明した。「なんで街の外に出られないんですか…?ニュースでは普通に街の外の映像もやってましたよ!」と言う江藤に、マナは『原因を調査したいなら現状一番そういう事をしそうなクロウサギに接触して!!そこに記憶喪失のヒントもあるかもしれないわ!』と指示を出す。『妨害電波から彼らがどんな場所にいるのか、だいたいわかったわ!』マナの言葉に、江藤は、「ありがとうございます!」と声のトーンを少しだけ上げる。『行き方は二人のスマートフォンに転送するわ!』マナが言った直後、江藤のスマートフォンがポケットの中で振動する。『でも、気をつけて。』真剣な声色のマナに、江藤は、「はい!」と答える。インカムを切る二人。ハツネは、「二人の会話、聞こえてたで。」と覚悟を決めた表情を浮かべる。「会いに行こうか、クロウサギに!!!」江藤はギュッと拳を握り、一歩踏み出した。ハツネも江藤に続き飛び出す。二人がクロウサギに乗り込もうとしていることを知らずに、光太郎はいびきをかいてベッドの上で眠る。喫茶キュアミラージュの扉をガチャ、と誰かが開けるが鍵が閉まっていて入れず、「おかしいな…今日は定休日じゃないはずなのに。それに、ここのケーキ美味しいらしいのに残念だな」とチラシを見ながら呟いて去っていった。

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