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『宇宙警察L戦士』  作者: ミタラリアット


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十四話『宇宙って広大すぎて宇宙のこと考えはじめるとわけわかんなくなるわ。てか俺もうわけわかんなくなってんのよ。宇宙って難しすぎね?宇宙ってなに?ビッグバンの前って何があったの?』

 クロウサギアジト。指令室。一人の男が顔全体を覆い隠す仮面を被りながら、仮眠室のような質素なベッドの上に腕を組み座っていた。「おい、バカ男。」ダーククイーンはダークマスターに話しかける。ダークマスターは、『なんだ』と不満そうにダーククイーンに答えた。『やはり形だけでも貴様が私の妃を名乗るのが気に入らない』ダークマスターがそう言うと、「最愛の人が他にいるから当たり前だろうな。だが安心してくれ。お前の最愛の人間はとうの昔に地獄での刑期を終え全てを忘れて転生をした。お前だけだ…。未だに未練に縋っているのは。」ダーククイーンは口角を上げながら語った。『クッ…』苦しそうな呻き声と共に両手で頭を抱える。『嫌だ…嫌だ……あいつがいないなんて……もうあいつが……存在しないなんて……嫌だ……』必死に否定するダークマスターをダーククイーンは、「ふッ…。」と鼻で笑って馬鹿にする。ダークマスターは、脳裏に赤みがかった記憶を思い出す。最愛の人の首が、目の前で跳ねる瞬間を。嫌になるほど見せられた光景を。『グァァァァァァァ!!!!』ダークマスターは悲鳴をあげる。『レッド……レッドなんていなければ私はそもそも…!!!誰かを守ろうとなんて思わなかった…!!!レッドさえいなければ中途半端な正義感なんて抱かなかった…!!あいつを殺して全て終わらせる…!全て…!全て…!』発狂するダークマスターに、ダーククイーンは、「敵はレッドじゃないだろう」と冷静に告げる。『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』ダークマスターは怒りのマイナスオーラを背中に纏う。『ッ……ッ……殺してやる……レッドなんて死ねばいい…』ダークマスターの言葉にダーククイーンは、「そんなにレッドが嫌いなら今まで通り先回りしてロイヤルブラックを倒せばいいだろう。なのになぜレッドを覚醒させた」と問いかける。ダークマスターは、『絶望させるためさ……レッドに思い知らせてやるんだ……正義など通用しないって事……!!』と恨みを込めながら叫ぶ。『ようやく気づいた。無条件な幸せなどこの世には存在しない。いくら優しいことをしても自分には何も返って来ない。無駄だったんだ。私が抱いた理想は全て無駄だったんだ。レッドにも同じ目に遭わせてやる…!!ヒーローって概念が無ければ…!!私は…!私は!』ボイスチェンジャーが音割れするまで大きな声を出すダークマスターに、ダーククイーンは、「これじゃもう一周だな。わざわざ"本来なら実在しない人物たち"まで巻き込んで。それでも学べないのか。いい迷惑をしているんだこっちも。お前は繰り返す時の中で地獄の刑のシステムを苦しみのあまり妨害した。それは破滅の先を意味する。お前は神さえも超越した全ての善と対なる存在。言うなれば…悪魔だ。恐らく最愛の人が死んだ時がお前の転換点だった。」と淡々とした口調で語る。ダークマスターは、『……彼女がいない世界にはなんの潤いも感じない。今はただ、私の全てを築き上げたあの男が憎い。私の悲劇をはじめたのは…誰でも無い。レッドだ。』とボイスチェンジャー越しに声を震わせる。「本当にお前は……。」ダーククイーンはダークマスターを哀れむような目を向けた後、ダークマスターを優しく抱きしめた。「お前の全ての悲劇をはじめたのは、この私だろうに」とダーククイーンは切ない声色で言った。「恨むならレッドじゃない、この私だ」ダーククイーンの言葉にダークマスターは、『不思議だよな。お前の事だって…』と答えた。『憎くて憎くて仕方ないはずなのに。過去に同じ運命を背負った経験があるお前を切り捨てる事など…』とダークマスターはそう言うと、ベッドに横になる。ベッドに横になったダークマスターに、「肝心な場面であっさり切り捨てたくせによく言う」とダーククイーンは微笑んだ。『気分が悪い』と呟くダークマスターに、「出ればいいんだな」と答えダーククイーンは指令室から立ち去る。


 ミドハラは、階段を降りるダーククイーンに、「お妃様。大きな声が聞こえたが」と問いかける。ダーククイーンは、「ダークマスターなら無事だ」と静かに答えた。「サルジマ。」ダーククイーンはサルジマの名前を呼ぶ。サルジマは、「はッ」とダーククイーンに跪く。「次はお前に託す」ダーククイーンがサルジマを見下ろしながら言う。サルジマは、「仰せのままに」と跪いたまま命令を受けた。ソードは、「ストーカーしないでちゃんと仕事してくださいよ」と呆れたように肩をすくめながらサルジマに釘を刺す。サルジマは、「わかっているさ。モンキーパワーで全てお任せあれ!!ウッキィィィ!」と奇声を上げながらチケットを握りしめてアジトを出る。「一流のホテル泊まるぞー!!!遠征だ遠征だライブが先だァァァァァァァァァァ!」と遠くで声を張り上げるサルジマに、ソードとミドハラは、「はぁ」と呆れる。「お妃様。俺たちはどうすりゃいい」と問いかけるミドハラに、ダーククイーンは「大人しくしてろ」と答える。ミドハラは、「なんだそれ!?」と不満を露わにするが、ソードは、「まあミドハラさん、大人しくしてましょうよ。それよりどうですか。あっちでミントンやってるやついますけど」と黒い服一色に身を包みながらバドミントンの壁打ちをするリスのような見た目をした男を指さす。


 ミドハラは「おいてめぇクロウサギナメてんじゃねえぞ。名乗れ」とバドミントンの壁打ちをするリスのような見た目をした男の胸ぐらを掴む。「ぁ…すみません幹部の皆さん。僕は末端のマツです。宇宙コメディアンをやっていたんですけど、地球以外の星が滅んじゃったので匿って貰ってます。こいつは相棒のミン・トンパです。」マツは自己紹介をすると、裏声で「コンニチハ!ボクミントンパだよ!」とラケットの分まで名乗る。「なんも面白くねえんだけど」と言うミドハラに、ソードも「よくコメディアン名乗れますね」と馬鹿にする。マツは、「ぇぇぇぇ!?」と驚きの声をあげる。いきなり落ち着いたマツが「ミントンやりましょうよあっちで」と親指で"あっち"の方向を示しながら言っては、ミドハラはマツのラケットを奪い、「ふざけんな」とマツの頭を叩いた。


 場面は代わり、宇宙警察ステーションのモニターには、宇宙バランスが極端に異常な数値を示した事を知らせる赤い点滅が表示される。「なに?これは…。こんな数値見たことない」マナは不安そうに呟く。カーガは、「明らかに不自然ね。宇宙エネルギーの数値がここまで上昇するなんて生まれてはじめてだわ。地球外生命体の妨害電波かしら。」と顎に手を当てながら考察する。マナは、「地球外生命体の妨害電波…?でも、生命体がいる星は全部滅んだはずでは???地球にいる宇宙人がいま生存している宇宙人の全てなはずですよ!」と反論する。「でも、エネルギーの上がり方。生物反応に近いものを感じるわ。だって、明らかに作為的なんだもの」カーガが言い切る前に、ガタガタガタ、と宇宙警察ステーション全体が揺れる。「きゃぁぁぁぁ!!!!」必死にしがみつくマナとカーガ。モニターの画面も真っ暗になり、表示が消えてしまう。「なに!?何事!?」と叫ぶマナに、カーガが、「やっぱり…私たちが宇宙のバランスを調査する事に不都合がある高次元体が存在するのかも…!」とどこか嬉しそうに語る。


 宇宙警察ステーションの揺れが収まり、モニターの表示も復元されては、カーガは、「ここが突然揺れるなんて…私たちの存在を知る第三者がいるとしか…思えないわ」と淡々と呟いた。「……あるひとつの仮説が浮かんだわ……でも……おかしいの。そんな事あるはずが無い。でも、記憶が抜け落ちてる事とも辻褄が合う…」マナが言うと、カーガは、「気づいたことがあるなら言って」とマナに真剣な表情を向ける。「私たち……実在しないんじゃないかしら」と言うマナに、カーガは「何を言ってるの?マナはそこにいる。そして私と話している。実在する証拠よ。過去が抜け落ちていたって、私たちにはちゃんと"今"があるわ。それに"未来"も。これは高次元体の干渉と捉えた方が懸命だわ。実際宇宙人が見つかってる以上、宇宙を管理する第三の生命体が存在したって不思議じゃないでしょ?」と問いかける。マナは、「……だとしたらクロウサギはその高次元体の傘下にあると?それじゃクロウサギがレッドたちを狙ってくる前提が、狂うんじゃないかしら」と言い返す。「…やっぱり、この宇宙が"誰かの目的を果たすため"に丸ごと創られた物。そんな気がするの」マナの考察にカーガは、「じゃあ誰が何のためにこの宇宙を創ったって言うのよ」と問いかける。


 マナは、「……そこまでわからないわ」と答えた。宇宙が第三者に操られていると解釈する高次元体説を提唱するカーガと、この宇宙そのものが偽物説を提唱するマナ。マナは、「……」と下を向きながら黙り込む。「カーガさんは、私たちの記憶が一部抜け落ちている原因、なんだと思うの」と問いかける。カーガは、「…高次元体が意図的に記憶を操作している」と答える。マナは、「…複雑ね、私の人生を肯定したいのに、今まで生きてきた記憶が抜け落ちていると自分の人生が本当のものとは思いづらい」と椅子に座り直し、背もたれにもたれかかる。そんなマナを見て、カーガは、「一体…いま宇宙で何が起きようとしているの…?」と呟いた。

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