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ウォーズVSウォーズーー少女たちの戦い

作者: 山埜日向
掲載日:2025/10/23

この作品は、現代日本を舞台にしたフィクションです。

登場する兵器は一部実在のものを参考にしていますが、

物語上の演出として描かれています。

感想・評価をお待ちしています。

 朝の空に、無人機の白い航跡が走り残る。

 ここは国際模擬戦競技ウォーズの公式戦の会場ーー都市型シミュレーションフィールド。


 車長の神崎ユナは、首の小型マイクに手を当てた。

「全員、準備はいい? 今日の第一目標は”楽しむこと”。勝ち負けはその次!」


「了解、車長!」

 砲手の美咲が明るい笑みで返す。

 操縦士のアイナは軽く微笑んで小さく頷く。

 まだ入隊して三か月の新人だ。

 緊張で手が震える。でも、瞳の奥には確かな光が宿っていた。


 エンジンの低い唸りと共に、模擬専用車体《10式》が動き出す。

 AI制御の弾道と衝撃判定システムに弾は安全性を考慮した模擬弾なので、危険はない。

 けれど、勝敗という感情は本物だ。


「敵チーム、南西画を進行中。データリング完了」

「なら、先に高台を取り敵を牽制する。視界を制した方が勝ちよ」


 ユナの指示でチームは一気に前進し高台に向かう。

 アイナの操縦はまだぎこちないが、真剣そのもの。

 仮想空間に投影された街並みの中を鋼の車体が駆け抜けている。


「......怖くないの?」

 アイナがぽつりと聞いた。

 ユナは笑って答える。

「そりゃあ怖いよ。模擬戦とはいえでもね、”怖い”ってことは、心の中に守りたいものがある証拠」


 そんな言葉に、アイナの胸の奥が温かくなった。

 彼女が参加した理由--それは、亡き兄が夢見て憧れた”平和な戦い”をこの目で見たかったから。

 

「敵影、視認!」

 美咲の声が響いた。視界の先には、もう一つのチームが現る。

 赤いエンブレムを付けた《M1エイブラムス》。同年代の少女たちだ。


「ユナ隊、作戦通りに!」

「了解ーー全員、散開!」


 敵チームと接敵し模擬弾が空中を走り、AI判定の光が交差する。

 アイナは緊張で呼吸を整えながら、確実に敵の背後を取った。


「照準、ロックオン!」

「撃て、アイナ!」


 放たれた一撃が、敵のフラッグ車の後部の燃料タンクに命中。

 判定システムの音声が鳴りーー《敵フラッグ車大破。ユナ隊、勝利判定》。


 「やったぁー!」

 美咲が両手を挙げ、ユナに抱き着き、ユナは微笑む。

 アイナも思わず笑った。胸の鼓動が止まらない。


 「ねえ、車長」

 「ん?」

 「”ウォーズ”って、本当に戦いなのかな」

 「そうね。私は戦いであって戦いじゃんと思ってるよ。けど私たちは、壊すためじゃなくに、

”繋ぐため”に戦っているんだと思う。」

「まあ、私個人の感想だからあまり気にしなくてもいいと思うよ。」

「ありがとう!車長!」


 夕陽が差し込むフィールド。

 今回の模擬戦で敗れたチームが近づき、お互い笑顔で握手を交わす。

 

「今回はいい試合だっいたね。でも次は負けないから!」

「はい、今回は勝たせてもらいましたが、また戦うときも勝たせてもいますからね!」


 互いにその言葉に嘘はなく次の戦いも全力で挑むことを約束した。

 そして今ここにいるのは、勝者と敗者ではなく、共に未来を目指す少女たちの絆。


 彼女たちの”ウォーズ”は、今日も今日とて続いていくーー平和を信じる、その心と共に。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回初めて書いた作品の第一作目です。

感想や意見などをいただけると、次の作品の参考やモチベになります。

次回もよろしくお願いします!

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