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(仮題)私と夢球  作者: ビルメンA
~第一章~
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第一章 エピローグ


今回の初めてのお客様でわかった「ガシャポン」の改良点としては、二つほどあった。


一つ目が、その人の記憶が逆再生で再生してしまう点。

これはいくつかの基盤を組み込むという簡単な調整を行えば、次回からでもその人の記憶の根源からの開始ができるだろう。

むしろ、なぜ私はこのことにお客様が来るまで気づかなかったのか。


世紀の大発明をして少し浮かれていたのかもしれない、そう思うと苦笑してしまう。


二つ目が、今回初めて他人に使ってみて、わかったこと。


それは、スキップ機能のようなものがあれば便利だということだ。

私は私自身の記憶を全て見たことはない。それは誰しも同じだろう。

まさかこれだけ膨大な量の記憶があるとは思いもしていなかった。

『人生は一冊の書物に似ている』とはよく言ったもので、その記憶の海から探し物を見つけるのは大変なことだと今回で実感できた。

なので、少しずつでも改良を加えていく必要がある。


せめて次回のお客様までには「幼年期」「少年期」「青年期」「壮年期」と言ったような、大まかなスキップ機能は必須だろう。


まだまだ改良の余地は他にもあるだろうが、今回はこんなものか。


裏側に取り付けられたフタを開けながら、いつまでも「ガシャポン」という呼び方はかわいそうだな、何かいい名前はないだろうか? などと考えてしまった。


しょせん装置で機械である。

私のような生物ではない。

それでも私はこの「ガシャポン」に一種の愛着が湧いてきていた。


そんな愛着が湧いてきた装置の裏のフタを開けた。

装置の中はデスクトップPCのそれと同じく、基盤と配線そしてそれらを冷却するためのファンと簡単に解説すればこんな感じだ。しかし、それらの量はPCと比べるまでもなく膨大に多い。


私はそんな機械のかたまりから今回の改良に必要な部分に手を加えていく。


そんな私を先ほど、どこかで見たような夕暮れの西日が照らす。



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