3話 ステイルメイト
「トウヤーー!!」
トウヤは切り裂かれた…
「あれ、切られてない?」
確かに鎌は直撃した。だが、トウヤにはかすり傷一つもついていない
チャンスだ 今なら至近距離で一撃食らわせられる!!
「ファントムブロー!!」
力いっぱい、ボディブローを入れる が、
「力が、入らない…」
トウヤはオーラを纏うことが出来なくなっていた
疲れていたのもあると思うが、これは違う。恐らく奴の能力だろう。
「私の一撃を受けて反撃できるとは、なかなかのベクルだ やはり此処で消しておく必要がある」※異世界語
奴がもう一度鎌を振り上げる
させるか! 奴の力は【アビリティ】のはず… なら!
「こっちだ!死神!」
俺は殴りかかった
「!」
顔面に直撃させたが、全く効いてないようだ だが、俺の狙いは…
「邪魔だ」※異世界語
当然、鎌で切られた
やばっ!マジで力が入んねぇ でもこれで条件が揃った!
「ステイルメイト【相星】!」
右手に奴と同じ鎌が出てきた よし、成功だ!これなら闘える
「反撃開始だ!」
「あれは?!」※異世界語
一瞬の隙を突き、鎌で切りつけた
「この感覚、私と同じ【アビリティ】だと、そんなバカな!」※異世界語
動揺している内にトウヤに作戦を伝えた…
「分かったやってみよう」
「くそ、もう時間がない考えるのは後だ まずは目的を果たそう」※異世界語
冷静を取り戻した奴は、激しい連撃で俺を襲った
避けることが精一杯で、防戦一方だ。
「くっ!」
徐々に圧されていき、三回に一回は切られてしまう様になっていた
くそ、もう立ってるのが精一杯だ
そんな中、トウヤが合図を送る
合図を受けた俺は、最後の力を振り絞り後ろに避けた
「ぶっかませ!」
俺が避けると同時に、トウヤは、奴の鳩尾に拳を叩き込んだ
「ファントムバースト!!」
「ぐっ!!」
数十メートル吹っ飛んだあと、内部から橙色のオーラに包まれ激しい音と共に爆発した。
その姿まるで花火のようだった。
「ふっ、きたねぇ花b」
「待て、それ以上言うな!」
一安心し、崩れる様に座り込む
「ふぅ、そういえば、こいつらどうする?」
トウヤは、ゴブリンたちを指差した。
「【アビリティ】が残ってる内に片付けちまうか!」
次の瞬間禍々しいオーラが俺たちを襲った
「この感覚まさか!」
そう、奴はまだ生きていたのだ
「侮っていた、次は、万全の状態で相手をしてやろう」※異世界語
そう呟くとゴブリンたちを連れて消えていった
「どこに行った?!」
辺りを見渡しても影一つ見当たらない恐らく移動系の【スキル】だろう
「とりあえず、少し休もう もう動けねぇ」
俺は大の字で横になった
「そうだな、何か勝ったみたいだし」
俺たちは、しばらくこの草原で休むことにした。
ー魔王城ー
「只今戻りました 魔王様」
膝をつき頭を下げる
「珍しく、深傷を覆ったな」
豪華な装飾の椅子に座る
「見ていらしたのですね なら、早速処罰を」
「その必要はない これはお前を昼に行かせた俺のミスだ、すまなかったな」
「いえ、これはあの二人を侮ってた私のミス 魔王様のミスではございません」
「それと、あの二人はもう始末しなくて良い」
「なぜですか? 奴らはきっと魔王様の脅威になります!」
「俺に名案がある…………」
「?! 承知いたしました」
魔王はシャルル何かを告げ、会議の準備に取り掛かった