魔王と父
連載始まりました。(・ε・` )
これから緩やかに連載していきます!!れ
━魔王城:王の間
「やはり…必要か」強ばった表情で白髭を生やした男が呟く。
この男は【魔王】レギオン…。勇者のいないこの世界で間違いなく最強の存在。
「本当にあの子でなければいけないのですか?」
そうレギオンに話すのはレギオンの妻であり、始祖の吸血鬼であるシーア。
この世界は今異常事態に瀕している。
第1に挙げられることとして今まで数えられない程の長い年月魔王と勇者は戦い魔族と人族を領土を奪い合ってきた。
しかし今勇者がいない…これは通常ありえないこと。
勇者がいれば魔王がいる、魔王がいれば勇者がいると必ず揃って存在していた。
勇者と魔王による対決の歴史が伝わる太古から片方が欠けるという話など聞いたこともなかった。
それが起こっている…。考えられる事は一人だと、世界の根幹を担う魔王であるレギオンは気づいていた。
それは、『世界の崩壊』
世界を動かす元となるものがこわれたのだろう。
元に戻す方法はあるにはある…その鍵がリリスだ。
あの子がこの世界で1番可能性が高い…。
仕方ないのだ…、そう、 仕方ない。
-魔王城:庭
「こっちよレナ。」
この魔王城の庭は世界中から集められた美しい花々が植えられ特殊な魔法で1年を通して咲いている。
「お待ちください!リリス姫!」
侍女のレナは走り回るリリスを追いかけながら言う。
リリスは安全を考慮し、城から出たことは1度もない。
それは、魔王たる父の娘であるために彼女を利用しようとする者がいると考えた父によってだった。
しかし、リリスはそれを嫌だと感じてはいなかった。
彼女は父で魔王のレギオンを尊敬していたし、城からでることが危険であり、自分の身を案じての事と理解していた。
それでも、理解していても暇であることには変わりなかった。
それゆえに、侍女にイタズラしたり、侍女から逃げたりとそこは少女らしさを全開にして日々暇を潰していた。
「お嬢さま、魔王様がお呼びです。」
すると執事の姿をした老人が声をかける。
「お父様が?分かったわ。イデル、支度を直して向かうとお父様に伝えてくれる?」
かしこまりましたと言い、執事イデルがもどっていった。
お父様が私になんて珍しい。
そう思いつつ部屋へと戻って行った。