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山岸夫婦とその周辺  作者: ハナトマナツ
6/6

#6 後先考えた買い物をだな‼‼

体調不良で更新がノロノロですみません

皆さん、頭痛と咳鼻水には気を付けましょう

放置すると治りませんよ悲しいことに

「おいお前ら、文房具類買いすぎだし何だこのデカブツ!」



翌日、土日なこともあって全員が煌汰の自宅に煌汰の友人たちが朝から遊びに(手伝い)来てくれていた…までは良かったのだ



リビングを開けて煌汰は真っ先に叫んでしまった



扉を開けると、どう見ても唯姫の為の勉強机に制服に体操服に文房具の山…



煌汰は思った



文房具は好みで唯姫の反応を見て購入する予定だったと…



案外和物を好むのに対し、全員が買ってきたのは変身少女の描いてある筆箱や鉛筆оr某プリンセス系筆記具に全員が女児(当人が女児だっただろうに)それに固執している



少し救いだったのは、太一の選んだ筆箱や筆記具が和物だった辺り流石幼馴染である



勿論その和物に一番目を輝かせているのは言うまでもない



「勉強道具一式と勉強机とイスと家庭科用の道具と図工道具」



「早いわ!一年生だぞ子姫!図工とかまだくっつけるだけだろ!」



主に彫刻刀なんて果たして小学校で今時やっているのかだ



「えぷろん!」



「うん子姫エプロンふりふり可愛いなぁ??んでお前らいくら買ってんだ鉛筆!」



「多分いるぞ」



友達とお絵かきとかするよ、というが、果たして唯姫にそんな絵を描くという概念は頭の中にあるのか…



「ノートの数!お前らなっ」



唯姫は穂乃果の膝に座ってうれしいねぇ?なんて微笑んでいる



この際言語の語尾の大半をクエスチョンで締めてしまう事には今更何も言わないのだけれど



とりあえず穂乃果は一応当人に選ばせてあげればいいのに…という事だったらしいのでお咎め無しである



わざわざ穂乃果と太一が和柄にできそうなものは選んでくれているので唯姫も嬉しいのか自身の名前の書かれているそれぞれを嬉しそうに見比べている



「安心しろ、名前は書いてある」



「自由帳あるぞ唯姫」



「じゆいちお?」



子供なのでこの際自由帳が≪じゆいちお≫になるのは仕方ないので学校で教えてもらおう



唯姫は前から目が就職してから病んでいく豊に抱えられる



なんとも怒り辛くて煌汰はスルーした



仕事で病んでいる人間に責め立てることはしたくないという煌汰のなけなしの良心が働く



「いつもお絵描きするときの紙がひっついてるからめくったら新しいの出てくるのよ、はい」



「!ちこちゃんすごいねぇ!」



豊の前に立つ≪ちこ≫に、唯姫はテンションが上がったまま話しかける



「うん、ゆんちゃんかぁわいぃねぇ」



「うんっじゆうちおかわい!」



ちこは、【唯姫】が可愛いと言っているが、伝わらなかっつたらしい唯姫は【自由帳】が可愛いと言って通じないが可愛いらしい



それでも豊は手放す気はないらしい



「うんちがぁうね」



「ちょっとずつ平均体重にはなってるんだろ?」



そうこうしていると、太一が振り返ってそう話しかけてくる



そう、一時期が栄養失調だの封印後の事もあってガリガリ過ぎて全員が必死で栄養を取らせたので平均体重近くまでは増えたはずだ



豊が体重計の上に立たせると、唯姫の体重は22.3㎏と少々まだ軽い



「子姫今何歳だっけぇ」



「はっさい!」



四年たったが、小学一年生から通わせようと思うと七歳にしないといけない



ただ一応四年は経っているので11歳なのだが、唯姫の見た目もあるし、刷り込みで小学校に入ってない子は止まるんだよと嘘を教え込まれているので無問題



問題と言えば、人前に出ると唯姫があまり人が多い所に行くとすぐに煌汰の傍に戻って来てしまって迷子紐なんてなくても迷子にならない位に怖がりだったことが判明した位



学校に通わせようと思うなら致命的過ぎるがね



「うん偉い」



「お前普通は犯罪なんだぞ封印歴無かったら」



「だから何だ」



「おっお前、一年で変わりすぎだろ」



「それは子姫がな…………んで、あそこのダンボール箱一式は?どう見ても大きすぎるだろ」



「ああ、パパがゆんちゃんに持ってけって」



ちこがそう言うと、煌汰はゆっくり振り返る



息をのんだことに気がついて全員が首を傾げる



「中身は」



「あんたが前に子供用に作り直して欲しいよな、って呟いたパパ制作大人用ファッションの子供サイズに直した衣類」



「あざぁす!全部ふりふりしてんだろうな」



ちなみに、ちこの父は煌汰のファッション系の師匠でその上を軽々行かれた事に複雑な思いもあるが、そんな思いよりも唯姫の服を作ることに必死ならしいので今は良好な関係を続けているが、もしかするといつか、唯姫にはこの服がっ‼‼なんて喧嘩が起きたらきっと皆は面倒くさがって止めやしない気もするけれど、唯姫の為に多分しぶしぶ止める気もしないでもない



ただ、しばらくの間この師弟は事あるごとに唯姫を巻き込むので喧嘩は極力止めるが、しばらく二人から唯姫が没収されるのは言うまでもない



それが嫌なら喧嘩(無駄な争い)はしないで頂きたいものだ



「してたやつはね」



「あ?ちげえのは」



「え、学校の体操服もパパがゆんちゃん用に作ってたよ?ゆんちゃんお肌白いからUVカット体操服長袖長ズボン、一応半セットとかね」



基本制服は大切な行事の日以外は着ないし、体操服=ほぼ体操服に近しいものであるならば私服よりでも構わないのである



私服登校は基本で、制服でいたい生徒は制服、私服がいいなら私服なのだ



という事で皆がわちゃわちゃしているのである



というか、ファッションを仕事にしている人間達が可愛い服を着せたがっているだけに過ぎない



「あざす!」



「?ぬしさまどうしたの?」



「なんもないぞ子姫?」



何でもない事はないはずなのだが、汚い人間の本性だけは見せたくないらしい煌汰



初対面を是非とも思い出せ



相当酷かった筈だ



「?あ!ぞうきん!」



「学校で掃除あるしな、後は配膳用のエプロン入れる巾着だけど」



ここに出入りする面々が全員、唯姫に掃除させるのは色々トラウマがあるから気が引けるのだ



理由は完全に最初、理由はそれだけだったとは言えないけれど掃除やらをし過ぎて熱を出した記憶は一生消えないだろう



唯姫は気にしていないが、気にしているのは気が付く事が出来なかった面々だ



だってほぼ毎日家に遊びに来ていたのに、そういえば唯姫を見てないな、なんて事を思いもしなかったし



「それは俺が意地でも作るから俺から奪うな楽しみを」



ガチな目をした煌汰に全員が白旗を上げる如く両手を挙げる



「知ってた」



「お道具箱は、蓋の中に、はい」



「おい、いつ撮った?」



その写真は他にも太一が映ってはいるが、どう見ても盗撮の角度だろう煌汰が映る写真に煌汰は、お道具箱の写真を張り付けたであろう瑠果に睨みつけてくる



「!ぬしさまだぁ」



「うん俺だねぇ、で!」



唯姫に見せる顔と、太一達に見せる顔が違い過ぎて、流石にもう凄いと思う



なんでって顔が変わり過ぎだ



「忙しいなあんた」



「子姫、いっぱいあるから他に必要なものは今度二人で一緒に買いに行こうな」



「?はいっぬしさまっ、では………うっうちごはんつくるぅ!」



「子姫いけません主様寂しくて死んじゃうから部屋行こうそして脱がせる」



なんかむかつくその服絶対師匠のっ!!と叫ぶ煌汰



事実、和ロリ趣味なちこの父の制作した服であり、唯姫はそれを気に入っているのは見ていてわかる



それがムカつくらしい



「はぇ!?」



「ど変態がぁ!」



「ぐがぁぁ!」



そういう意味じゃねえ‼‼黙れ変態っ‼‼そう怒鳴りあう煌汰達を他所に置いてけぼりの唯姫はおろおろしている



おろおろしていた唯姫の背を煌汰の母が優しくトントンと叩いて声をかける



「ゆんちゃんお米炊いてもらえるかしらぁ?私お魚するわね♪」



「はいおくさまっ」



「こぉら、なんて言うんだった?」



「!…………ま、まま?」



「はいママですよぉ??」



「………ふふっ」



「あら、ゆんちゃんいい匂い、またあのゴミがシャンプー変えたのね、この匂いはゆんちゃんに合ってる♪」



ゴミという名前を実の母に言われることには慣れてしまったらしい煌汰は全く反応せず同級生たちと大喧嘩をしているが仲が良い証拠な面白い罵り合いをしているので太一は放置でスマホをいじる



太一は基本大きな喧嘩や、まずいな、なんて思った喧嘩以外には入らないし、そもそも太一は警察官になったので暴力行為はしない



女子に引っかかれているが、唯姫が来た時は煌汰ももっと暴君で手が付けられなかった記憶はあるので。落ち着いてくれてよかったと、ある意味太一が親目線になっている



「!そうなのですっ、この間たちくんのところにお泊りしたらぬしさまがこのシャンプーじゃないとだめ?って言ったんです」



「そうなの、うん、ゆんちゃんに合ってていいわぁ~」



「よかったですっ」



煌汰の母に抱きしめられながら、唯姫はうれしそうに笑う



ただ、背景がやかましすぎるけれど



「おいババア人の嫁に抱きついてんじゃねえぞ」



「アンタ、その荷物一回自分の家運べ机もな」



「ババアァァァ!」



仲が悪いように見えるけれど、別段悪いわけでもない



単なる言葉遊びだが、それでもカチンと来ないわけではないので煌汰は突っかかる



ここに父親が入り、父親の兄弟で太一の父、つまりは二人は従兄弟に当たる訳だけれど、この太一の父を入れた際の言い合いは太一と太一の母の気分転換になっている



幼馴染は訂正しよう、どうしようもないほどの血のつながりである



まあ、太一は母親似で冷静なのでそんな生産性のない喧嘩には小学生段階で卒業しているけれど



「行くぞクズ野郎」



「運ぶぞクズ野郎」



「死ねよクズ野郎」



「てめえ等全員今すぐ死にたいんだってな!?」



なんかそんなネタあったな?と思いつつ、太一は、もうやめとけ、と煌汰の頭を叩く



いつだってこうしてきた



そんな中だから煌汰もすぐ収まる



「?くず?くずもち!」



「子姫くず餅食べたい??作ったげよっかぁ?」



「くずっくずもちっ」



唯姫は和菓子が好きなこともあって嬉しそうに葛餅を連呼しているが、違う、そっちのクズじゃない…と太一と瑠果、豊は頭を抱える



突っ込めない、だって純粋すぎるから



そもそも、こんな環境でよくこのメンバーの酷い口調が移らないものだと感心してしまう



「子姫子姫、俺と一緒に一回帰って荷物整理しようか」



「させるかよゴミ」



「まじ殺す」



煌汰はまた太一に叩かれる



太一の手の威力が上がって来ていて煌汰は本能でやばいと思っているらしく手で頭をかばう



そんなことする位なら最初からやらなきゃいい、と太一はため息をつく



「じゃあ煌汰、葛餅作るなら葛買ってらっしゃい」



「わってるわ」



「くずもちっさくらもちっ」



煌汰の前でぴょんぴょん跳ねる唯姫に全員がほっこりする



最初のころと違って喜怒哀楽が分かりやすくなったものだ



「桜餅は買ってあげようねぇ」



「ありがとうございますぬしさまっ」



「あー……………………しゅき」



ぎゅうぎゅうと唯姫が煌汰へ抱き着くのは最近やるようになった



煌汰は、初めて自分から唯姫が抱き着いてきた日を記念日なんかにしているが、あの引っ付かれる事を嫌う煌汰が…と全員が唯姫に感謝した…



感謝したが、唯姫限定だったのには煌汰に落胆しかなかった



「「「キモ」」」



「アンタキモい」



煌汰はうるせぇ、と言いながら唯姫を抱き上げてからさて、どこから手を付けるかなぁ…とため息をつく



そこへ、ガチャリと音を立ててリビングの扉が開く



「ただいまー、おお?何だこの大荷物」



「!おかえりなさいませごとうしゅさまっ」



「ただいまゆんちゃん、そして久しぶりっ」



「うん?」



久しぶり?朝に会ったのに?と頭の中がクエスチョンに支配される唯姫に煌汰はそうだよなぁ…とあきれている



ただ、自分も朝に会ったとしても一日一緒では無ければきっと言ってしまう気はする



というか言うだろう



「あー可愛いわうちの娘」



「わかるー」



「今からお米たくのです」



晩御飯お手伝いだね~と唯姫に煌汰の母は話しかける



「おっじゃあお母さんと一緒にお料理かっ」



「はいっ」



「俺は子姫を料理してぇわ」



「下ネタとかゆんちゃんの教育に悪いからその口縫うぞ」



父親に言われてうれしいか?と全員が思うが煌汰はどうでもいいらしい



「やかましい」



「あ"?」



ちなみに、煌汰父もファッション系の仕事をしているが、基本はロリータやらのドレス類が好きらしく、基本ノーマルのロリータかゴスパンクを着ているときはこの人の作ったものになる



煌汰は基本なんでも作るのだが、総じてコスプレを作ったり、もしくはワンピース類である



ただし着せてもすぐに気分が変わって着せ替え人形にされる唯姫は可哀想でしかない



「あれ、そういえばランドセルは?」



「明日買いに行くが子姫は赤「ゆんちゃんは何色のランドセルがいーい?」ババア」



俺の話を遮るんじゃねえ…と煌汰は歯ぎしりするが、一方的に赤に決まりそうだったのでそれは回避だ



皆も、女だから安直に赤ってお前あほかよ、と頭を抱える



「んと……………ぬしさまのおぐしの色がいい……です」



「……………黄色だなせめて」



「子姫の髪に黄色っ!?」



お前の髪色って交じり強すぎるんだよ…と全員に言われて煌汰も「せめて赤にすればっ」と言い出すが、それはそれで他人と思いたくなるのでやめろ…と言われ、何とも言えない気持ちになった煌汰



実際、太一が赤だの青だのに染めたら多分はっきり言って他人のフリはするな…と、染めた人物を勝手に太一に変換して想像して頭を振って蹴散らす



正直、唯姫の次に大切にされている自身がある太一は複雑そうだけれど…



「……ぬしさまは……うちのっ何色が似合うと思いますか?うちねっぬしさまが決めた色がいいですっ」



「………………しゅき」



「おい返事しろ変態」



息してるか変態、起きろ変態、と全員に罵られて現実へ帰ってくるあたり流石煌汰だ



「み、みて決めような子姫」



「!はいっ」



唯姫は微笑み、煌汰の母の元へ戻り、料理の手伝いへ戻っていったのだった…









ちなみに唯姫ちゃんは和食以外はあまり作れません

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