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山岸夫婦とその周辺  作者: ハナトマナツ
5/6

#5 ちょっとだけおはなしがうまくなりました

もはやクズ発言は友人のみに発動するのか…

「姫?子姫ー」



あれから、早いもので四年の月日が流れていた



戸籍やらに関しては養子縁組をしたという事で色々警察が親に居る新崎穂乃果にいざきほのか真幌太一まほろたいちの両親に全てを説明した(お社破壊は報告せず)



そういう子の場合の措置は難しかったらしいが、なんだかんだ頑張って、唯姫は現状四年は経っているものの、戸籍も差し込まれて、現在は幼稚園を卒園待ち、という感じで小学校にも話は通されているので問題なし



そんな唯姫はというと、煌汰の部屋(唯姫を部屋でもある)の隅に溜まっている埃をひたすら割り箸に巻き付けたティッシュで除去している所だった



煌汰に話しかけられた唯姫は首を傾げて振り返る



「何してるん、そんな隅で」



「うち、そうじ、してたの」



「そんなん今いらんだろ、おいで」



煌汰は両手を広げて唯姫を呼ぶ



この半年で何があったんだ…というレベルで唯姫に甘くなった煌汰



というのも、あれ以降も何度か煌汰の知らない所で無茶をしてくれた唯姫に見事に過保護になった煌汰



そんな煌汰に、あの太一ですら驚いた



何を言ってもクズから脱却しなかったのに唯姫が来てからは人が変わったかのように煌汰は優しくなった



そんな煌汰にも随分と懐いた唯姫は煌汰の胸元に寄って行って抱きしめられる



「!おしごと、してるから…だめ、って…おもったの」



「んーにゃ、終わったよ、後は明日に回して明日オークションしますー」



「?どこいくの?」



正直身長で見ればまだ幼稚園児と言われても不思議じゃないほどに唯姫の身体は小さいし言動も幼い



だからこその小学生スタートなのだ



「実家、子姫の学校入学の目処ついたんだと、今年の春からだよ」



「がっこう!」



「そ、学校、嬉しい?」



唯姫はそわそわして、興奮しながら煌汰の顔を見上げて話し始める



「ぬしさまがねっ、みんなとね、なかよくてね、うちもいきたいおもったの!」



両手をぎゅっと握って小さく振りながら必死で話す姿に煌汰はほのぼのと微笑んで頷いている



これだけ見れば良いお兄さんだが、煌汰はもう唯姫を自分の嫁認定していて、太一たちからも、もはや何も言うまい…と諦められている…



まったく良いお兄さんではなく完全に下心で唯姫に接しているが、そもそも実年齢だけなら1000は超えていて寧ろ唯姫の方が煌汰より年上、と言い張る煌汰に誰も何も言わなくなっただけである



「ああ、あいつら……また明後日来るよ」



「!あそぶのっ」



たちくんとね、ちこちゃんとね、と煌汰の友人たちの名前を挙げていく



これには煌汰も少し嫉妬心を見せたが相手は中身も言動も子供だからと両親に殴られた



唯姫の入学と同時に、全員が新築の自身達が購入した一戸建てに入居する予定(太一は既に入居済)なので皆なんだかんだで大忙しである



ちなみに煌汰の職業は個人経営の手作りの服を売る事なのだが、基本、すべて手作りな事もあって最近オークションへ切り替えてから収入が増えた



勿論全員税金は払っているので高収入を文句言われることはない



「そうだなぁ、俺もかまってな?子姫」



子姫呼びになった理由だが、なんか唯姫の事皆と呼び方が被って腹が立つ、昔の言い方に寄せる?と一人でごちゃごちゃ考えた末の子姫呼び定着である



「?うち、ぬしさますきっ」



ちょっとどこぞの赤いお魚さんが擬人化した映画を思い出したが煌汰は頭を振って満面の笑顔になった



「俺もうれしいなぁっ」



実の両親にキモイと言われたが無問題



だって煌汰だもの



んふふっ、そう笑いながら唯姫は煌汰と共にリビングへ行き、煌汰作の衣服を着せられながらその日は過ぎていったのだった…





煌汰は基本家族には普通にクズ野郎と呼ばれるのが普通で、実は初めて唯姫が煌汰の名前を呼んだ際、クズ野郎しか煌汰の事を知らなくて「くずやろうさま」と呼んでその場を震撼させてしまい、慌てて全員で訂正しました

結果、子供にありがちな混乱のせいで教えた結果一番しっくり来た「ぬしさま」に定着となりました

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