#1 ぷろろーぐ
今回の小説は気分転換ともう一つの小説の休憩用(書き溜めてる時用です)
主人公は山岸煌汰、大学生
ヒロイン枠で主人公みたいなポジションの鬼の唯姫ちゃんの恋愛話とちょっと家族とのバトルが書ければなぁと
何百年かは覚えていない
だけど、ずっと独り………暗く狭い場所へ閉じ込められてきた
顔を上げても陽の光なんてなく、ただ毎日を無駄にしてそこに居た
ただ眠ることしかすることが無く、死ぬこともできないから無駄に生きてきたある日
騒がしい声と共に世界は広く、明るくそして騒々しくまた動き始めた…………
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山岸煌汰19歳大学生にしてちゃらんぽらんクズ野郎
通う大学の夏は休校が重なることも多く、だから遊ぶ時間も多い
バイトはしているが長続きしないのだ
そんなある日、やって来た川辺でキャンプをしていた際、不自然な大穴があり、その横には古く壊れかけている祠があった
皆悪乗りしてその祠を破壊して、その辺の岩も破壊する
簡単に割れた石が数個あったが、その一つが割れた瞬間、破壊された社が光り始め、全員が息を呑んだ
あれ?もしかして何かやっちゃった?と全員が考えた
まあ、やっちゃった?ではなく、やらかしてるんだ色々沢山
そう全員が固まっていると、光は収まり、そこに解る人には解る、高い反物を纏っている人では無いその存在が倒れていた
その存在が身体を起こす
全員本能で身構えたが、その場に響いた音に全員が脱力することとなった
くーきゅるきゅる
小さくても静かなら響くその腹の音に全員が笑い始め、チャラい女の子が鞄からチョコレートを出してその存在の口の中へ放り込む
「お前、何?」
チョコレートを美味しそうに頬張る頭に角を生やした幼女の頬をツンツンする女子数人と、その存在の名前を聞こうとする煌汰
そして頑張って話そうと座る少女
他にもお菓子を与えると不思議そうな顔をしながら頬張って、口に入れると顔を輝かせるという動作を繰り返す少女
「う、おに」
「オニ?鬼か………?ファンタジー乙、とか言えたら良かったんだけどなぁ」
現に目の前にいるんだよなぁ…
そう呟く煌汰と女子達と、要らんちょっかいをかける男子
それを拒絶もせず甘んじて受け入れる奇妙な鬼の少女
多分人に見られたら育児虐待で謂れのない罪で捕まりそうだと煌汰は肩を落とす
「まああんなの見たしなぁ」
光った社の残骸から少女が出てきた
実は人じゃなくて鬼だった
それ以上の事は今は頭に入ってきそうにない…
「これ、たべたことないあじ、おいしい」
「まあ鬼とかって食べなさそうだよね」
そう言って、可愛がる女子に可愛がられる少女
実は姉妹だと言われても信じられるほどだ
「…………ここ、むかしとかわってる、うち、まだそとにいたとき、さわ、なかった」
かっくんかっくんと小さな体にまだ大きい頭なせいでぐらぐら揺れる少女を女子が支える
いつか倒れそうだからだ
「眠い?」
「……たぶん?」
「今何歳?」
「ふういん、されたときは、ななさい、でも、ちけい、みたかんじ、せんねんいじょう、たってる……ぅ……」
鬼の少女は睡魔に負けて眠りにつく
女子があらぁ、と言いながら抱き寄せて頭を撫でる
「ありゃ、寝たよ、つか封印て言った?」
「こいつ相当やばい事やったんでない?」
「だぁっ、くそが面倒な」
「うわざっつーwまじうけるっ」
「担いでるしwww」
キャンプ地へ戻ったこの罰当たり集団は、その後、行く当ても帰る当てもないと、社を壊した事もあって、責任を取るため、本当に仕方なく煌汰やその他の面々で面倒を見ながらしばらく過ごすことで話はまとまったのだった…
全く開幕しない感凄いですね