能力のテーマ
気づいたら俺の目の前の人々はいなくなった。周りを見ると人がかなり減っている。十人もいないんじゃないか。そう思い数えると八人しかいない。
「やりすぎた…か」
少し後悔がある。なぜだ。この気持ちはなんだ。まぁいいさ、これでやっと話が進む。その途端、あの謎の声がする。
「おつかれだねぇ。あーあ…十人きっちゃったね?残念だなぁ、僕の世界に来る人が少なくなっちゃった………まぁ、結局来るんだけどねー?」
そう呟くと笑った。
「おい!人は少なくなったぞ!早く説明しろ!」
「まぁそんなに急ぐんじゃないよ金髪くん?これからが楽しいんじゃないか」
さぁどんなことが説明されるか。
「まず僕が作った世界だけどね?この世界は言わば異世界みたいなものだね。しかし、その世界は色々な意味で汚れている。だからその世界の人々はこう呼ぶ。」
その途端、声の質が変わった。
「汚染された世界……アンクリーンワールド」
謎の声の話は続く。
「そこでは、言った通りに君たちには生き抜いてもらう。しかし、こちらも勝手に転移させた身だ。一人に一つ、能力のテーマを与える。その能力のテーマは今、人を気絶させた数が多い順に与える。ちなみに多い方がいい能力のテーマだ」
能力のテーマ。これはかなりの情報だ。いいテーマを貰えれば強くなれるということか。でも元から能力を持っている者はかなり強いな。
「では順位を発表する。そして能力のテーマも発表する。幸運を祈るよ」
さて、俺は八人中何位なのかな。すると、謎の空間にモニターが現れた。そこには順位が書かれていた。
一位 五木 武 二十二人
二位 桜井 アリス 二十人
三位 池谷 和音 十五人
四位 瀬賀 瑞葉 十三人
五位 春日井 奏多 九人
六位 林 健 八人
七位 鏡ヶ沖 慎太 六人
八位 高梨 千 零人
おっと七位か。もっと始めからやっとけばよかったかな。瑞葉はやるな。さすがだ。
「こんな感じかなー。あ、能力のテーマは君たちの右のポケットに入ってるから見てね。」
そんないつの間に入れたのだ。見ようとすると、もう転移しようとしている。
「それでは!僕の作った世界……アンクリーンワールドへようこそ!」
眩しい光が広がった。最後に見たのは俺の能力のテーマ。
俺のテーマは───