つまらない日常
「いい天気だ」
そう呟いた俺。今日も何事もなく一日が始まり、何事もなく終わってゆく。そんなつまらない日常には飽きた。面白くない。そんなことを考えていると、後ろから声が聞こえる。これもいつも通りだ。
「おはよ~~うぅっだよ!慎太!」
「ん、おはよう」
そう朝から元気なのは幼なじみの瑞葉だ。こいつは朝から元気すぎてうるさい。
「なんだよー元気ないなー」
「お前がうるさすぎなだけだ」
「えぇーひどくなーい?」
こんなしょうもない会話が続く。しかし、こんなやつでも将来は医者志望の天才だ。テストでもいつも上位。そんなこんなで学校が見えてきた。俺たちは高校二年生。5月も後半で梅雨が近づいてきた。二年生になって大分慣れてきた。慣れてしまった。面白くない。つまらないの毎日だ。逆に疲れた。そこで瑞葉からの話が聞こえた。
「慎太聞いたー?最近、この近くで人が消えるっていう事件が多発してるんだってさー。めっちゃ怖くない?」
人が消える事件か……面白そうだな。
「なんか慎太笑ってない?怖いんだけど。どうした?」
「いや、別に」
別になわけがない。
「もしも私が消えたらどうする?」
「お前を助ける」
一応言っとく。
「きゃーかっこいい、惚れちゃう~!慎太結婚して~!」
やだ。
「やだ」
「はい!即答ありがとうございまーす!」
俺は瑞葉にいつも恒例となった即答で返した。
すると、目の前に光が差す。なんだこれは。
「えっなにこれ!まぶしい!」
何も抵抗できず俺たちは光に包まれてしまった。
そのあとのことは何も覚えていない。