表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テイマーさんのVRMMO育成日誌  作者: ジャジャ丸
第一章 ミニスライムとフィールドボス
6/191

第6話 ゴブリン狩りと採取スキル

ブックマーク100件超えました! ありがとうございます!

「《バインドウィップ》!!」


 私の繰り出したアーツによって、《蔓の鞭》がゴブリンに絡みつき、その動きを封じ込める。


「今だよ、ライム!」


 ライムがゴブリンの顔面目掛けて飛び掛かり、張り付いたまま《酸液》を発動して、でろ~っと滲み出てきた液体がゴブリンの体に纏わりつく。

 それに合わせて、少しずつゴブリンのHPが減っていくけど……うん、減るの遅いなぁ。


「ライム、そろそろ拘束解けるよ、逃げて!」


 効果時間が切れそうになったタイミングで、ライムがゴブリンから飛び降りてその場を離れる。

 そして《バインドウィップ》の効果が終わり、動けるようになったゴブリンは攻撃していたライム……じゃなく、私目掛けて剣を振るう。


「きゃっ! 今度は私か、もう。ツイてないなぁ」


 私じゃなくて逃げるライムを追ってくれれば、追いつく前に背中から鞭を叩き込んであげれたのに。

 どういう仕組みかまだよく分からないけど、《バインドウィップ》の拘束が解けた後は、私とライム、どっちを狙うかはランダムみたい。

 《バインドウィップ》自体が、ダメージはなくてもヘイトを稼いじゃうのか、それとも拘束中に攻撃された分のヘイトが攻撃した人だけじゃなく私にも向くのか。

 ライムと2人だけじゃ余裕もないし調べようがないけど、逃げてるライムならともかく、直前まで拘束のためにすぐ近くにいる私は避け切れないから、ダメージが嵩んで凄く厄介だ。

 とはいえ、こうして拘束しないとライムが攻撃出来ないし、やるしかないんだけど。


「はあ、ふぅ……なんとか倒せたぁ」


 何度も何度もぺちぺちと、剣の間合いの外から叩きつつ逃げつつを繰り返し、時間をかけてなんとかゴブリンを倒す。

 それと同時に、私とライムに経験値が入って、レベルが上がったことを示すファンファーレが鳴り響く。


「やっとレベル上がった……覚悟はしてたけど、ゴブリン相手するのも大変だなぁ」



名前:ミオ

職業:魔物使い Lv3

HP:23/72

MP:55/60

ATK:42

DEF:62

AGI:62

INT:42

MIND:62

DEX:83

SP:4

スキル:《調教Lv2》《使役Lv2》《鞭Lv4》


名前:ライム

種族:ミニスライム Lv2

HP:33/33

MP:0/33

ATK:21

DEF:32

AGI:11

INT:16

MIND:13

DEX:17

スキル:《酸液Lv2》《収納Lv1》《悪食Lv1》



 一度手前のエリアに戻ってステータスを確認してみれば、こんな感じになってた。


 お兄に啖呵を切った後、取り敢えず一度街に戻ってアイテムをいくつか買った私は、《東の平原》でゴブリン相手にレベリングに勤しむことにしたんだけど、中々レベルが上がってくれない。


 理由は、考えるまでもなく狩りの効率がすこぶる悪いせいだ。

 《バインドウィップ》で動きを封じて、その間にライムに取りついて貰い、《酸液》で削るのが今の基本的な戦い方だけど、《酸液》自体、ダメージが低すぎて拘束している間に仕留めきれない。

 しかも、《酸液》を使ってる間はライムのMPを消費し続けるみたいで、元々ミニスライムのMPが少ないのもあって、一度の拘束でほとんど底を突いちゃう。

 だから、拘束が終わった後は鞭でゴリ押しになるんだけど……そもそも、私に戦闘のプレイヤースキルなんて無いに等しいから、1対1でも結構ギリギリの戦いになる。


 だから、前提としてゴブリンと1対1で戦える状況じゃないとダメな上、勝ったとしても、ライムのMPは空っぽ。私も《バインドウィップ》の発動時と効果終了時にある硬直時間を突かれたり、慣れない戦闘で距離感を間違えて攻撃を受けたりして、HPが結構削られる。


 それが自然回復するのを待つと時間がかなり取られるし、アイテムに頼ろうとすると《初心者用HPポーション》が30G(ゴールド)、《初心者用MPポーション》で50Gもする。

 ゴブリンを倒して得られるお金は、精々が3Gとかそんなものだし、一切ドロップしてくれない時も普通にあるから、やたらかかるライムの餌代のことも考えると、下手すれば赤字になりかねない。


 その結果として、もう1時間くらいやってるのに、ゴブリンは6体しか倒せなかった。


「うーん、もうちょっとライムのダメージ、増やせないかなぁ」


 見てる限り、《酸液》はそれ自体に威力があるんじゃなくて、付着してる間に継続ダメージを与える攻撃みたいで、付着してる量が多いほどダメージ量も増えてく。

 けど、ライムが《酸液》を出す時は、時間をかけて全身から滲み出るような感じだから、大量に短時間で付着させようと思ったら、ライム自身が大きくなるか、ライムがたくさんいないといけない。

 《分裂》とか《巨大化》とか、そんなスキルでもあればいいんだけど、レベル上がったら覚えないかなぁ……まあ、仮に覚えるんだとしても、MPが少ないからあんまり意味ないかもだけど。


「あとは、やっぱり私の鞭を買い替えるか……」


 でも、それはなんだか負けのような気がする。

 勿論、《蔓の鞭》なんてダサいし弱いしいずれは買い替えるけど、このゲームは戦闘での活躍度合でパーティ内の経験値配分が変わるみたいだし、ライムが活躍する場も考えずに私だけ強くなったら、ライムとのレベル差が開く一方だ。

 それじゃあ、ライムを強くして見返すっていう目標にたどり着けない。


「う~、思いつかな~い!」


 うがーっと空に向かって咆えて、平原の草むらに背中から身を投げ出す。

 この辺りはマンムーとミニスライムしかいない、事実上の安全地帯だし、モンスターの襲撃を警戒する必要もない。

 ゴブリンと戦って減ったHPとMPの自然回復を待ちつつ、私はのんびりと綺麗に澄み渡る空を眺めていた。


「んっ、どうしたのライム? お腹空いちゃった?」


 しばらくそうしていると、傍らにいたライムが私の体をよじ登り、何かをアピールし始めた。

 ステータスを確認してみれば、満腹度が少し減ってきていた。


「もう、ライムは食いしん坊だなぁ」


 よいしょっと体を起こし、ライムを膝の上に置くと、インベントリから新しく買った《魔物の餌》を3つ取り出し、ライムに食べさせてあげる。

 満腹度ゲージが回復し、満タンになるけど、ライムはまだ物足りなそうだ。


「ダメだよライム、腹八分目にしないとお腹壊すよ?」


 そう言って撫でてあげると、少しだけしょんぼりしつつも渋々納得してくれたのか、私の膝の上から降り、隣でぐて~っとだらけ始めた。

 どうも、ライムは満腹度がいっぱいになってもまだ食べられるみたいで、おねだりされるままにあげてると、本当に際限なくどんどん食べられちゃう。正直、最初にアイテムを全部食べさせちゃったのは失敗だったかもしれない。


「うーん、強くするのはいいけど、まずは食費をどうにかしないとまずいかも……」


 ライム用の《魔物の餌》と、私用……つまりプレイヤー用の《携帯食料》がそれぞれ10Gで買えるけど、今のペースだと正直儲けよりもちょっと安いくらいでしかないし、このままじゃ立ち行かなくなるのが目に見えてる。

 《悪食》スキルがあるんだし、倒したゴブリンのドロップアイテムをあげればいいと思うかもしれないけど、ライムはどうも、ドロップアイテムより《魔物の餌》やポーションのほうが好きみたいだし。

 もちろん、いざとなれば好き嫌いなんて言ってられないし、なんでも食べて貰うけど、出来ることならライムには好きな食べ物をお腹いっぱい食べさせてあげたい。

 となれば、どうするか。


「……私が作ろうかな、ライムの餌」


 残った手段は、生産系の《調合》スキルで私がライムの好きな食べ物を作るくらいかな。

 これならお金は節約できるし、色んなアイテムを使えれば、何かライムとの新しい戦い方が閃くかもしれないし。

 ちなみに《料理》スキルじゃないのは、ポーション系のアイテムも作れるようになっておけば、狩りの効率を上げられるんじゃないかっていう打算があるからだ。


「よし、そうと決まれば、街に戻ろっか、ライム」


 だらけ過ぎてジェル状の体が水たまりみたいに蕩けてたライムにそう声をかけると、ぷるんっと一瞬で元の丸い体になって、私の胸に飛び込んできた。

 そんなライムをひと撫でしつつ、私自身も立ち上がり、街に向けて歩き出す。


「と、そうだ」


 そこでふと思い立った私は、メニューを開いて新しく《調合》スキルに加えて、《採取》というスキルを習得した。

 これが装備してあると、普通は実際に手に取ってみないとそれと分からない採取アイテムが、離れたところから見ただけで、ただの背景か採取アイテムか見分けられるようになるし、レベルが上がれば一か所から採れる採取量なんかも増えるお得なスキルだ。

 ライムの餌のことを抜きにしても、ただでさえ戦闘で稼げない私達には有用なスキルだと思う。


「おおっ、いっぱい見える!」


 《採取》スキルを装備してメニュー画面から視界を外してみれば、平原のあちこちに光るポイントが目に付いた。

 さっきからずっとこの辺りに居たのに一つも見つけられてなかったし、思った以上に使えるスキルかも。


「どれどれ……?」


 試しに、一つのポイントに近づいて注視してみると、そこには確かに、平原の草むらに隠れるようにして、微妙に色合いの違う草が少しだけ生えていた。

 うん、これはスキルがないと分かんないよ。


 その草を摘んでみると、すぐに消えてなくなって、インベントリに収納された。

 確認してみると、HPポーションの原料になる《薬草》が3つ入って……うん? 今摘んだの1つだけだったんだけど、なんで3つ?

 そう思って1つだけ分けて取り出してみると、摘んだ時とサイズも形も変わらない薬草が1つ出てきた。もう1つ取り出せば、やっぱり全く同じものが手に収まる。

 うーん……不思議だ。


「まあ、こういうのはあれだよね。気にしたら負け!」


 ゲームなんだしこんなこともあるよね、と自分を納得させて、私は目に付く採取ポイントを回り、アイテムを拾い集めていった。

一度の採取行動で複数採れるシステム、モ〇ハンワールドでは採取にかかる時間が減って便利でしたね……

まあ、色々忙しかったので全クリできずに積みゲーの1つと化してるんですが(´;ω;`)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ