魔力
次の日から歩くことはできたが、アイシャから魔力が回復してから魔法について教えてもらうことになった。
その間暇なのでまず家の周りなどを見ることにした。
家の周りは小さな畑と小川がありそれ以外は周りは全て森の中だった。村や街などは何処にあるのかとアイシャに聞いてみると、ここから数時間歩いたところに村があり、街はここから数日間歩かなければいけないようだった。
結局、数時間で終わってしまった。他にやることがなく現代の便利さについて改めて気付かされた。
その後、アイシャに手伝えることを聞いて水汲みをしたり畑を耕したり料理の火を維持したりと色々な雑用をしたが現代ではやらないことばかりで意外と楽しくすることができた。
だが現代に戻りたいと感じたのは食事だ。
食事は基本的に豆と少しの野菜の入ったスープとボソボソの黒パンだけだった。現代とは違い一日目は楽しめたが同じような食事が毎日続き日本の食事がここまで恋しくなるとは思ってもいなかった。
やっと魔力が完全に回復したのは数日たってからだった。
魔法についての最初は魔法について教えてもらうことになった。
まず魔力というのは全ての生物が必ず持っていて魔力の量が多いものが魔法を使うことができるらしい。
魔法は、体内の魔力を使い魔法を行使する。というのだがそれにはかなり集中力が必要で集中する方法の一つとして詠唱をするというのが基本らしい。
他にも色々なことを覚えないといけないらしいがまず魔力を感じるということをやるらしい。
しかしアイシャの出来る魔力を感じさせる方法というのが普通の方法より厳しいやり方らしい。
「そのやり方っていうのはどんなの」
と不安そうに聞いてみるとアイシャが少しすまなそうにしながら説明してくれた。
「まず魔力を感じるというのが一番大変なことで普通だったら数ヶ月かけてやるんだが、それを早くするために私の師匠がやった方法でね。魔力を流して魔力酔いというのを起こしてそれを繰り返すことで魔力を理解させるという結構無理やりな感じなんだ」
と聞いてそこまでのことじゃないんじゃないかと思ったが早く魔法を使える様になるということだしやるしかないと思い大丈夫だと伝えると早速やることになった。
「今から始めるが大丈夫か」
と再度聞かれたので
「大丈夫だよ早くやってくれ」
と答えるとアイシャが俺の肩に手を置いた。
いきなりだった。頭を何かで殴られた様な頭痛と体の倦怠感、そして自分では耐えられない程の嘔吐感を感じその場に膝をついて倒れ込み吐き出してしまった。
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ようやく症状が治まるとアイシャが水を持ってきてくれた。
「大丈夫か?かなりきついだろこれは。私も初めて受けた時は君のようになってしまったよ。しかし私はこれを数日で魔力を感じることができたよ。」
とアイシャが励ましてくれた。
はっきり言って。想像以上だったというのが感想だった。車酔いくらいだと思っていたがそんなのよりも数段酷かった。
しかしこれをやった後でも魔力というのを感じることができなかった。
アイシャが最初に言ってたが魔力を感じることが早くなるといっても一回やった位では全く変わることはなく実際全く変わったと感じなかった。
しかしこの時、知る由もなかった。俺はこれまで魔力についてすら知らなく普通よりも魔力を感じることが出来るのが遅いなんて...そしてこの地獄のようなことが終わるに1ヶ月ほどかかるなんて。




