森の中
目覚めてからだんだん頭が起きてくると今の状況がわかってきた。今の服装は寝る前に着ていた半袖短パンで足は何も履いていない格好だった。
周りを見渡すと、針葉樹だらけで薄暗く人の手が全く入っている様子がないようなところだった。
とにかくここから離れようと道なき道を歩き出した。
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やっとのことで抜け出したときには、足は傷だらけになり喉も乾ききっていた。
少し休もうと座っていると何か流れている音がした。これはもしやと思い音の方向へ走っていくとそこには川があった。
「ヤッターー!!」
俺はつい嬉しさのあまり叫んでしまった。川の水は澄んでいてそのまま飲んでも問題ないように思いそのまま水を飲み始めた。
水は冷たく歩き続け疲れていた俺にとってはとてもありがたく味はまさしく甘露であった。
水を飲み少し落ち着いて考えてみると自分がなぜこんなところにいるのかがわからなかった。誘拐だとしてもこんなところに運んでいくことも難しいだろうし人が入った形跡もなかった。
考えてもここにいる理由は全くわからなかった。
考えていると川の向こう側に何やら音がしてそちらを見てみると
「何だよ...あれ」
向こう側で見たことのない化物が俺の方をみていた。蜘蛛のようであるが大人並みの大きさがあり前足は大きく肥大化しておりまるで棍棒のようになっていた。
あれは絶対にやばいと脳が警報を鳴らしている。
この場から逃げようと後側にジリジリと後退りしていき森の中に入れるくらいになると突然こちらに向かって化物が襲ってきた。
やばいやばいやばい、俺は全速力で走って逃げた。足に尖った石を踏み鋭い痛みが走るがそれを耐え必死で逃げた。
後ろから木々がメキメキと倒される音が未だに聞こえてくる。
俺は、化物に気を取られすぎていて足元にある木の根に気づかずそれに思いき切り倒れてしまった。
化物の方をみるとこちらに向かってくる。
立ち上がりまた逃げようとするが体が固まって動くことができない。化物がこちらに向かってくるのがスローモーションに見え、色々な記憶が駆け巡る。
これが走馬灯かとぼんやりと思いながら感じたことのない脱力感を感じながら
「死にたくない...」
ぽつりと呟き目を閉じた。




