57歩目 振りかざそう、その為の権威だ、使って都合良く物事を運んでいこう 2
当然ながらこのような動きに、官僚機構が黙ってるわけもない。
直接的に何かをしてくる事はなくても、間接的に手を出してくる。
それらに対しては、これまた王族の立場を利用して対処していった。
具体的には、対抗してきた疑いのある部署そのものの解体や閉鎖である。
王族であるので、それくらいの権利はある。
たとえ直接手を出せなくても、伝手をたどって力を行使していく。
そうやって部署ごと潰していく。
その中には全くの無関係の者もいるだろうが、容赦はしない。
同じ部署であるならば、動きを何も知らないという事もないはずだ。
知っていて見逃したならば、それは消極的な協力である。
共犯と言っても良い。
ヒロフミからすれば敵対行為でしかない。
許す理由にはならなかった。
また、例え本当に無関係だとしても手を緩めるわけにはいかない。
具体的な首謀者や実行犯を割り出してる時間がもったいない。
それくらいなら関係しているとおぼしき者達をまとめて潰した方が早い。
とばっちりを食らう者達はたまったものではないだろうが、問題を放置するよりはよっぽど良かった。
調査や捜査に時間をかけてる間にも、敵となった者達は攻撃を仕掛けてくる。
そうさせておく方が問題だった。
何より、その責任はヒロフミにあるわけではない。
ヒロフミの行動を遮る者達が悪いのであり、それらを放置していた者達の責任である。
責任を追求するならば、そんな事をしてきた連中が悪い。
自業自得である。
そして、それを放置という形で容認してきた連中が同罪なのは、あらためて言うまでも無い。
身から出た錆であるのだ。
同情の余地のない罪である。
こうした動きに対して、実力行使も行われていく。
ヤクザ者を使った暴行だ。
これがかなり早い段階で行われてきた。
当然ながら、そんな事もあろうかと対策はとっている。
撃退するだけの戦力確保は最初から行っている。
あえなく返り討ちにあった襲撃者達は、人知れず消えていくか、骸をさらす事になる。
それだけではない。
襲撃があれば、それを差し向けたと思える者にも報復をした。
やられた以上の打撃を与えていった。
関係する全て、親兄弟に子供などの家族親戚にも襲撃を行った。
当事者だけで済まないという事を骨身にしみて理解させていく。
こういった事をする者達は、自分が潰えてもかまわないという覚悟をしてる事もある。
だから、それだけでは留まらないと教えておく必要があった。
さすがに自分以外の大事なものまで潰されるとなれば、おとなしくしくなる者も出てくる。
また、そういった縁者だけでなく、近所に住む者や同僚などへの襲撃も加えていく。
おかしな動きを見せる者がいたら、それを放置するなと示す為に。
こうして相互監視をすすめさせておかしな事をさせないようにしていく。
こうして余計な問題を起こす者は極端に減っていく。
それでもまだ突っかかってくる者もいるが、そういった者達は残らず消えていく事になる。
ある日突然姿を消す。
行方不明になりそのままいなくなる。
それを誰がやったのかも分からない。
誰も口をつぐんでしまい、目撃情報すらも集まらない。
捜査機関もまともに動かない。
そういう状況が出来上がっていく。
そうして影響力をひろげていくヒロフミは、実質的な統治範囲を増やしていった。
余計な邪魔が入らなくなったところで、あらためて統治を進めていく。




