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転生して異世界に指導者として出向くことになった  作者: よぎそーと
三章

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52/57

52歩目 意気揚々とはじめて、結果はまたも暗澹たるものになったようで

「酷いもんだな」

 殲滅した反乱民の拠点に踏み入って漏らす。

 見れば田畑は荒れ、工房にも蜘蛛の巣がはり、商売人の倉には売り物がないという有様だった。

「そこまでして働きたくないもんなのかな」

 本当に謎であった。

 別に裕福になるほど頑張る必要は無い。

 せめて自分の食い扶持だけでも手に入れれば良いと思うのだが。

 世の中にはそういう考えを抱けない者もいるようだった。

 そして、こんな事が既に二度も起きてるのが問題だった。

 かつての出来事はこの時代になっても繰り返し伝えてきているのだが。

 それでも過去の出来事に学ばない者がいるのに唖然とする。

「過去に学ばないとは……」

 既に起こった実例を教訓に出来ない。

 そんな者がいるのが信じられなかった。

 だが、それが人間というものなのだろう。

 だから何度も同じような間違いを繰り返す。

 せめて自分だけはそうなるまいと、ヒロフミは改めて決意する。

 転生しても記憶を失わないという特権は、その上で非常にありがたいものだった。



 この反乱の後始末をつけて、ヒロフミは今後の対策にうつっていく。

 問題が大きくなる前に解決出来るように。

 その為に潜入して調査する者達を作っていく。

 同じような事をしでかす連中が出てくれば、そいつらを即座に始末出来るように。

 今回のように、人口の半分を失うような事がないように。



(それでも……)

 発生してしまった大惨事を振り返って思う。

 まだ半分で終わっただけでも良しとしようと。

(まだ、全体に蔓延してるわけじゃない)

 そうなっていたら手がつけられなかった。

 軌道修正しようにも、そんな事すら出来なかっただろう。

 だから、半分を失うだけで済んだ事は奇跡と言えた。

「次はこんな事にならなければいいけど」

 そう思いながら対策をたてていく。



 今回の人生は、その対策にほとんどが費やされてしまった。

 そういう意味では無駄が多いといえよう。

 だが、そのおかげで後の時代ではさほど大きな問題が発生しないようになった。

 発生する前に大半が片付いていくようになったからだ。

 そして発展は続き、国は勢力を更に拡大させていく。

 その様子をヒロフミは、死後の世界から眺める事となる。



 それからは転生ごとに発展に寄与していく事になる。

 余計な事に足を引っ張られないので、思った通りに事が運んでいく。

 無駄が無いというのはこれほどまでにやりやすいのかと思うくらいだ。

 おかげで研究や探索に時間と労力を費やせる。

 文明の発展も予想以上に進んでいった。



 その一方で、国内監視の手も緩めない。

 どんなに処置をしても、問題は次から次へと出てくる。

 何にそんなに不満があるのかと思うくらいだ。

 そんな連中の調査と摘発の効率を上げるための研究開発も行っていく。

 不毛ではあると思うのだが、こういった事もやっていかねばならなぬ事だった。

 一部の理由なき不満のために、真剣に生きて成果を上げてるその他大勢の人間を犠牲にするわけにはいかない。

 そんなところに労力を費やさねばならないのが手間ではあったが、放置するわけにはいかなかった。

 放っておく事で問題は拡大し、手がつけられなくなる。

 その為、ヒロフミは摘発・対策の為の手段にも能力を割くことになっていく。

 その分をもっと別の分野に費やしたいが、なかなかそうもいかないのが辛い。


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おまえら、教えやがれ
  ↓
  ↓
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/479725667.html

『ピクシブのブースを使ってるので、その事を伝えておかねば』
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/477601321.html

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