48歩目 なんでこうも反乱を起こそうとするのか、そんなに不満があるというのか?
「反乱か」
久しぶりである。
最初の頃にもあったが、それが再びやってきた。
今度は地方の有力者。
ヒロフミの一族とは別の連中だ。
その一族も代々国の発展に尽力してきた。
大きくなった国の一部をまとめる役をまかせていた。
それがこの度めでたく反乱である。
正確には独立要求、あるいは大きな自治権の要求だ。
「分からんではないけど」
それが必要なのは分かっている。
通信設備のないこの世界で、広範囲を統治するにはどうしても権限を任せた領主を設置しなくてはならない。
その為、多大な権限をもつ地方領主が誕生し、地方分権になってしまう。
結果として中央の意思を無視した行動が発生する可能性を生んでしまう。
それが地方の実情に合わせた適応ならばまだ良い。
それこそが多大な権限を与えて任せる意味でもある。
だが、自由な裁量権を与えてなお更なる権限を求めるというのはどういう事か?
それこそ、自主性・自立性・独立という名の離反でしかない。
「さすがになあ……」
これはさすがに許容するわけにはいかなかった。
「軍を上げろ」
統治者として転生してたヒロフミは、そう言って鎮定の為に動き出そうとした。
しかし。
「おまちください」
止める者が出てくる。
「この度の申し出、彼の者にも言い分がありましょう。
どうか寛大なところを、統治者としての度量を示し、今一度話し合いを……」
言ってる途中で発言をしていた者は剣に貫かれた。
「ふざけるな」
静かな、しかし確固たる声が貫かれた者にぶつけられる。
「こいつの一族を捕らえろ。
こいつと同じ考え・行動をしていた連中も捕らえろ。
一族全員だ!」
その指示に臣下は即座に動いた。
結果、首都において大幅な粛正が行われる事になった。
今回の反乱について、穏健な態度を取っている者達。
正確に言うならば反乱を指示し、征伐を取り下げようとしていた者達。
それらがしょっ引かれていく。
それは、統治側に立っていた者達の中でもかなり有力な連中が揃っていた。
貴族というべき者達だ。
その中でもかなりの有力者達が名を連ねている。
「驚いたな」
ヒロフミはため息を漏らす。
「国賊がこれほどいたとはな」
呆れるしかない。
かつての反乱、発祥の地で起こった出来事。
それを思い出す。
「何故こんな事をしたのか分からんが。
その理由をたっぷり聞かせてもらうぞ」
そう言って捕らえた者達を牢獄に放り込む。
その後は必要な情報を引き出していく。
当然ながら拷問を用いて。
反乱を起こした者に情けは無用だ。
穏便な対応をすると、後々の禍根として残る。
容赦は一切出来ない。
「全てを吐き出させろ」
自らも指揮を執り、時に自らやり方を示しながら指示を出す。
「こいつらがなんでこんな考えをするようになったのかをな。
それが一番重要だ」
かくて凄惨極まる作業が始まっていく。
情報の引き出し作業が続く。
その間に軍勢の編成が進められていく。
それらは自治権要求をした地方に出発していく。
だが、全軍がそれに従ったわけではない。
半分ほどは首都の包囲を行っていく。
中から密偵などが逃げ出さないように。
また、今回の事件の関係者を逃さないように。
事の原因となった者を捕まえ、決して逃さないように。
それが出来なければ、何度も同じ事が繰り返されてしまう。




