表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生して異世界に指導者として出向くことになった  作者: よぎそーと
三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/57

42歩目 そろそろ道具が欲しい

「さてと」

 生まれてから十五年という準備期間を終えて出発の時を迎える。

 何回も転生してるので、ある程度コツを掴んできた。

 おかげでさほど苦労する事無く目的に向かっていける。

 家がそれなりに裕福なのも幸いした。

 最初の人生の時からずっと続くヒロフミの血筋は、長い時間をかけて着実な積み重ねをしてきている。

 時折放蕩者が出てくる事もあるが、それは家訓として残したしきたりにより、一族から追放としている。

 おかげで極端な目減りはない。

 そうやって作ってきたものが、転生の際の行動の踏み台になる。

 何をするにせよ、多少は準備が必要になる。

 それを一々集めるのも手間がかかるが、それを省く事が出来るのはありがたい。

 最初の段階から色々とがんばってきて良かったと思える瞬間である。

 今回の場合、長距離の移動になるので馬が必要だった。

 また、一人で活動するのも大変なので、供の者が欲しかった。

 それも揃える事が出来た。

 狩人の血筋の者達で、今は狩猟より探索を主な仕事としている者達だ。

 既に狩猟の必要性は大分薄れており、本来の仕事を行う事は滅多にない。

 集落や田畑に近づいた害獣を倒すのがせいぜいだ。

 しかし、狩猟のためにあちこちに出向いた知識と技術を磨き上げてきた一族になった狩人達である。

 それはそのまま探索に用いる事が出来るものだった。

 ヒロフミの前回の人生で身につけた旅の技術も伝授されており、それも相まって野外活動における専門家になっている。

 それが四人同行してくれる。

 心強い事この上ない。

 そんな彼等と共に、ヒロフミは山野の探索に出向いていった。



 当面の目標は薬草探しである。

 栄養状態は改善されたが、いまだに死亡率の高い状況である。

 特に大きな病気や怪我をした場合、助かる可能性はかなり低い。

 それらを少しでも緩和するため、薬となる植物を手に入れておきたかった。

 可能であるならば栽培も視野に入れている。

 とにかく死亡率を少しでも低下させたかった。

 その為の探索である。

 必要な技術は既に身につけてある。

 それらが薬草の自生する条件を教えてくれている。

 あとは該当すると思われる地域を探すだけだった。

 ただ、本来の目的はそれではない。

 薬草も大切だが、それよりももっと大きな目的があった。



 川に沿って上流に向かい、山へと向かっていく。

 もともと山に近い地域であったが、更に奥地へと向かう。

 集落の近くで見つかる薬草などについては既に確保していたので、そうではない場所への探索が必要だった。

 川に沿っていくのは、目印があるから迷い難いからだった。

 水をすぐに補給できるという利点もある。

 また、そこから目的のものをみつけられればという思いもある。

(上手く見つかればいいけど)

 身につけた技術が発揮されることを願うしかない。

 今までそうだったように。

 ただ、それはそうとして薬草である。

 本来の目的の方はかなり手間がかかるのですぐにどうにかなるとは思っていない。

 それに比べれば薬草の方がまだ見つかりやすいはずだった。

 探索に出かけて何の土産もないのでは今後に差し障る。

 何でも良いから、何かしら見つかって欲しかった。



 ありがたい事に、旅は順調に進んでいく。

 川上に向かい、山の中へと入り、更に奥へと向かう。

 適度な所で野宿をして、薬草の探索に入っていく。

 植生というか、生えてる条件についてはある程度頭にあるので目星はつけやすい。

 本当にあるかは行ってみるまで分からないが、目安があるのはありがたかった。

 幸い、数日の探索で成果も幾つかあがる。

 見つけたものを採取し、場所を地図に記していく。

 とりあえず最初の探索は成功のうちに終わってくれそうだった。

 本来の目的には及ばなかったが、十分な成果である。

(これなら、次も申請しやすくなるな)

 今回の旅の目的はそこである。

 探索は何の成果も上がらないのが普通である。

 何かが見つかったりする事の方が少ない。

 それでも未知の領域を無くしていくために必要ではある。

 だが、全く何の成果もあがらないと、さすがに次をお願いしにくい。

 やはり、それなりの結果が出たほうが次につなげやすくなる。

 今回の薬草探しは、そのためのものだった。

 次につなげて行けるようにする為の実績作りが目的である。

 そうしておけば、続けて何回かの探索に出かけやすくなる。

 薬草探しを理由にしたのもそのためだった。

 本来の目的に比べれば成功しやすいし、効果も確かめやすい。

 そうそう薬草が必要な事態は起こりはしないが、まだしも利益として分かりやすいのも大きい。

 本来の目的の方は、そう簡単に効果を確認出来ないので、結果を出すまでかなりの手間がかかると考えられる。

 だからこそ、先にそちらを目的にする事が出来なかった。

 何処にあるかも分からないし、探すだけでも手間がかかるのだからなおさらだ。

 まずは探索回数を多めに確保出来るようにしておかねばならない。

 そこまで考えていた。

 それだけ必要としていた。

(見つかるといいけど)

 かねて求めていたもの。

 金属の鉱脈が。

 それを探し求めるのが、本来の目的である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おまえら、教えやがれ
  ↓
  ↓
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/479725667.html

『ピクシブのブースを使ってるので、その事を伝えておかねば』
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/477601321.html

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ