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転生して異世界に指導者として出向くことになった  作者: よぎそーと
三章

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35/57

35歩目 苦労したが、その甲斐はあった

「それじゃ、頼む」

「分かった。

 そっちに追い込むから、上手くやってくれ」

 狩人達と分かれ、ヒロフミ達は罠をはっていく。

 網を用意し、上手く捕獲できるように配置につく。

 狩人がこちらに追い込んでくるまでそのまま待機となる。

 長い緊張を強いられる。

 それに押しつぶされそうになった。



 始まった捕獲はやはり上手くはいかなかった。

 狩人達が弓を使って追い込んでいくかが、動物の方もそうそう思い通りには動いてくれない。

 それを上手く捕らえ、狙った方向に移動していくように包囲網を作っていく。

 動物の方もそれを見て、空いてる方向へと逃げようとする。

 そちらがヒロフミ達が潜んでる方向であるのは言うまでもない。

 どうにかこうにか誘導し、何とか網を持った者達の所へと到着する。

 なのだが、そこからがまた大変だった。

 上手く網を被せようにも、なかなかそうはいかない。

 捕獲しようにも動物の方も必死の抵抗をする。

 投げかけた網が空振りに終わる事も二度三度ではない。

 そんなこんなの果てに、追い詰めた動物が逃げていく。

 田畑に寄ってくるのを掴まえるのとは違った難しさがあった。



「しくじったな」

「ああ、そうだな」

 最初の一回目、予想通りに失敗した事に無念の声をあげる。

 ただ、いきなり上手くいくとは思ってもいなかったので、これはこれで良かった。

 何がまずいのかも分かってくる。

「次は、あの部分を変えてみよう」

「分かった。

 なるべくこっちに誘導出来るようにする」

 そんな会話をして再び挑戦する事になる。

 失敗にへこたれてるなんて贅沢をしていられない。

 成功するまで何度でも繰り返す。

 それしかないのだから。



 その後も何度か失敗し、一日が終わる。

 動物たちの居場所を探し、突き止め、包囲して追い詰めていく。

 その繰り返しの数だけ失敗をこなし、でも少しずつ上手く出来るようになっていく。

 次こそは、次こそは、という気概が次第にわいてくる。

 失敗を繰り返すのは決して褒められたものではないだろうが、技術や経験の蓄積と思えばまだ許容できる。

 それに、繰り返された失敗は、良い意味での諦めと妥協をもたらす。

『まあ、次をがんばればいいや』

 その思いが余計な気負いを無くし、自然体に心身を近づけていく。

 思った通りに体が動き、全体の動きを掴めるようになる。

 気づかない撃ちに成功に近づいていく。

 そして、成果がようやくあらわれる。

 作業を開始してから二週間。

 ようやく一頭の馬を確保した。



 掴まえたはいいが、手なずけるのは簡単ではない。

 とりあえず手綱をつけて動きを制御しようとする。

 当然抵抗するから簡単にはいかない。

 人間よりはるかに強い力で振り切ろうとする。

 それを強引に引っ張って村へと戻っていく。

 仲間らしい馬がその様子を遠巻きに見ている。

 助けようとしてるのかもしれないが、近づけずに困ってるようだった。

 もちろん気にしていられない。

 ようやく確保した大事な馬である。

 確実に集落に連れて帰らねばならない。

 捕獲に参加した者達は、それで作業が終わったわけでない事をあらためて知る。

 連れて帰るのもやはり一苦労なのだから。



 連れて帰ったらそれはそれで問題が出てきた。

 手に入った動物を見て驚く集落の者達は、すぐにもう一つの問題に突き当たる。

 新たに手に入れた馬という動物、いったいどこに放り込めば良いのか?

 イノシシの飼育場所はあるが、新たな動物の場所なんて存在しない。

 当然ながら、これから作るしかない。

 ここでもやはりヒロフミは、新たに連れてきた者達を動員して馬小屋作りに勤しまねばならなかった。

 木を切り倒してきて小屋を造り、柵を作って馬を逃がさないようにしていく。

 もちろん馬も大人しくしてるわけではないが、それでも餌と水を与え続ける事で多少は大人しくなった。

 気概を加えられないと思って多少は安心してるのかもしれない。

 もちろんそうなのだが、それで馬を休ませてるというわけでもない。

 これを見越して身につけた技術の一つ、『動物調教』を用いて馬をしつけていく。

 この先馬には役だってもらわねばならないのだから。



 そんな馬についてきた他の馬を、狩人達や逃亡してきた者達が捕獲していく。

 一度成功した事で完全にコツを掴んだのか、以前より短い時間で捕獲する事に成功していった。

 馬は合計五頭になり、その分馬小屋も必要になる。

 休む間もなく作業をしなければならなかった。

 しかし、そうやって確保した馬が今後役に立つようになっていく。

 ヒロフミの調教が進み、馬も大分簡単に扱えるようになった。

(そろそろかな)

 馬を用いての活動を実践しようとしていく。

 その為に木材と縄を用いてあらたな農具を作っていく。

 前世から引き継いでいる工作技術がありがたかった。

 それほど精巧なものは作れないが、十分に使える道具に仕上げていく。

 誰もが始めてみるそれを不思議そうに見つめていた。

 動物に引かせる農具である、鋤を。



 続きはまた明日で。

 しばらく一日一回投稿になるかと。


 それと、長編を書く余裕がないで、ネタをとりあえず短編で出してる。


「異世界転移した現代人ががんばる話/試作品」

http://ncode.syosetu.com/n2989du//

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おまえら、教えやがれ
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http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/479725667.html

『ピクシブのブースを使ってるので、その事を伝えておかねば』
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/477601321.html

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