表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Peach Garden 桃園物語  作者: Herniatedkun
5/24

桃園物語 第5話

The Peach Garden 桃園物語 第五話


前回の内容。佳人を連れて西南へ逃げる劉備だったが、ついに賊に囲まれてしまう。またしても絶対絶命のピンチからの続き。



ウサギちゃん、

そろそろ起きたかね?


と、ニヤニヤしながら賊どもが玄徳に向かって言う。


玄徳、

ん?ぅううん。痛たたた、、、


ん?あ!あれ?お、お嬢さん!!


し、死んでるのか!?



お、お、おのれ!ゆ、許さんぞ!


よ、よくも、か弱い佳人を!


お、お嬢さんを!!よくも殺ったな!!


やはり、おまいらは、賊だ!賊どもだ!!


な、何が義賊だ!

黄天の子だ!!

人非人っ!!

このケダモノどもめ!!


怒りを露わにし、賊どもを罵る劉備であったが、あわれ形勢はどう見ても絶望的。剣やら槍やら弓矢ゆらを持った賊数名に囲まれては、もはやどうすることも出来ない状況である。



くくくくっ。だったら、どうなんだい?とばかりに


賊どもは余裕シャクシャクで、劉備をどうやって屠ろうかを考えている様子。


玄徳の方は、


( むむむ、それにしてもこの状況はヤバいな。正に絶対絶命、、。いかんともし難い。こうなったら一目散に逃げてしまおうか??もしかしたら逃げ切れる可能性があるかもしれない。否!それは愚なり!愚なり!なぜならきゃつ等は馬に乗ってるときてる。とてもじゃないが走ったとしても逃げ切れん。それよりもなによりも、たとえ骸でもお嬢さんを置いて一人だけ逃げるなんて、そんな卑怯が許されるはずがない!万が一俺一人逃げ延びたとしても、そんなことしてしまっては末代までの恥!ましてや漢王室の末裔たる俺が、か弱い女を見捨てて逃げただなんてそんなことは許されるはずもないうむ。断じて出来ない。一生人非人として世間様から見られてしまう。マミィにも面目ない。や、やはり、ここは戦うしかあるまい。し、しかし、ど、どうやって戦う?ま、まず、俺には武器がない。わ、我が身はまったくの徒手空拳である。な、なのに剣だの槍だの弓矢だのを持ってる輩を相手にするのか?できるのか?いやいや上等上等。卑しくも俺は漢王室の末裔だ。かくなる上は、、、ん??あ、あれ?あれは、、、、そ、そうだ!これだ! )



え、えーいっ!!

こ、これでも喰らえやっ!!


劉備はとっさに落ちてる石ころを拾い、賊どもに投げ付けた。それは見事に賊達の顔面に必中し、一人、賊が槍を落とすと、すかさず玄徳はその槍を拾い上げ、すぐ様ブスッと賊の一人の腹を貫いた!!


ど、どうだ!悪党どもっ!!

玄徳様の正義の槍の味は如何に!!?



こ、この、大耳のウサギ野郎!!調子に乗りやがって、マジでぶっ殺してやる!!と石を顔面に食らって倒れ込んいた賊の一人が、すぐ様立ち上がり、剣でもって玄徳へいきなり振りかかって行った。


と、とりゃー!!ありゃー!!おりゃーっ!と玄徳も奇声をあげながら応戦する。


カキーン!カキーン!


玄徳の槍と賊の剣とがぶつかり合う音、


1合、


2合、


3合、


と火花を散らす!


と、その時、バシーンっ、クルクルクルクルと槍が回転しながら地面へと先っちょが突き刺さった。言うまでもなく玄徳の正義の槍である。


はっ!しまった!!


玄徳の槍が相手の剣によって弾き返されてしまったのである。


ば、ば、ば、万事休す、、、

も、も、もはやこれまで、、、、か


とついに玄徳自身も諦め掛けたところ、、


うほー


ぅほほっーい、


ぅほほーい!


ぅほほーい!!


うほほーい!!!


と、遠くで野獣のような声がする。


ん、?なんだ?と賊が声がする方へ顔を向けると、


何やら、猛烈な勢いでダッシュしてくる猛牛のごとき人影が近づいて来る!!


うほほーい!!!


うぉーい!!


オオオオーイ!!!


待て、待て、待って!!

待ってくれや!!!


まぁ、まぁ、まぁ、待ってくれや!!!落ち着いてくれや!!!


と、かなりの大男が息を切らしてこちらへ近寄って来た、、、。


な、な、なんだあの化け物みたいな大男は??

と玄徳はつぶさに思った。


ドングリのようなまん丸い目ん玉に、虎ヒゲを生やした2メートル近い大男が賊どもと何やら話している。


歳は自分と同じか、いや下かもしれぬ、と思われた。


が、それにしても一体全体こやつは何者なのだろうか?、


と絶対絶命のピンチにもかかわらず、玄徳はその化け物のやうな男の様相にすっかり驚いてしまった。


大男と賊どもは、何やら知り合いのようだった。


賊、

あぁ!なンだょ!?

確かお前はこないだ入って来たばかりの張じゃねぇか!

いきなり大声出してくんなよ。

ビックリするじゃねぇか!!


張と言われた大男

いやー、いやー、すまんね、すまんね。いやー、一大事だと、思ったんでね。


賊ども、

ふん、一大事って何だよ?こっちはお取り組み中なんだよ、

邪魔すな!あっち行ってろ!!虎ヒゲ!!


虎ヒゲ、

いや、いや、一大事ってのは、お前さん達が今やろうとしていることでごさるよ!!


賊ども、

あぁー?何言ってんだおめぇ?

また酔っ払ってんのか??


虎ヒゲ、

いや、いや、いや。要するにだね、だから、その男を離してやれって言ってるんだよ!


賊ども、

な、何を馬鹿なことを!そんなことできるもんか!?

こ、こいつはさっき俺の仲間を一人殺したんだぜ!そ、それでも離せと言うのか?


虎ヒゲ、

あぁもちろん、そうだとも!!


賊ども、

ば、馬鹿か、お前?


し、新入りのくせに、さっきから何言ってやがる!!

ほら!もうあっち行ってろ!!行けって!!お前には全然関係ないんだから!


虎ヒゲの新入り、

いや、いや、いや。

それはダメだね!

だって俺はそいつを助けにここまで走って来たわけだから!!


賊ども、

むむむ。何を言うか!?さ、さては、お前はこいつはお前の仲間かなんかか?

で、でも、それでも俺はこいつを殺すぞ!

な、仲間を殺されたんだからなっ!


虎ヒゲの新入り、

ふふーん。では、では、では。しょうがあるまい!

俺はお前らを殺して彼を救うとするか!!


そう言うと、虎ヒゲは、いとも簡単にビュンビュンと次々に賊どもを彼方のへ放り投げてしまった!!


あわれ賊どもは岩岩に衝突し、その身は文字通りに砕け散っしまった。



それを見て劉備は、

あ、あ、あ、あわわわわっ、ば、化け物か君は?


虎ヒゲ、

いや、いや、いや。化け物だなんてひどい言われようだ。俺は君を助けてやったんだぜ?それに、俺は化け物ではないよっ!名前は張飛、字名は翼徳ってんだ!まぁ、ひとつよろしく!


劉備、

そ、それは、そうだったね。

あ、ありがとう、虎ヒゲ君。本当に。



張飛登場!劉備と邂逅する!ところで、お嬢さんは?次回へ!












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ