表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Peach Garden 桃園物語  作者: Herniatedkun
17/24

桃園物語 第17話 桃園の誓い前夜 その2

桃園物語 第17話 桃園の誓い 前夜 その2


( 劉備邸にて )


まだ夜は長く、三人の話しは続いていた。


劉備が世の中について切々と訴えかける。


"お二方も知っての通り、今の世はまさに乱世。朝廷の権威はいよいよ地に落ち、官軍には、もはや力がない。各地方に義勇軍を募ってはいるが、力及ばずで、黄巾賊の害毒は日増しに大きくなるばかりだ。もし仮に黄賊を討伐しても、宦官により政治は乱れているので、また次の誰かが世を乱すであろう。そう、まさに群雄割拠の時代になる。今こそ、世を正す真の英雄が求められていると僕はずっと思っているのだ。"


"ウム!その通りだ!"と張飛が頷く。


関羽、

" 民を愛し、世を正すためなら、この関羽、命を捧げても惜しくはない!"


張飛、

"ああ!俺もやるぞ!劉備殿、雲長、三人で世を正しましょうぞ!!"


劉備、

"しかし、たかが三人、ここで集まっても、糸は紐にはならず。一体何ができるというのか、、、。"


関羽、

"まぁ、まぁ。二人とも、少し私の話を聞きなさい。


確かに、私たち三人がただ集まるだけでは、それは所詮、烏合の衆であり、徒党の集団である。だんご三兄弟と疑われても仕方がなかろう。


が、しかし、今我ら三人は、邪を憎み、民を愛し、世を正すという大義を持っている。三人がその志しを一つにすれば、それは直ちに軍となり得る。そして、軍には将軍が必要であり、武士とは君主に仕えるものだ。


そこで、劉備殿、王家の血を引くあなたに我々の将軍、君主となっていただきたいと思うのだが。"


張飛、

"おお!それはいい!大賛成だ!"


劉備、

"うーーん。そう言ってくれるのは嬉しいのだが、、、。"


張飛、

"なんともハッキリしないお方だなぁ。"


劉備、

"いや、まだ僕は、何一つ成し遂げていない。君主としての徳もなく、功もないのに将軍と言われるのは、やはり抵抗を感じる。"


張飛、関羽、

" うーーむ。"


劉備、

" では、こうするのはいかがです?我々三人で義兄弟の契りを交わす、というのは?僕を将軍、君主とするのは、これから先、徳を積み、功を挙げてからでも遅くはないでしょう。"


関羽、

" うむ。よろしい!張飛、お前は?"


張飛、

" 無論、異論はないっ!"


劉備、

" では、誓おう!家の近くに桃園がある。そこで、誓いを立てよう!今は花盛りだから、きっと素晴らしいでしょう!"


三人はそう約束し、そして眠りについた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ