桃園物語 第15話 義兄弟
桃園物語 第15話 義兄弟
兵士たちが、関羽、張飛の二人の元を去ると、すぐに関羽は張飛の縄を解いた。
関羽、
" 悪かったな弟よ、、。"
張飛
" いや、実は俺の方こそ助けられた。危うく官軍の兵士たちを無闇に殺し、取り返しのつかない罪を犯してしまうところだった。尊兄、感謝する、、。"
" しかし、それにしても、随分と物騒な格好をしてるじゃないか?"
張飛は関羽の物々しい装いを見て尋ねた。
関羽、
" フッ。何を言うか?劉玄徳殿の力にならないか?と張飛、お前の方から話を持ち掛けたのではなかったのかね?"
張飛
"確かにそうだが、でも、アニキは俺を信用しなかったじゃないか?"
関羽
" あの時は、あの場が塾だったため、冷淡な態度をとったのだ。まだ童子や親やらが周りに残っていたかもしれないからな。こういう大事な話は、密にするべきであり、誰にも漏れないように用心しないといけない。"
" 実は、劉備玄徳氏の噂は以前から知っていた。楼桑村にある大きな桑の木の家は、かつては名家だったという。私も気になって、以前から密かに調査していたのだ。まさか、それが王室所縁の家だとは、思わなかったが、、。"
張飛
" うーむ、流石は兄者!
兄者はやはり俺の兄者だ!" とハハハと笑った。
関羽、
" 酒場の主人からお前の話しを聞いてね、私は、ただちに塾の職員たちを休暇に出し、塾をクローズして、ここに馳せ参じた、というわけだ。さぁ、弟よ!劉備殿のところへ急ごうじゃないか!"
" 実は、その劉備殿だが、実は、、"
張飛がそう言いかけた時、
" おーい!もう、そろそろ、出てきてもいいかいかなぁ?"
と、物陰から一人の貴公子風の青年が現れて言った。
関羽、
" Oh ! あなたはもしや?劉備玄徳ではありませんか?"
" そう!このぼくが、劉備玄徳だ。"
青年はにこやかに答えた。
こうして劉備、張飛、関羽、後に桃園三兄弟となる三人が、初めて集結したのである。