58.謎の爆発
一度くらい粉塵爆発のお話を書いてみたいけど、今回は普通に火薬。
火薬の作り方はググっちゃ駄目です。
ホームセンターで材料揃うじゃん!とか思っちゃ駄目です。
夏休みの自由研究にしちゃ駄目ですよ?
「そう……もういいから上がっちゃおう。靴脱いで靴。ツバキさん靴しまっておいてねー」
むすっと拗ねた表情のままツカサはミヤコに靴を脱ぐように促す。
室内に上がればまたもミヤコの肩を押してぐいぐいとリビングへ。
「酷いよねー、二人とも。僕だってちゃんとやるべきだと思ってるからやってるだけで、故意に誰かを危険に巻き込んでるってわけじゃないんだよ?」
言い訳を連ねるツカサだが、それぞれの言い分を聞くに十分な前科があるのだろうとミヤコは納得する。
というか、本当にあのカフェでの出来事は偶然だったとは思えないと、ミヤコ自身ですら思っていた。
ミヤコがツカサに押されるままリビングの扉を開けると、すぐに気が付いたアセビがいソファから立ち上がりミヤコを迎えた。
その表情はやや不安そうな、どこか困ったような顔に見えた。
「お帰りミヤコ」
「あ、ただいま、です」
「で? 兄さんに何か無茶振りされなかった? 姉さん守ってくれた?」
何故ツツジもアセビも同じようなことを聞くのだろうか。
そしてツカサはミヤコの後ろで苦虫でもかみつぶしたかのような顔をしている。
ただ無茶振りで言うなら、ユカリも一見無茶振りっぽい要求をしてくることがあるなとミヤコは感じていた。
話始めると良き次の分からないのンブレスマシンガントークの割に、時々あえて説明をせずにミヤコに行動を促すことがある。
理論よりも行動というタイプなのかもしれないとミヤコは思った。
驚きはしたが、危険では無い事しかさせられていないので、悪意はないのだろう。
「えっと、ツカサさんずっと仕事で、一緒じゃなかった、です」
「え? そうなの?」
ミヤコの言葉にアセビは意外だと言うように目を見開く。
ミヤコがツカサを背後霊にしてリビングの中まで入ると、テレビの前のソファでミクを膝に乗せてくつろいでいたサツキが言う。
「だから言ったろ。さすがに兄貴でも親類でもない未成年をほいほい爆心地に連れていったりしないって」
言ってサツキはこの時間帯でもやっているニュースを探して公営放送へチャンネルを変える。
「あー。もう終わったか。さっきまで熊本城付近で起きた爆発騒ぎの報道やってたんだぜ」
何やらとんでもない事件が起きていたと聞いて、ミヤコはびっくりしてまたツカサを振り返る。
顔や髪についていた煤は流石に拭きとっているが、未だきな臭さと服の焦げはそのままのツカサ。一緒に行動していたのだろうマコトに至っては、一部の髪が焼けて縮れているのも見ていた。
「てっきりミヤコが巻き込まれたと思った」
安堵の息を吐くアセビに、ツカサがやはり拗ねたような態度で返す。
「巻き込むわけないでしょ。ちゃんと僕とマコトとあと警察の人が対処しました」
そう聞いたとたん、サツキが膝の上のミクの耳を両手でふさいだ。ミク離れているようで、サツキの真似をするようにサツキの手の上から自分の手で押さえ、ついでに目も閉じる。
「警察の人?」
ミヤコはミクの耳が塞がれたのを見ながら、小さく疑問に思ったことを口にする。
「うん、人に仕事押し付けてばっかりだったから、ここ数日の出動で僕もマコトも満身創痍だから後始末全部押し付けた。僕らは巻き込まれた一般人です。というかさあ、元々警察から怪しい奴がいるから対処できないかって呼び出しで行ったんだよ? なのに僕とマコトだけで犯人捕まえるとか馬鹿にしてない? 一般人よ僕」
本当に苦々しそうに溢すツカサに、遅れてやってきたマコトが疲れたように補足する。
「いやあれは……不可抗力だろ。どこのテロ組織だよ、自爆特攻とか。というかあれ異世界産じゃなくて間違いなくこっちの世界で制作した普通の爆弾だったろ……ったく。いやまあ犯人の車からは異界産の違法薬物押収したがな」
「あー、駄目だクサクサする。このままじゃ社外秘喋っちゃいそう! この話ストップすとーっぷ」
ツカサとマコトの愚痴めいた言葉に、アセビとサツキが視線を交わす。
サツキはミクの耳をふさぐ手を退けるかどうか迷っているようだった。
「何があったか分からないけど何があったかも知りたくない話のようだった」
アセビが盛大にため息を吐く。
「だから嫌なんだよ、兄さんがこっちに来るの」
ツカサはまた拗ねたように唇を尖らせ、マコトはさもありなんと頷いた。
「酷い言いようだね」
「まあ、その気持ちは分かるな」
本日の更新はここまで。
明日以降どうなるか分かりません。
何故なら喉から出血したから。
新型コロナの最新株、ニンバス君の特徴って喉の激しい痛みと倦怠感だったよね?
え? これニンバス君?
更新途絶えたらまあそういうことで。