124.ミヤコ君とお野菜
河上さん知らなかったショック。
身内の熊本フリークな人に教えていただきました。はい、身内も地元愛溢れる素敵な熊本県民です。皆熊本を愛そうぜ。
FGOには天草四郎さんとかがいらっしゃるので。
大丈夫きっちり二回更新分書きました。
ちょっといつもより見直ししてないので粗が有ったら教えていただきたいです。
よろしくお願いします。
「そういう靄って、いつも見えてたの?」
ツカサの声に責める色は無い。それでも後ろめたさがあるミヤコは追及されてるような気分になる。
「いえ、前の所では全然……えっと、でもこっちに来てからは、世界の罅以外にもそういう靄がかった物って見えるんです。ツカサさんの手とか、足とか、手袋外した時に。でもそれとジェーンズ邸の靄ってどことなく違って……ジャガイモの男爵芋とメイクイーンくらいの違いみたいな感じなんですけど」
焦るように言葉を紡ぐミヤコは、つい余計なことを言ってしまう。
今日見たばかりの野菜の群れが、頭をちらついて離れない。
余計な情報を入れるんじゃなかったとミヤコは心底後悔する。
しかし芋とは十把一絡げな扱いの最たるもの。
緊張した時に人をジャガイモに見立てたり、ただただ人が集まって混雑している様子を芋の洗い場と表現したりされる物。
ミヤコも違いがあると知って見なければ、ツカサの靄と異界の気配の差異など分からなかった。
ミヤコの思わぬ言葉に、ツカサは首をかしげならがらも言葉の意味を推察する。
「えっと……それは似てるけど違う種類だって、理解さえしてれば見分けが付く感じ?」
ミヤコはこくこくと頷き、またも余計なことを付け足す。
「そう、そうです。ヨモギとシュンギクくらい違う感じで」
妙な例えになってしまったが、それはミヤコにとってかなり的確に今の自分の感覚を表す表現だった。
野菜のようにどんなに同じように見えても、少しずつ違う物、それがミヤコにとっての異界の気配だ。
必死に身近な物で例えようとするミヤコに、ユカリがそれ分かると大きく頷く。
「あー、何か分かる。そっくりだし見てると見分けは付くんだけど、道端にポツンと生えてたりしたら、それがヨモギかシュンギクか別のキク科植物か分からないよね。山菜摘みとかキノコ狩りできる人尊敬するもん」
エレベーターが到着したので、乗り込みながら分かるわかると何度も頷くユカリ。
ミヤコの例えがよほどハマったのか、そりゃあ区別付けるの難しいはずだよねえと納得している。
しかしツカサは言う程だろうかと首を傾げる。
何時までも乗り込まないので、マコトに襟首をつかまれ引きずられてエクスカベーターの中へ。
「えーそう? 流石にヨモギとシュンギクは匂いとか千切った時の茎の感じとか全然違うけど」
ツカサの言う通り、ヨモギとシュンギクは見た目以外でも判別する方法がある。
それこそがユカリの言いたい事だと、ユカリは襟首を掴まれたままのツカサに指を突き付ける。
「だからこそじゃない? 近くに行って、見る以外の情報があれば同定が出来るってことだよきっと、ね、ミヤコ君」
ミヤコはユカリの言葉にこくこくと頷いた。
「やっぱり現地で見てもらう以外ないのかあ。うん、ごめんねミヤコ君、今日見つからなかったら、また明日以降も頼むことになりそう」
ごめんねという割に、ツカサの声は全く悪びれた様子が無く、ミヤコはちょっと口の端を持ち上げ苦笑した。
本日の更新はここまで。
明日も頑張る!